今回の言葉は、人の名前、それも漫画の主人公に発せられるフレーズです。私が英語に夢中になりかけたきっかけは、なんと漫画との出会いです。私を魅了した漫画に「ピーナッツ(Peanuts)」があります。チャーリー・ブラウン(Charlie Brown)が主人公です。1960年代に世界中を風靡するような人気を確立します。作者はチャールズ・シュルツ(Charles M. Schulz)です。2000年に亡くなりました。
この漫画の魅力、それは子ども同士の友情や悩み、動物への親近感、社会問題への子どもの純粋な皮肉や批判が大人も子どもにも共感されることです。漫画の台詞は中学の英語で十分理解できます。私が英語が好きになったのは「風」という詩とともに「ピーナッツ」のお陰だと自信をもっていえます。
漫画の題名です。Peanutsとは、俗には「つまらない者」という意味です。あえて漫画の題名にPeanutsを選んだのは、シュルツの深い意図があったものと思われます。「ピーナッツ」では、できのよい子供は登場しません。皆ダメで困っている、心の悩みを持つ子供たちです。葛藤をどうやって乗り越えるか考えています。「Good grief,,,,,」という台詞がしばしば見られます。「やれやれ、困ったもんだ、あきれるわ、、、」という意味です。にもかかわらず登場人物や犬、毛布との関わりを暖かい目で見つめる視点が一貫したテーマとなっています。
さて、主人公チャーリー・ブラウンです。彼はユニークな仲間で囲まれています。飼い犬の「スヌーピー(Snoopy)」は、周りの大人や子どもをときに冷ややかに観察し、しばしば自分の小屋の屋根でねそべっては思いをはせる哲学者のような存在です。趣味は変装。スヌーピーはチャーリーの無二の友人です。
女の子でお茶目なのがルーシー(Lucy)。チャーリーの尻をたたき、「もっと元気をだしなさい!」と叫んではチャーリーをおどおどさせます。ガミガミ屋だったり、意地悪のところもあるのです。根はいいのですが、、、いつも小さな「安心毛布(security blanket)」を持ち歩いているのがライナス(Linus)。毛布がないと落ち着きません。実は、犬のスヌーピーも安心毛布が好きで、ライナスはこれを奪われることもあって、どたばた劇を演じます。いつも持ち歩くことで、一緒にいる安心感を得ています。お母さんの代わりにいつも一緒にいる存在が毛布です。まるで人格があるかのようです。
次の仲間はシュレーダー(Schroeder)。彼はベートーヴェン(Beethoven)を愛する小さな音楽家です。チャーリーの野球チームではキャッチャーを務めます。ルーシーに好かれてるんですが、当の本人は迷惑気味です。
最後にチャーリーです。彼は子ども達の野球チームでは選手兼監督を務めています。野球チームは負けてばかり。飛球をぽろりとやったり、トンネルをしては仲間を地団駄させます。そんなときだけは「間抜け!」「のろま!」などと野次られます。でも人望だけは凄いのです。面倒見がよく、お人好しなのです。アメリカでは憎めない人のことを「チャーリー・ブラウン」と呼ぶこともある位です。是非手にしていただきたい漫画です。英語も分かりやすく、味わいのある会話が登場します。
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