旅のエピソード その15 「ルートビアと長男の誕生」

私が始めて海外に行ったのは1968年5月。マレーシア(Malaysia)のクアラルンプール(Kuala Lumpur)です。ここでキリスト教の学生会議がありまして、幸い派遣されて出かける機会を得ました。生まれてはじめてパスポートをとり、 東京のマレーシア大使館でビザをもらいました。

宿舎となったのは、クアラルンプール郊外のペタリンジャヤ(Petaling Jaya) という地区にあったセミナーハウスでした。宿舎の郊外にA&Wという、いわゆるファーストフードのレストランがありました。ここで始めてハンバーガーを知りました。飲み物ででたのは「ルートビア」(Root beer)です。これは、アルコールは含まれておらず、約14種類以上のハーブを原料としたドリンクです。正露丸に似たような実に不思議な飲み物だな、と思いました。今飲んでみますと、コーラとクリームソーダを足したような味がします。

3日間の会議は、今もってなにを討議したのかは覚えていません。会議の内容を理解するには英語力が低すぎました。討議に参加するどころではありませんでした。しかし、この会議を機に英語の理解力をつける必要があることを痛感して帰りました。これが唯一のお土産です。

マレーシアからの帰り際に、北海道で地震があったことを報道で知りました。家内が臨月だったのでどうなったかが心配でした。札幌に戻りますと長男が無事生まれていました。忘れられない海外初旅行です。