ユダヤ人と私 その13 エスノセントリズムとホロコスト

ユダヤ民族の悲劇は第二次大戦中のホロコスト(Holocaust)です。Encyclopaedia Britannicaによりますと「Holocaust」は「神への焼かれた生けにえ」という意味のギリシャ語を語源とする言葉といわれます。ホロコストは、生けにえを捧げる儀式「燔祭」から由来し、後にナチスが組織的に行った大量虐殺のことです。旧約聖書の「創世記」(Book of Genesis)には、年老いたモーゼ(Moses)と不妊の妻サラ(Sarah)との間にもうけた一人息子イサク(Isaac)を生けにえとして捧げるよう、モーゼが信じる神によって命じられるという試練の記述があります。

エスノセントリズムの代表例がホロコストです。自分の属する内集団と,属さない外集団との差別を強く意識し,内集団には肯定的服従的態度を,外集団には否定的敵対的態度をとる精神的傾向を指します。これが極端になるとユダヤ人迫害のホロコストにみられるような極端な排外主義になります。アングロサクソン(Anglo-Saxons)を含むゲルマン(Germanic peoples)民族の選民思想や人種思想を標榜したのがナチスドイツでありました。

ワシントンD.C.のモール(Mall)の一角にホロコスト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)があります。1993年4月に開館した比較的新しい博物館です。ついでながら、この博物館で私の国際ロータリー奨学金のスポンサーであるDr. Robert Jacobsの名前が寄付者の碑にありました。