懐かしのキネマ その57 【グッド・ウィル・ハンティング】

この映画は1997年に製作され、その原題は「Good Will Hunting」といいます。数学のノーベル賞 (Nobel Prize) といわれるフィールズ賞 (Fields Medal) 受賞者でマサチューセッツ工科大学(MIT) 数学科教授のジェラルド・ランボー (Gerald Lambeau) は、数学科の学生たちに代数的グラフ理論(Graph theory) の難問を出します。世界屈指の優秀な学生たちが悪戦苦闘する中、いとも簡単に正解を出す者が現れます。その人物は学生ではなく、大学でアルバイト清掃員として働く孤児の青年ウィル・ハンティング(Will Hunting)でした。

Will Hunting

ランボー教授はウィルの非凡な才能に注目し、彼の才能を開花させようとします。ですがウィルはケンカをしては鑑別所入りを繰り返す素行の良くない青年でした。ランボーはウィルを更生させるため様々な心理学者にウィルを診てもらうのですが、皆ウィルにいいようにあしらわれ、サジを投げ出す始末です。ランボーは最後の手段として、学生時代の同級生ジーン・マグワイア(Sean Maguire)にカウンセリングを依頼します。ジーンはバンカーヒル・コミュニティ・カレッジ(Bunker Hill Community College)で教壇に立つ心理学の講師で、ランボーとは不仲でした。ジーンはウィルの更生のため協力することになります。

ジーンは大学講師として表面的には平凡な社会生活を送りながらも、最愛の妻をガンで亡くしたことから孤独に苛まれていました。事情を知らないウィルは当初ジーンをからかうのですが、やがて互いに深い心の傷を負っていることを知ります。それは、二人とも小さい時、親から虐待を受けて育ったということを打ち明けたからです。ジーンは、ウィルの反抗的な生き方が小さい時に受けたトラウマ(trauma) を引きずっているからだと考えます。そして次第に二人は打ち解けていきます。

Sean & Will

ランボーは、ウィルにある仕事を世話します。そしてランボーとジーンは和解します。ジーンは大学から有給の休暇をとり出掛けていきます。ウィルの友人らは、彼の21歳の誕生日祝いとして通勤のためにシボレー車をプレゼントします。ウィルはジーンに置き手紙を書き、ランボーからの仕事を辞退して、元ハーバード大学の女学生で恋人のスカイラー(Skylar)に再会するためにカリフォルニアへ行くと伝えるのです。