どうも気になる その16 発達障害と診断と治療 その4 処方と「お薬手帳」

たまの外食に洒落たレストランへ出掛ける。この時ばかりはいつも飲んでいる焼酎は避け、ワインを注文する。「食堂」でのワインは雰囲気がでない。しばし食後の満足感を味わっていると連れ合いが袋をとりだしてテーブルに薬を並べる。それも一つや二つでない。ドバーッとである。これを見ると、「やっぱり食堂のほうが良かったか、、、」という気分になる。

大勢の高齢者が薬とかサプリメントを服用している。薬代の負担は本人達だけでなく納税者にもかかかっている。そこで「残薬」の問題である。連れ合いは毎月ホームドクターの所へ行って薬を処方してもらう。一月分である。「二月分だしてくれると助かる」とブツブツ言いながら出掛ける。だが今は、医師も薬の飲み残しに敏感になっている。「お薬手帳」を利用することで患者の薬の種類と量を正確に把握でき、複数の医療機関から同じ薬を処方されていないかどうかも薬剤師が確認できるようになった。

厚生労働省は、日本薬剤師会の調査をもとに2012年度に全国で7億9,000万件あった薬の処方箋について推計している。それによると180万件は「残薬」を理由に薬剤師が薬の量を減らすなどの対応をとり、それによって医療費をおよそ28億7,000万円抑制できたと報告している。180万件とは少なすぎる。まだまだ残薬問題はあるはずである。厚生労働省は、「お薬手帳」の利用をさらに促進したり、長期間にわたる薬を一度に処方される患者に対する薬剤師の服薬指導を徹底するなどとしている。患者の薬の量を正確に把握する取り組みは大事だ。多額の医療費の節約のほか、不要な薬の処方も減らせるはずである。

医者と薬剤師はより協力して患者の「残薬管理」をしてもらいたいものである。たとえば、医師の診察前に薬剤師が残薬を確認して、処方量を提案するといったことである。患者も薬の量を少しずつ減らす努力も必要ではないか。過度に薬に「信頼する」のは、薬がないと不安に駆られるからだろうと察する。なにか薬中毒のようである。医師は思いきって疾病にかかっていない「予備軍患者」には薬を減らす決断をしてもらいたい。点数をかせごうとするのは医師としての倫理に反するのではないか。製薬会社にもそこのセールスマンにも責任はある。

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