懐かしのキネマ その36 ハリウッドと映画 その2 五大映画製作会社

ハリウッドの歴史はアメリカの歴史そのもののような感があります。その発展を少し辿ってみます。第一次大戦のヨーロッパでは、ほとんどの国が映画製作を中止します。他方、アメリカ映画は対戦中のアメリカ資本主義の成長に劣らない勢いで膨張し発展していきます。当時、世界中の映画の80%以上がアメリカ映画だといわれます。1920年代には、ヨーロッパから才能ある監督、作曲家、俳優、技術者がアメリカに移り住んできます。こうした才能のある人々の活躍を反映してか、1920年代の末には、ハリウッドで製作されるアメリカ映画は世界映画市場の90%を占めるようになります。

ハリウッドの繁栄を評して、ハリウッドは最もアメリカ的なものの1つとなったといわれます。それを冷ややかな目で眺めていた識者もいます。例えばハリウッドを指して「蜃気楼の街」とか「夢の工場」という人々いました。次々に映画が作られる様を指摘して「まるでソーセージを生産するような所」と揶揄する人もいました。こうした批評は、映画製作の隆盛に皮肉と羨望が混じり合ったものだったろうと察せられます。

「ハリウッド映画」で、『ワーナー・ブラザース・エンターテイメント(Warner Brothers Entertainment)』や『ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(Walt Disney Pictures)』をはじめとする6社の有名な映画制作会社が拠点を置いており、世界の娯楽産業に多大な影響力をもたらしています。その他の映画会社として『20世紀スタジオ(Twenty Century Studios)』、『ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)』、『パラマウント映画(Paramount Pictures Corporation)』、そして『ユニバーサル・シティ・スタジオ( Universal City Studios)』が知られています。

ウォルト・ディズニー(Walt Disney)とロイ・ディズニー(Roy Disney)は創業以来、多くの傑作アニメーション映画を生み出します。1940年の『ファンタジア(Fantasia )』や『眠れる森の美女(Sleeping Beauty)』、『アナと雪の女王(Frozen)』などを製作し、1990年代に黄金期を迎えます。ワーナー・ブラザースといえば、最近では『ハリー・ポッター(Harry Potter)』シリーズが知られています。20世紀スタジオの名作といえば、『ダイハード(Die Hard)』や『プレデター(Predator)』、『エイリアン(Alien)』といった作品です。ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントは、コロンビア映画 Columbia Pictures Industries)を傘下におき、『スパイダーマン(Spider Man)』や『パイレーツ・オブ・カリビアン(Pirates of the Caribbean)』、パラマウント映画では『ミッション:インポッシブル(Mission Impossible)」、ユニバーサル・スタジオからは『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)』などが制作されます。いずれも娯楽映画の代表作品です。