初めに言葉があった その29 「Caucus」

アイオワ州での党員集会(Caucus)が始まり、アメリカの大統領選挙が始まりました。党員集会は予備選挙とも呼ばれています。大統領候補を決める代議員を選ぶ集会のことです。大統領を選ぶ道のりは長く厳しいようです。候補者も家族も支持者も大変だろうと察します。まるで二年間のマラソンレースのようです。候補として名乗りをあげますが、途中でほとんどの候補が脱落していきます。

私の家族も大統領選挙運動に関わったことがあります。1988年の選挙では共和党のジョージ・ブッシュ(George H. Bush)と民主党のマイケル・デュカキス(Michael S. Dukakis)が党大会で指名され争いました。この選挙では次女がウィスコンシン大学在学中にデュカキス陣営の運動員として応援しました。今は、合衆国は高校生も選挙運動をやっています。

デュカキスが敗れたのには理由があります。ブッシュは第二次大戦中に海軍に入隊し、魚雷搭載の爆撃機の乗員として参加します。日本軍の対空砲火を浴びて撃墜されますが救助されます。他方、デュカキスは陸軍に入隊し韓国で2年間駐留した経験があります。一般のアメリカ人にとってはこの二人の軍歴を比べて投票したはずです。大統領になるためにはこうした過去の経歴も大事なのです。

現在、名乗りを上げているほとんどの候補者は上下両院の議員とか州知事です。弁護士資格の肩書きも優位になります。さらに出身民族や宗教なども候補者資格の要素となります。通常、アフリカ系とかアイリッシュ系、カトリックの人々はアメリカ社会ではマイノリティ(minority)です。オバマ大統領(Barack Obama)やケネディ大統領(John Kennedy)などはそうですが、当時はマイノリティのハンディを克服するほどのカリスマ的な資質とマイノリティに対する好意的な状況が、国中にあったものと考えられます。

アイオワの次の党員集会は2月9日、東部のニュー・ハンプシャー州(New Hampshire)で予定されています。
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初めに言葉があった その28 「お米の匂いがする、、」

本を読むとき、テレビを観るとき、周りの人と対話するとき、講演を聴くとき、あらゆる日常の営みでなにか心に響くメッセージを感じるときがあります。それを言葉で表してみると、実に尊い思い出となります。

一つの私的なエピソードを紹介します。長男がまだ4歳くらいのときです。当時私は札幌で両親と同居しておりました。あるとき、親戚の結婚式があり、両親は孫 (長男) を連れて静岡に出かけました。美保の松原で景色をみているとき、父親がどうしてクロマツだけが生えているのかとつぶやいたのだそうです。それを聞いていた孫が、「おじいちゃん、クロマツは海に、アカマツは山に生えるんだよ、」 といったのだそうです。

クロマツが耐潮性が強く海岸線付近に多く生育するのに対して、アカマツはどちらかといえば内陸に産します。アカマツ林は、マツタケを育てる林でもあります。アカマツとマツタケは相利共生の関係であり、マツタケが生えるような環境の方が生えない環境のものより寿命が長いともいわれています。そいういえば、八ヶ岳山麓にアカマツの大規模な群落が見られます。八ヶ岳登山の楽しみです。

「北海道にはアカマツしかないのにどうして、孫はクロマツのことを知っていたのかね、、、、」と首を捻っていました。両親はこの孫のエピソードをあちらこちらで吹聴していたきらいがあります。孫は本が大好きでした。片っ端から読み聞かせられたことを記憶していたようです。

「三つ子の魂、百まで」といいますが、父はこのクロマツにまつわる孫の言葉を96歳になるまで思い起こしていたのを覚えております。9年前に他界した父。孫は46歳の父親になって二人の息子を育てています。

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初めに言葉があった その27 「Good Samaritan doctrine」

三年前の暮れ近くに、弟が亡くなりました。訳あって一人暮らしを余儀なくされていて路上で発見され病院に担ぎ込まれました。内臓疾患がもとでそのまま逝ってしまいました。5年間で両親と兄弟の葬儀を執り行いました。なにか夢ではないかと狼狽える「hang-ups」を体験した時でした。

大勢の人々、特に高齢者の方々が一人暮らしをしています。私にも札幌で親戚の者がそうした生活をしています。時々電話で消息を確かめて激励しています。そして私か連れ合いにも確実に一人暮らしの現実がやってきます。

誰もが遅かれ早かれ成熟し、身体と精神の老化の時がやってきます。それに備えることが、「今ここで」生きることの意味といえます。時には二つのことがあるといわれます。それは、毎日の暦をめくるときに、「ああ、もう一年が経ったか」と感じる時間です。もう一つは、「今年は充実した」とか「いろいろな苦しいことが多かった」と感じる時です。「大切な時、決定的な瞬間」といったような質的な時、あるいは人生に奥行き感じさせる時です。

ある人がエルサレム (Jerusalem) からエリコ (Jerico) へ下って行く途中、強盗に襲われます。殴りつけられ倒れたところに金持ちや聖職者が通りますが、皆立ち去ります。そこに、異邦人として人々から避けられていたサマリア人 (Samaritan) がたまたま通り憐れに思い、自分のろばに乗せ宿屋に連れて行って介抱します。立ち去るときに宿屋の主人にお金を渡し介護を依頼します。

サマリア人は、「ああ良いことをした、気持がいいな、」と誇ったでしょうか。「元気になってくれればいいな、、」と案じたでしょうか。どうも後者のような気がするのです。このエピソードは「ルカによる福音書10:29−37」に登場します。

窮地の人を救うために無償で善意の行いをしたならば、たとえ失敗しても結果の責任は問わないことを Good Samaritan doctrine とか Good Samaritan Law(善きサマリア人の原則)といいます。子供の折檻、学校でのいじめを見て見ぬふりをすること、医療において過誤責任を問うこと、業務過失死が問われかねないなど、この善きサマリア人の話しはもっと理解されて然るべきです。

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初めに言葉があった その26 「We all have our hang-ups!」

漫画「Peanuts」のもう一人というか、もう一匹の主人公はビーグル犬のSnoopyです。彼の名前は「snoop」(うろうろ探す)という単語に由来するようです。ですがなかなかどうして、擬人化され哲学者めいた名言を呟いています。Snoopyは人間の言葉を喋りませんが、作者のSchulzを介して自分の思いや感情を言わしめます。

Snoopyは忠実で純真であり、想像力に富む温厚な性格の犬です。時々、白昼夢でブツブツ言いながらまるで大学生になったり、第一次大戦中の英雄的なパイロットのようなペルソナに扮装します。飼い主チャーリー・ブラウンの名前は覚えることができず、「round-headed kid」(丸い頭の男の子)というように呼んでいます。それでも忠誠心と愛着が旺盛な犬として描かれています。

さて、「We all have our hang-ups!」というフレーズです。「hang-ups」がキーワードですが、この意味は、情動的な不安や葛藤のことです。負け試合を終えるとチームメイトがチャーリーの下手くそなプレイを詰るのです。帰り道にチャーリー・ブラウンと一緒に歩きながら彼を慰めます。いじめにはくじけないで戦うのだと。そして「We all have our hang-ups!」(誰にでも心に困ったことはあるもんだよ!)と呟くのです。

Snoopyはさらに言います。
「Are you saying you are down? You may need a sense of humor in your life.」
  気が滅入るだって?きみの生活にはユーモアがたりないのかも…

「Keep looking up.. That’s the secret of life..」
  上を見続けること、それが生きることのコツなんだ 

チャーリー・ブラウンは飼い主としてSnoopyを幸せにしようと懸命なのですが、それができないのがもどかしいのです。ですがSnoopyは言います。
「Don’t worry about it. I was already happy.」
「チャーリーと一緒にいることに勝る幸せなんかはない」。なんとも主人を信じきる思いやりの深い犬です。
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初めに言葉があった その25 「Good Grief,,,,,」

今回の言葉は、人の名前、それも漫画の主人公に発せられるフレーズです。私が英語に夢中になりかけたきっかけは、なんと漫画との出会いです。私を魅了した漫画に「ピーナッツ(Peanuts)」があります。チャーリー・ブラウン(Charlie Brown)が主人公です。1960年代に世界中を風靡するような人気を確立します。作者はチャールズ・シュルツ(Charles M. Schulz)です。2000年に亡くなりました。

この漫画の魅力、それは子ども同士の友情や悩み、動物への親近感、社会問題への子どもの純粋な皮肉や批判が大人も子どもにも共感されることです。漫画の台詞は中学の英語で十分理解できます。私が英語が好きになったのは「風」という詩とともに「ピーナッツ」のお陰だと自信をもっていえます。

漫画の題名です。Peanutsとは、俗には「つまらない者」という意味です。あえて漫画の題名にPeanutsを選んだのは、シュルツの深い意図があったものと思われます。「ピーナッツ」では、できのよい子供は登場しません。皆ダメで困っている、心の悩みを持つ子供たちです。葛藤をどうやって乗り越えるか考えています。「Good grief,,,,,」という台詞がしばしば見られます。「やれやれ、困ったもんだ、あきれるわ、、、」という意味です。にもかかわらず登場人物や犬、毛布との関わりを暖かい目で見つめる視点が一貫したテーマとなっています。

さて、主人公チャーリー・ブラウンです。彼はユニークな仲間で囲まれています。飼い犬の「スヌーピー(Snoopy)」は、周りの大人や子どもをときに冷ややかに観察し、しばしば自分の小屋の屋根でねそべっては思いをはせる哲学者のような存在です。趣味は変装。スヌーピーはチャーリーの無二の友人です。

女の子でお茶目なのがルーシー(Lucy)。チャーリーの尻をたたき、「もっと元気をだしなさい!」と叫んではチャーリーをおどおどさせます。ガミガミ屋だったり、意地悪のところもあるのです。根はいいのですが、、、いつも小さな「安心毛布(security blanket)」を持ち歩いているのがライナス(Linus)。毛布がないと落ち着きません。実は、犬のスヌーピーも安心毛布が好きで、ライナスはこれを奪われることもあって、どたばた劇を演じます。いつも持ち歩くことで、一緒にいる安心感を得ています。お母さんの代わりにいつも一緒にいる存在が毛布です。まるで人格があるかのようです。

次の仲間はシュレーダー(Schroeder)。彼はベートーヴェン(Beethoven)を愛する小さな音楽家です。チャーリーの野球チームではキャッチャーを務めます。ルーシーに好かれてるんですが、当の本人は迷惑気味です。

最後にチャーリーです。彼は子ども達の野球チームでは選手兼監督を務めています。野球チームは負けてばかり。飛球をぽろりとやったり、トンネルをしては仲間を地団駄させます。そんなときだけは「間抜け!」「のろま!」などと野次られます。でも人望だけは凄いのです。面倒見がよく、お人好しなのです。アメリカでは憎めない人のことを「チャーリー・ブラウン」と呼ぶこともある位です。是非手にしていただきたい漫画です。英語も分かりやすく、味わいのある会話が登場します。
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1995 - Charlie Brown appears in a 'Peanuts' cartoon drawn by Charles Schulz in this handout provided Tuesday, Dec. 14, 1999. Schulz, 77, announced Tuesday that his last new daily strip will appear Jan. 3 and his last new Sunday strip will appear Feb. 13. Older strips will run for an indefinite period afterward. The cartoonist has colon cancer, and says he wants to focus on his health. Schulz draws and letters every panel himself. His contract prohibits anyone else from drawing the strip. (AP Photo/United Media)

1995 – Charlie Brown appears in a ‘Peanuts’ cartoon drawn by Charles Schulz in this handout provided Tuesday, Dec. 14, 1999. Schulz, 77, announced Tuesday that his last new daily strip will appear Jan. 3 and his last new Sunday strip will appear Feb. 13. Older strips will run for an indefinite period afterward. The cartoonist has colon cancer, and says he wants to focus on his health. Schulz draws and letters every panel himself. His contract prohibits anyone else from drawing the strip. (AP Photo/United Media)