留学を考える  その39 ネヴァダ州–The Silver State

ネヴァダ州(Nevada)は、西にカリフォルニア州(California)、北にオレゴン州(Oregon)、東にユタ州(Utah)、南にニューメキシコ州(New Mexico)に囲まれています。州都はカーソンシティ(Carson City)。最大の街はラスベガス(Las Vegas)となっています。

ネヴァダという名前は、”雪がかぶった山々”という意味のシェーラネヴァダ(Sierra Nevada)に由来すると言われます。北部は砂漠地帯、南部や渓谷と山となっています。ラスベガスの北100キロのところに原爆実験場があります。1950年代の冷戦下で、ネヴァダ州での原爆実験が新聞紙上でしばしば報道されました。

ラスベガスのカジノは多くの観光客を惹きつけています。これが大きな産業ともなっています。他の産業としては金の採掘です。世界でも有数の金銀の算出となっています。変わったところでは、合衆国ではロードアイランド(Rhode Island)とともに、なんらかの売春が合法となっています。

多くのネイティブアメリカンが住んでいます。ナバホ(Navajo)、パイウーテ(Paiute), ショショーン(Shoshone)といった部族です。太平洋戦争中「ナバホ暗号部」が設置され、軍事的な指令文はナバホ族出身の兵士によってナバホ語に翻訳して送信され、それを受信して英語に直すという具合でした。いわば暗号文をやりとりしていたことになります。こうしたナバホ語はコードトーカー(Code talker)と呼ばれました。この映画「ウインドトーカーズ(Windtalkers)」は、この暗号をめぐるサイパン島での戦いでした。是非観て欲しい作品です。

気候は砂漠の影響で夏は乾燥して高温、冬は厳しい寒さが襲います。寒暖の差は合衆国で一番といわれています。ライセンスプレートにはThe Silver Stateとあります。

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留学を考える その38 ネブラスカ州—The Good Life

ネブラスカ州(Nebraska)は合衆国のほぼ真ん中に位置しています。北はサウスダコタ(South Dakota)に、東はアイオワ(Iowa)とミズーリ(Missouri)に、西はワイオミング(Wyoming)とコロラド(Colorado)に、南はカンザス(Kansas)に囲まれています。州都はオマハ(Omaha)。州の大部分は平坦な大平原が広がります。トウモロコシを中心とする穀物地帯です。牛肉や豚肉の生産でも知られています。

ネブラスカに関するエピソードがあります。学校の教師らとでネブラスカへ行ったとき、入国手続きをしたデトロイト空港でのことです。家内の番になりまして審査官との間で次のような会話をしてました。

審査官 「入国の目的は?」
家内 「観光です」
審査官 「これからどこへ行くのか?」
家内 「ネブラスカです」
審査官(けげんな表情で)「ネブラスカのどこで観光するのか?」
家内 「リンカーンです」
審査官「観光でネブラスカへ行く日本人はあんたが初めてだ、、、」

デトロイト経由の乗客の中で、観光でやってくる日本人の99%はニューヨークとかボストンとかフロリダへ行くのです。審査官もけったいな日本人に驚いたのでしょう。「ネブラスカに観光へ」には苦笑してましたね。

ネブラスカの西部にはチムニー・ロック(Chimney Rock)など巨大な岩で知られています。このあたりはでは沢山の恐竜が発掘されています。きわめて保存状態が良く恐竜の骨格がはっきりしています。それを展示しているのがネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)です。ここの自然博物館(Natural History Museum)の恐竜の化石は圧巻です。大勢の児童生徒が黄色い車体のスクールバスに乗ってフィールドトリップにやってきます。

リンカーン市にあるネブラスカ大学は同システムの基幹大学で、同州の大学教育をリードしています。UW-Madisonの所属するビッグ・テン・カンファレンス(Big Ten Conference)に一員となっています。

ネブラスカ州はのモットーはThe Good Lifeとあります。「安住の暮らし」といった感じですね。ライセンスプレートには、大平原と煙突のような岩山が描かれていてすてきなデザインです。

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留学を考える その37 モンタナ州—Big Sky

かつて合衆国上院議員で駐日大使であったマイク・マンスフィールド(Mike Mansfield)氏の出身地がモンタナ州(Montana)です。1977年から1989年までの長期にわたって大使を努めました。この州はカナダのブリティッシュコロンビア州(British Columbia)、アルバータ州(Alberta)及びサスカチュワン州(Saskatchewan)と接しています。州都はヘレナ(Helena)です。

モンタナ州は白人とネイティブアメリカンの土地をめぐって幾多の戦いが繰り広げらたところです。最後の軍事的戦いの場所となった戦跡があります。スー族(Sioux)、シャイアン族(Cheyenne)、アラパホ族(Arapaho)がカスター中佐(George Custer)の率いる「第7騎兵隊」(7th Cavalry Regiment)の奇襲を撃破したことでも知られています。その戦跡は長らく隊長の名をとった「カスター国立記念戦場」(Custer Battlefield National Monument)と呼ばれました。ですがスー族がこの名称の変更を要求した結果、今は「リトルビッグホーン国立記念戦場(Little Bighorn Battlefield National Monument)」として保存されています。沢山の西部劇がネイティブアメリカンと第7騎兵隊の戦いを描いています。

ライセンスプレートには、「Big Sky」と印字されています。さしずめ「蒼穹の空」といったところです。「モンタナの空は他のどこよりも大きく感じる」と地元の人は自慢げに言うのは、このためかもしれません。氷河が残したグレイシャー国立公園(Glacier National Park)及びイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)の一部を含み、大いなる西部にふさわしい大自然に抱えられた州です。西部開拓時代の歴史、ネイティブアメリカンの文化が多くの観光客を惹き付けています。

大学ですがモンタナ大学(University of Montana)、モンタナ州立大学(Montana State University)が知られています。州内にそれぞれ四つのキャンパスを擁しています。クロウ族系(Crow Indian)リトルビッグホーン・カレッジ(Little Big Horn College)、スー族系(Sioux)のフォートペック・カレッジ(Fort Peck Community College)など四つネイティブアメリカンの単科大学もあります。

By3wtB6IMAAhP9B Mike Mansfieldmap img_01981 リトルビッグホーン国立記念戦場

留学を考える その36 ミズリー州–Show Me State

ミズリー州(Missouri)のニックネームは「Show Me State」となっています。これは、「少々のことでは納得しない」という意味です。なにか気概が感じられます。このフレーズががライセンスプレートに印字されています。

ミズーリは、合衆国中西部のミシシッピー川(Mississippi River)沿いの内陸にあります。8つの州にまたがるところでもあります。州都はジェファーソン・シティ(Jefferson City)。同州を代表する都市はなんといってもセントルイス(St.Louis)です。ミシシッピ川に面するこの町は、開拓時代より西部への玄関口として発展し、現在では中西部きっての観光地となっています。

19世紀の初めにアメリカで歌われるようになった民謡に「シェナンドー」”Shenandoah”」があります。カヌーでシェナンドー川を行き来していた貿易商人(Voyageurs)が歌う古い舟歌でしたが、いつしか白人の男性が酋長の娘「シェナンドー」に恋をするラヴソングへとなり、長い間に歌い継がれていきます。フランス語のVoyageursとはTravelerという意味です。似たような曲に「赤い川の谷間」(Red River Valley)という恋歌もあります。

Oh Shenandoah, I long to see you,
Away you rolling river.
Oh Shenandoah, I long to see you,
Away, we’re bound away,
Cross the wide Missouri.

ミズーリの主要産業は、航空宇宙産業、輸送設備、食品加工、化学工業、印刷/出版、電気設備、製造業など多彩です。農業生産品は、牛肉、大豆、豚肉、乳製品、トウモロコシ、ニワトリなどの家禽、及び 鶏卵です。特に豚や牛の生産が盛んです。近年はワイン産業の育成にも州は力を入れています。

ミズーリ州は、大理石の生産で知られています。その他、鉛、石炭、採石が生産されています。ミズーリ川とミシシッピー川がこうした資源を運ぶ大動脈となっています。川には大小多くのバージ(barge)と呼ばれる運搬船が往来しています。

セントルイス市内には「Gateway Arch」アーチがそびえています。頂上からの眺めは、ミシシッピー川をはさんで360度の景色が楽しめます。ここには、Gateway Archが建設される様子の資料が展示されています。あの壮麗なアーチが出来上がる様をつぶさに映像で説明しています。機会があれば是非登ってください。

面白い話題がミズーリにはあります。ミズーリ州は他の州に比べて、タバコやアルコールの規制が緩やかなことです。例えば、未成年の子どもに保護者が酒をのませることも認められています。禁煙運動が盛んな国としては、大変珍しいことです。バドワイザー(Budweiser)を製造するアンハウザー・ブッシュ(Anheuser-Busch)の工場もここにあります。2008年にベルギーの多国籍飲料会社インベブに買収されています。

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留学を考える その35 ミシシッピ州 Birthplace of America’s Music

ミシシッピ州(Mississippi)はテネシー州(Tennessi)と北部、アラバマ州(Alabama)と東部、ルイジアナ州(Lousiana)およびメキシコ湾と南部、ならびにルイジアナ州およびアーカンソー州(Arkansas)と西部で隣接しています。州都であり最大の都市はジャクソン(Jackson)。ミシシッピ川が流れるミシシッピ州は大半が低地で構成され、最高地点はカンバーランド(Cumberland)山地の丘陵部でたったの246m、最低地点はメキシコ湾岸の海面となっています。

ミシシッピの歴史です。1850年代は綿花が花形でした。ミシシッピデルタ地域は土壌が肥沃で、プランテーション所有者は、綿花の国際市場での高値や安い労働力であった奴隷を使い裕福になりました。プランテーションは数十万人の奴隷労働者に依存し、また白人の間にも富の不均衡が発生し、人種差別が激しくなります。やがて合衆国からの脱退を支持し南北戦争では南軍に編入します。

ミシシッピ川のデルタ地域では、昔からブルースの発展に重要な役割を果たしてきました。そのためでしょうか、州のモットーは「Birthplace of America’s Music」となっています。生まれた歌は黒人奴隷などの苦難に満ちた生活が背景にあります。Wikipediaによると、19世紀末までに農園所有者の3分の2は黒人であり、綿花の価格低下で多くが土地を失ったといわれます。黒人は仕事を求めて大都会へ移住します。ミシシッピ州の多くの音楽家もシカゴに移住し、ジャズを新しい形式で演奏していきます。

ミシシッピ州が生んだ歌手がプレスリー(Elvis Presley)です。1935年にミシシッピ州テュペロ(Tupelo)という小さな町の出身です。彼の代表的な歌といえば、G.I. Blues、Blue Hawaii、Viva LasVegasなどなど数え切れないくらいです。

ミシシッピ大学(University of Mississippi)は州内に4つのキャンパスを有します。大学の愛称は「Ole Miss」。かつての綿花プランテーションの女主人の名前から由来します。ミシシッピ州立大学(Mississippi State University)やジャクソン州立大学(Jackson State University)が知られています。

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留学を考える その34 ミネソタ州—Land of 10,000 Lakes

カナダと国境を接し、ウィスコンシン州の西隣に位置するのがミネソタ州(Minnesota)です。州都はセントポール(St. Paul)。その隣は最も大きな都市、ミネアポリス(Minneapolis)とです。この二つは隣合わせなので「双子の都市」(Twin Cities)と呼ばれています。州のフレーズは「Star of the North」。

ミネソタ州の人口ですが、白人が88%を占めます。スカンジナビアやドイツからの移民が多いのです。ミネソタの人々の生活水準は合衆国で最も高いといわれています。教育水準も秀でていて、2015年の調査によると、ミネアポリスとセントポールは最も識字能力が高い人々が暮らす街となっています。

ミネソタ州あまりにも寒いところなので、有色人は少ないように思われがちですが、ラオス/タイ/ベトナムから多くの難民を受け入れている州としても知られています。これらの人々はアメリカではHmong(モン族)と呼ばれています。

双子の都市ではプロ野球球団のMinnesota Twinsがあります。フットボールではMinnesota Vikingsが知られています。精密機器などの産業でも有名です。穀物の集散地であります。穀物市場を支配するカーギルや3Mなどの本社もあります。合衆国内で最大規模のショッピングモール「Mall of America」内は、冷暖房が効き年中運動を兼ねた人が歩くところです。

この州のライセンスプレートには「10,000 Lakes」と印字されています。無数の湖で知られています。昔、氷河がミネソタ全体を覆っていたようです。氷河はゆっくり移動しますが、そのとき大地を削っていきます。それが基で湖が出来たというわけです。あまりに沢山の湖があるので、目的地に着くには大分迂回しなければならないということを友人から聞いたことがあります。

高等教育機関ですが、州内には32の州立の大学があります。その中心がミネソタ大学(University of Minnesota-Twin Cities)です。州内に5つのキャンパスを有しています。さらに20のリベラルアーツの私立大学(college)があります。U.S. News & World Reportによると、そのうち6つが全米ランク100校の中に入っています。

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留学を考える その33 ミシガン州–Great Lake State

ミシガン州(Michigan)のライセンスプレートには「Great Lake State」と印字されています。五大湖の中の四つの湖に囲まれた湖岸線は総延長距離5,000kmを超え、アラスカ州を除けば全米で最長のウオーター・フロントを誇っています。約11,000の湖沼や多くの河川を抱え、北部は広大な森林地帯となっています。

ミシガンは北はカナダと国境を接しミシガン湖(Lake Michigan)スペリオル湖(Lake Superior)・ヒューロン湖(Lake Huron)を抱え、西はウィスコンシン州、南はインディアナ州とオハイオ州に接しています。州都はランシング(Lansing)。最大の都市はご存じデトロイト(Detroit)です。デトロイト国際空港は6本の滑走路を有し、デルタ航空の一大ハブ空港となっています。

ミシガンは自動車工業発祥の州として知られています。その中心はなっといってもデトロイトでしょう。四つの湖に囲まれるという地の利が自動車産業を支えてきました。ゼネラルモーターズ(GM)、フォード(Ford)、クライスラー(Chrysler)のビッグスリーの本社がデトロイトとその近郊にあります。デトロイトは全米自動車労組(United Auto Workers: UAW)の本拠地であり、強固な民主党の地盤となっています。その他の産業も盛んです。例えば穀物のケロッグ(Kellogg)、ダウケミカル(Dow Chemical )、ワールプール(Whirlpool)、アムウェイ(Amway)などもここにあります。

ミシガンの産業の一つが農業です。主要な農産物ですが、とうもろこし、大豆、温室栽培、牛肉、じゃがいも、チェリー、ブルーベリー、リンゴ、いちご、梨などの果物の産地として知られています。林業も漁業も盛んです。

ミシガンは一大レクリエーションの州でもあります。2005年の統計によるとミシガンはカリフォルニア、フロリダに続き全米で第三番目の観光客を集めた州といわれるほど自然に恵まれたところです。レクリエーション客を惹き付ける理由もうなずけます。四つの湖の側はどこも州立公園や観光地といってよいほどです。いくつかを紹介しましょう。

カナダの国境近くにはマキナック島(Mackinac Island)があります。夏はキャンプ、釣り、リゾート、、なんでも楽しめます。この島は車禁止。移動手段は「リムジン馬車」か自転車となっています。コロニアルスタイルの建物が並びます。夏はのんびりと時間が流れるようなところです。

ムーイレイ岬(Pointe Mouillee )はエリー湖(Lake Erie)に突き出す砂州のようなところで、世界最大の干潟プロジェクトによる自然保護地区となっています。ミシガンはどこを走っても州立公園でキャンプを楽しめます。広さと清潔さ、そして安全さは多くのリクリエーション客を呼び寄せています。

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留学を考える その32 マサチューセッツ州—Spirit of America

マサチューセッツ州は、「Commonwealth of Massachusetts」と呼ばれます。Commonwealthの原義は「共通の善」ないし「公共の福祉」ということです。Common Goodという言葉と同義です。Massachusettsの発音はなんともいえない響きがあります。Stateを使わないところに誇りのようなものを感じさせてくれます。

この州には、長男夫婦と2人の孫が住んでいます。毎年必ず訪れるのが楽しみなところです。州都ボストン(Boston)から車で1時間のところにコロニアルスタイルの家で暮らしています。同じくボストンの東南1時間のところにプリマス(Plymoth)という港町があります。ここにMayflowerII号のレプリカが停泊しています。Mayflowerは1620年頃にヨーロッパからこのあたりに着いたことが記されています。長くてつらい大西洋の航海だったようです。

最初の移民の多くは聖教徒(Pilgrims)といわれています。MayflowerII号から下りた聖教徒が開拓したところが今も大切に保存されています。この居留地はPlimoth Plantation(プリマス開拓地)と呼ばれて州の歴史的な公園となっています。開拓地は高い木の柵が巡らされてインディアンからの襲撃に備えたことを伺わせます。

Plantationに入りますと、そこは1600年代という設定です。タイムスリップするのです。そこで働く人は百姓、鍛冶屋、パン屋さんなどいろいろ。当時の服装、言葉、動作で観光客に対応します。観光客は、働く人々とのちんぷんかんぷんの対話から「ここは1620年頃なのだな、、、」と合点がいきます。働く人々の演技が秀逸なのです。

マサチューセッツ州のライセンスプレートには「Spirit of America」というフレーズが印字されています。これは、建国の精神を意味します。1680年ころから、マサチューセッツはイギリスの植民地となります。1760年代になると、マサチューセッツ憲法として権利の宣言と政府の樹立を叫び、イギリスの支配に反旗を翻します。やがて独立戦争が始まるのです。この自治と独立の精神が「Spirit of America」というものです。

ボストン茶会事件(Boston Tea Party) や古戦場であるレキシントン・コンコードの戦い(Battles of Lexington and Concord)、バンカーヒルの戦い (Battle of Bunker Hill) が始まります。植民地軍の中心となったのが民兵であったミニットマン(Minutemen)です。 ボストン北西に位置するコンコード(Concord)にあった、アメリカ植民地民兵部隊の武器庫の争奪をめぐるイギリス軍と民兵隊の激しい戦闘が行われたのがレキシントンとコンコードのあたりです。規模は小さいながら独立戦争の緒戦として植民地軍はイギリス軍を撃破します。

アメリカの公教育で忘れてはならないのがホーレス・マン(Horace Mann)です。マンがマサチューセッツ州において進めた教育改革によって、普遍的な公共教育の基盤が築かれます。州内には、国内最古の公立小学校や、最古の高校、最古のボーディングスクール、最古のカレッジである1636年設立のハーバード大学(Harvard University)、最古の女子カレッジである1837年設立のマウントホリヨーク大学(Mount Holyoke College)が知られています。

州内には121の高等教育機関があるのですから驚きです。ケンブリッジ(Cambridge)にあるハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)が世界の大学ランキングでも常に上位 ボストン大学(Boston University)、タフツ大学(Tufts University) 女子大であるスミス大学(Smith College)など多彩です。

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留学を考える その31  メリーランド州—Free State

メリーランド州(Maryland)は大西洋岸の中央に位置しています。南西には首都ワシントン(Washington D.C.)、ヴァージニア州(Virginia) 、ウエストヴァージニア州(West Virginia)、北にはペンシルヴァニア州(Pennsylvania)、東にはデラウエア州(Delaware)と接しています。州都はアナポリス(Annapolis)、最大の都市はバルチモア(Baltimore)です。メリーランド州には三つのニックネームがあります。それぞれ、「Old Line State」、「Free State」、「Chesapeake Bay State」とあります。

メリーランド州は、独立の際の十三州の一つで、信教の自由を最初に宣言した州としても知られています。十七世紀初頭、イングランドから派遣されていたカルヴァート(George Calvert)という初代のバルチモア総督による宗教的な迫害を受けたカトリック教徒が、その避けどころとして信仰の宣言をしたといわれます。

メリーランド州は各州に比べて地形的に最も小さい州です。ですが人口は700万人と密度では最も高い州です。首都ワシントンに隣接しているからです。住民の世帯あたりの収入は全米で最も高いことでも知られています。多様な経済活動が活発で、バイオテクノロジー分野で先駆的な研究をしています。チェスピーク湾(Chesapeake Bay)は豊かな海産物に恵まれ、カキ、青カニ、バス、ニシン(Menhaden)などが有名です。州の別なニックネームとして「Oyster State」というのもあります。カキの一大生産地だからです。

メリーランドの高等教育機関の雄は私立のジョンスホプキンス大学(Johns Hopkins University)でしょう。大資産家のJohns Hopkinsの寄付によって設立されています。さらにメリーランド大学(University of Maryland)、 モーガン州立大学(Morgan State University) 、セントメリー大学(St. Mary’s College of Maryland)があります。アナポリスには、海軍大学である海軍兵学校(US Naval Academy)も有名です。

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留学を考える  その30 メイン州—-Vacation Land

合衆国本土の地図をみますと、最東北部に小さな州がメイン(Maine)が位置しています。州都はオーガスタ市(Augusta)。カナダと長く国境線を有し、東と南は大西洋がひろがる州です。西はニューハンプシャー州(New Hampshire)、ヴァモント州(Vermont)、北西はカナダのケベック州(Quebec)、北東は同じくニュー・ブランズウィック州(New Brunswick)に接しています。州の内部には森林が広がり、海岸線は観光地として知られています。メインはニューイングランド(New England)の一部です。Maineという州名は「Mainland」から由来します。

現在メイン州となっている領域には数千年前から先住インディアンが住んでいたといわれます。ヨーロッパ人が接触した時にはアルゴンキン語族(Algonquins)のワバナキ族(Wabanaki)がいました。ヨーロッパ人による最初の開拓地は、1604年にフランス人、シャンペイン(Samuel de Champlain)がサンクロワ島(St. Croix Island)に設立したものでした。

イングランド人による最初の開拓地は、1607年にバージニア会社(Virginia Company)が設立したポパム植民地(Popham Colony)だったが、短命に終わります。地元インディアンとの抗争や過酷な気候や物資の欠乏がその理由です。

アメリカ独立戦争では、アメリカの愛国者とイギリス軍がメインの領土を巡って争いました。フランス系カナダ人(French Canadians)がメインに入植してアングロサクソン(Anglo-Saxons)との文化的な葛藤も経てきたようです。1820年まではメイン地区としてマサチューセッツ州に属していましたが、1820年にマサチューセッツ州から独立します。

メイン州の海産物はなんといってもロブスター(lobster)、そして貝類(clam)。豊富な海産物を背景に観光客には、必ず立ち寄るのが海産物を用意しているレストランとなります。その他、家禽及び卵、乳製品、牛、ブルーベリー、リンゴ、そしてメイプルシロップです。

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