アメリカ合衆国の州を愛称から巡る その22 『Pelican State』とルイジアナ州

ルイジアナ(Louisiana)という地名は、フランス王ルイ14世(Louis XIV)に由来します。州都はベイトンルージュ市(Baton Rouge)、最大の都市はニューオーリンズ市(New Orleans)です。私はこの州を訪ねたことはありません。

1803年ルイジアナ買収によって合衆国領となってからこの州は発展します。1849年州都がニューオーリンズからベイトンルージュへ移ります。民法には大陸法の影響が色濃く残っています。例えば州の下の行政区画として、他州で用いられるカウンティ(county、郡)の代わりにパリッシュ(parish)という用語が使われます。parishとはキリスト教会の小教区を意味し、現在は行政小教区 「civil parish」と呼ばれ、フランス植民地時代の影響を受けた結果です。パリッシュがカウンティ相当として使われるのはアメリカではルイジアナ州のみです。

New Orleans

Old Town and canal

州内いくつかの都市圏では多文化、多言語の遺産が残っており、18世紀に領域を支配したフランスの混合文化に強く影響されています。アカディア(Acadia)やヌエバ・エスパーニャ(Nueva Espana)といった文化です。アカディアとはメイン州東部とカナダのノバスコシア州(Nova Scotia)に相当する地域の古名で、フランス領だった地域です。先住民であるインディアンや、西アフリカから奴隷として連れてこられたアフリカ系アメリカ人の文化の影響も見られます。19世紀初めにアメリカ合衆国の領土となりますが、他州とは相当異なった文化が形成され今日に繋がっています。