どうも気になる その9 普天間基地の移設と「県高国低」

普天間基地の移設に伴う新しい基地の建設が辺野古の海で始まった。沖縄県知事と国との移転に関する話し合いがようやく始まった。だが、両者の言い分は、原点が違うので全く合意点はなさそうだ。それはそうだろう。

最近の沖縄県と国の対立には2014年の衆議院議員選挙の結果が大きく影響している。沖縄は四つの小選挙区となっている。自民党はこの選挙で一人の当選者も出すことができなかった。かろうじて比例代表制度によって次点の4名が当選となった。沖縄知事選挙でも辺野古への基地移設に反対した翁長雄志氏が当選した。沖縄県の自民党国会議員団は力を失い、沖縄県との接触は今回のように官邸主導となる構図となった。

今度の官房長官の訪沖をみていると、かつて権力の構図は、現在は「党高政低」は「官高党低」となっているようだ。国会議員の力が低下し、県会議員や知事の力が増幅している。その具体事例が沖縄県である。

今、国会議員要覧を手にしているが、知っている議員は少ない。その理由ははっきりしている。第1回から2回の当選回数の議員が多いことだ。併せて170名となっている。いわゆる「xxxチルドレン」とか「刺客出身」、そして比例代表で選ばれた新人議員が多いからである。

小選挙区制度では、党公認は一人であり、派閥からは一人の人間しかだせない。従って派閥の系列化が弱くなる。そのため族議員が減り、国会議員に依存していた各官庁への陳情力も低下する。沖縄県議会の構成をみると自民公明で18名、その他は29名であるから議会の与党と知事は一緒になって官邸と堂々とやり合うことができる。「県高国低」という構図なのが沖縄である。地方自治のあり方を示している。

Henoko72  名護市辺野古Hutenma 宜野湾市普天間