【話の泉ー笑い】その十一 British Jokes ブリティッシュ・ジョーク その1 その特徴

ブリティッシュ(British)とはイギリス人とかイギリス英語のことを指します。「イングランド」を指していた言葉がなまって「イギリス」となったとも言われます。Britishといえば「ブリテン(Britain)の人、ブリテンの」ということです。Britain (British)は地理的な観点からの呼称というのが一般的な考え方です。United Kingdom(UK)という呼び名もあります。これは「イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド」の4つからなる連合国家(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)を指す為政上の名称です。少々ややこしい呼び名なので、通常はUKという略称を使います。前置きはこの位ですが、「イギリス」とは日本だけで通用するといいたかっただけです。

Great Britain

ロシアの小咄に比べてブリティッシュ・ジョークは少々お高い雰囲気で、大笑いはできないようです。紳士、淑女の国だからでしょうか。イギリスには様々な国籍の人が集まるため、外国語訛りの英語や、奇異な外国の風習などが外国人ネタが多いようです。形式や権威への批判もジョークの対象となります。対象に権威があればあるほど面白みが増すもので、例えばアメリカ大統領をはじめ世界各国の首脳や英国王室、聖書や神もジョークのネタにされます。権力や権威に反抗的で機知に富み、強い皮肉や自虐的であることがブリティッシュ・ジョークの特徴とされます。

British Jokes

例えば「イギリスのテーブルの上にはマナーはあるが、料理はない」(There are manners but not good food on the table in England.)というのがあります。伝統や形式を重んじがちなことを皮肉っています。イギリスのジョークにはダジャレなど言葉を題材にしたネタが多いことで知られています。これもシェイクスピア(William Shakespeare) などの文学者や演劇文化を通じて培われた言葉遊びが基になっているようです。大喜利チックなコメディアンが大袈裟に転んだりするドタバタものは少ないようです。

外国語の理解力というと、複雑な長い文章を読みこなせるようになるとか、難しい表現を覚えるとか、そうしたことに注意が向きがちです。しかし、実は最も難しいのは、時代や文化的背景の部分です。ブリティッシュ・ジョークは、イギリスの地理や歴史、時事的な話題を知っていると原文を理解することができるものです。そうすると面白さや可笑味も伝わるのです。

ブリティッシュ・ジョークを一応分類すると次のようになりそうです。
 「Irony 」 自虐的な笑い
 「Sarcasm」 真逆のことを意味する笑い
 「Dry Humor」 ポーカーフェイス的な笑い
 「Self Deprecation」 謙遜し卑下する場合の笑い
 「Innuendo」 ほのめかしの笑い
 「Banter」 他虐的な笑い(からかい)
 「Pun play on words」 言葉遊びの笑い