アメリカの州鳥 その42 ミシガン州の鳥: コマツグミ

ミシガン(Michigan)は自動車工業発祥の州として知られています。その中心はなっといってもデトロイト(Detroit)でしょう。五大湖のうちの4つに囲まれるという地の利が自動車産業を支えてきました。ゼネラルモーターズ(GM)、フォード(Ford)、クライスラー(Chlysler)のビッグスリーの本社がデトロイトとその近郊にあります。その他の産業も盛んです。アムウェイ(Amway)、穀物のケロッグ(Kelog)、ダウケミカル(Dow Chemical )、ワールプール(Whirlpool)などの本社もここにあります。

American Robin

ミシガン州やオハイオ州、ペンシルヴァニアなどの州は、「錆び付いた地帯」(Rust Belt)と呼ばれています。鉄鋼や繊維産業が衰退し、脱工業化に遅れた州といわれます。今回の大統領選挙ではオハイオ州を除き、バイデンがミシガン、ペンシルヴァニア、ウィスコンシンで勝利したのはグローバル時代の波に乗った結果ともいえそうです。ミシガンはスウィング・ステイト(Swing State)と呼ばれ、毎回、共和党と民主党がしのぎを削る州です。

ミシガン州(Michigan)のナンバープレートには「Great Lake State」と印字されています。五大湖を指しています。ミシガンは北はカナダと国境を接しスペリオル湖(Lake Supeior)、ヒューロン湖(Lake Huron)を抱え、西はウィスコンシン州、南はインディアナ州(Indiana)とオハイオ州(Ohio)に接しています。州都はランシング(Lansing)で最大の都市はご存じデトロイトです。デトロイト国際空港は6本の滑走路を有し、一大ハブ空港となっています。

ミシガンは一大レクリエーションの州でもあります。統計によるとミシガンはカリフォルニア、フロリダに続き全米で第三番目の観光客を集めた州といわれるほど自然に恵まれたところです。65,000の湖や沼が広がるというのですから、レクリエーション客を惹き付ける理由もうなずけます。4つの湖のそばはどこも州立公園や観光地といってよいほどです。

カナダの国境近くにはマキナック島(Mackinac Island)があります。夏はキャンプ、リゾート、なんでも楽しめます。この島は車禁止。移動手段は「リムジン馬車」か自転車となっています。生ガキとキャビア、魚料理の食事も最高です。のんびりと時間が流れるようなところです。

州の鳥はコマツグミ、別名ロビン(Robin)です。合衆国を代表するといえるほど親しまれている鳥です。ヒタキ科に分類されるで渡り鳥です。 鮮やかなオレンジ色が美しく、フレンドリーで愛らしい鳥です。大好きなミミズを探しに歩道や庭先の芝生の上にいるロビンをよくみかけます。頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあるのも特徴です。胸が橙赤色です。ヨーロッパコマドリにちなみ「アメリカンロビン」(American Robin)と呼ばれています。アメリカで単に「ロビン」と言えばコマツグミのことです。

アメリカの州鳥 その41 マサチューセッツ州の鳥: アメリカコガラ

マサチューセッツ(Massachusetts)州都のボストン(Boston)から車で一時間のところに大西洋に面したプリマス(Plymoth)という港町があります。ここにメイフラワー号(MayflowerII)のレプリカが停泊しています。大西洋を渡り到着400年を記念して建造された船です。Mayflowerは1620年頃にイギリスから10週間の航海の後、このあたりに着いたことが記されています。102名の乗組員と移民が乗っていました。そのうち3名は妊婦で航海中に出産したことが記されています。長くてつらい大西洋の航海だったようです。

Black-Capped Chickadee

最初の移民の多くは清教徒(Pilgrims)でした。下船して清教徒が開拓したところが今日も大切に保存されています。この居留地はPlimoth Plantation(プリマス・プランテーション)と呼ばれて州の歴史的な公園となっています。開拓地は高い木の柵が巡らされてインディアンからの襲撃に備えたことを伺わせます。

Plimoth Plantation

Plantationに入りますと、そこは17世紀の植民地時代という設定です。タイムスリップするのです。そこで働く人は百姓、鍛冶屋、靴屋、パン屋さんなどいろいろ。当時の服装、言葉、動作で観光客に対応します。観光客はそのことを知らされません。こんな会話が交わされます。

  -働く人:どこから来ましたか?
  - 観光客:日本からきました。
  - 働く人:日本ってなんですか?どこにありますか?
  - 観光客:アジアです。
  - 働く人:どうやってここまで来ましたか?
  - 観光客:飛行機と車できました。 
  - 働く人:飛行機とか車ってなんですか?
  - 観光客:飛行機も車も知らないんですか、、、、。

マサチューセッツ州の車のナンバープレートには「Spirit of America」というキャッチフレーズが印字されています。1680年ころから、マサチューセッツはイギリスの植民地となります。1760年代になると、マサチューセッツ憲法として権利の宣言をし、イギリスの支配に反旗を翻し独立戦争が始まります。この自治と独立の精神が「Spirit of America」というものです。

州鳥はアメリカコガラ(Black-Capped Chickadee)といいます。全長13cm程度の大きさの北大陸北部に分布する留鳥です。冬になると体温を下げて寒さにも耐えられる鳥です。広葉樹林に群れを成して生活します。種子などを地面を掘って貯めますが、その場所をきちんと覚える特徴があります。人なつこく、手の平に餌を置くと飛んできてついばみます。

アメリカの州鳥 その40 フロリダ州の鳥: マネシツグミ

合衆国南部に突き出た半島でメキシコ湾(Gulf of Mexico)を囲むのがフロリダ州(Florida)です。そのナンバープレートには「Sunshine State」とあります。文字通り太陽の降り注ぐ温暖な州です。特に冬は、各地から避寒客がやってきます。極寒の中西部では、「フロリダに行ってくる」というフレーズは周りの人からは羨ましがられるのです。州都はタラハシー (Tallahassee)です。最大の都市はジャクソンビル (Jacksonville)、その他主な都市としてはマイアミ (Miami)があります。

フロリダは豊富な漁猟資源でも知られています。特産のエビや牡蠣(かき)でも有名です。映画「フォレストガンプ」(Forrest Gump)の終わりのところで、ヴェトナム戦争の戦友と再会しエビ捕りにでかけるシーンがあります。柑橘類の果実及びジュース生産も盛んな州です。

日本人にもフロリダ州は子どもや親にとって、わくわくするところです。オーランド(Orland)にあるディズニー・ワールド(Disney World)です。世界一の娯楽施設です。その広さはJR山手線内の約1.5倍というのですから、まさに桁外れのものです。オーランドにはユニバーサル・スタジオ(Universal Stadio)もあります。ディズニー・ワールドとあわせて毎年6,000万以上の人々がオーランドを訪れるというのです。フロリダには、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のケネディ宇宙センターがあります。数々のロケットやスペースシャトルが打ち上げられてきたところです。

Northern Mockingbird

フロリダ州の鳥はマネシツグミ(Northern Mockingbird)です。様々な音を鳴き真似する特徴があります。くちばしは細く、顔はくちばしから目に向かって黒の筋が横切ったような模様をしています。鳴き声を発するのは主にオスで、他のオスから自分の縄張りを守るための警告です。繁殖期に交尾相手を誘うのもこの鳴き声です。繁殖期間中は攻撃的な性格になり、自分の巣に近づくものがいれば動物であっても人間であっても襲いかかる気丈夫な鳥です。

CNN.comよりの引用

アメリカの州鳥 その40 ハワイ州の鳥: ハワイガン

1778年にイギリスの海軍士官で、海洋探検家であったキャプテン・クック(Captain Cook)がハワイ(Hawaii)諸島のカウアイ島(Kauai Island)に上陸します。ハワイにやってきた最初の西欧人です。1795年から1893年までカメハメハ王朝(Kamehameha)がハワイ王国が統治します。そして、1959年に合衆国の50番目の州となります。

Hawaiian goose

ハワイは8つの主要な島と120余りの小島からなります。ハワイ島のマウナロア山(Mauna Loa)、キャラウエア山(Kīlauea)の活火山が有名です。先住民のポリネシア系、アジア系、白人など人種のるつぼです。渡来した宣教師が女性の腰みのを改めさせるために考案したのがムームー(muumuu)といわれます。

19世紀はサトウキビの生産と製糖が主要産業であり、大規模な製糖工場が建設されます。20世紀になるとにコーヒー産業への農地転換が行われ、作付け面積や収穫高が多いことで知られています。タロイモ(Taro)やパイナップルも盛んに栽培されています。ハワイではタロは「カロ」(kalo)と呼ばれています。豚肉や鶏肉をカロの若葉で包んで蒸し焼きにするラウラウ(Laulau)という郷土料理があります。タロイモは、熱帯アジアやオセアニアの島々、アフリカの熱帯雨林地帯ではさらに多くの品種が多く栽培されています。これを主食としている民族や地域も多いことは知られています。若葉は葉菜として利用されるのも特徴です。

1941年12月7日に日本軍の真珠湾攻撃で太平洋戦争が起こります。ハワイで生まれ育ち、アメリカの市民権を持つ日系アメリカ人の若者の多くは、自ら進んで志願兵となることで合衆国に対する忠誠心を示そうとします。彼らハワイの日系人だけで組織された陸軍第100大隊は、のちにアメリカ本土の日系人部隊と合流し442連隊(442nd Regimental Combat Team)となり、欧州戦線において多くの犠牲と引き換えにめざましい戦果を上げます。彼らの戦いは多くのアメリカ人に感銘を与え、ハワイと戦後のアメリカ社会における日系人の地位向上に貢献したことで知られています。

ハワイの州鳥はハワイガン(Hawaiian goose)で、地元に人々はネネ(Nene)と呼んでいます。「ネーネー」という鳴き声が由来といわれます。カナダガンがその先祖と言われ、ハワイ諸島に定住し進化を遂げました。ガンといっても渡り鳥としての性質はありませんが、水鳥なので泳ぐことができ、V字編隊での飛翔をするガンの特徴も残しています。産卵時期や産卵場所、交尾場所など、他のガンとは異なる性質が数多く確認されています。

アメリカの州鳥 その39 ペンシルヴァニア州の鳥: エリマキライチョウ

ペンシルヴァニア州(Pennsylvania)は北東部の州と南部の州、大西洋岸と中西部を結ぶ地点にあることから、キーストーン・ステート(Keystone State)「礎石の州」とも呼ばれます。今回の大統領選挙において最激戦区といわれます。エリー湖(Lake Erie)やオンタリオ湖(Lake Ontario)に面し、北はカナダとニューヨーク州に接し、東はニュージャージー(New Jersey)につながっています。形は横長の州です。州都はハリスバーグ(Harrisburg)。州の西には重要な河港を持ち、かつて鉄鋼業の中心地として栄えた町、ピッツバーグ市(Pittsburgh)、独立宣言のときに打ち鳴らされた”リバティーベル”(Liberty Bell)を見ることができる独立歴史公園がフィラデルフィア市(Philadelphia)があります。

Ruffed Grouse

ペンシルヴァニア州の名前の由来から始めます。クエーカー教徒(Quakers)が迫害から逃れて、安全に住める場所として開拓された新天地です。イギリスからやってきた商人でクエーカー教徒であったWilliam Pennという人がいました。やがて貿易などで成功したPennにイギリスは領地を分け与え植民地とします。ペンシルヴァニアには豊かな森が広がります。ラテン語で森を意味する「sylvania」にPennをつけたというわけです。

その後、ペンシルヴァニアは開拓されて植民地化されてはいましたが、Pennらはその地の自治を求めて自由憲章の草稿を書きいています。そしてイギリスからの独立を目指していきます。信教の自由、公正な裁判、主権を持つ人民により選ばれた代表、三権分立などの精神を訴えます。こうした考えは、後にアメリカ合衆国憲法の基本になる考えとなります。

ペンシルヴァニア州の鳥はエリマキライチョウ(Ruffed Grouse)です。全長40cmくらいで、翼長オス18cmです。冬季になると足元に櫛状の突起があらわれます。オスは眼上部にオレンジ色の肉質が見えます。夏季は開けた森林、冬季は針葉樹林に生息します。食性は雑食で、植物の芽、葉、果実、種子、昆虫などを食べます。婚姻形態は一夫一妻性。オスは頸部側面の羽毛や尾羽を逆立て、鳴き声を上げたり翼を震わせて音を出して(ドラミング)求愛します。

アメリカの州鳥 その38 ヴァモント州の鳥: チャイロツグミモドキ

1979年の夏、家族と一緒にカナダを旅してからヴァモント州(Vermont)の州都モントピーリア(Montpelier)を通りました。ヴァモントの州名はフランス語の「verr mont」(緑の山)からとられています。全米で最も小さい州都といわれます。小さな議事堂のロタンダ(rotunda)といわれる中央のドーム内は州の博物館となっています。小さなヴァモントの歴史は、イギリスからの独立をヴァモントが宣言した1777年以来の州つくりと大自然との共存の歩みとなっています。ヴァモント州の最大都市はバーリントン(Burlington)です。

Brown Thrasher

ヴァモント州はアメリカ合衆国北東部のニューイングランド(New England)地方の内陸にあります。北はカナダのケベック州 (Quebec)に、東はニューハンプシャー州(New Hampshier)、南はマサチューセッツ州(Massachussetts)、西はニューヨーク州(New York)に隣接しています。州の多くは山岳と森林で占められています。気候は内陸性ですから夏は暑く、冬は相当「しばれ」ます。ニューイングランドの紅葉は格別です。州の愛称は「Green Mountain State」でこれが車のナンバープレートに書かれています。

ヴァモント州は独立戦争でも名声をたかめます。1775年、ニューヨーク州のハドソン川(Hudson River)に築かれたイギリスの要塞タイコンデロガ砦(Fort Ticonderoga)を、イーサン・アレン(Ethan Allen)の指揮するグリーン・マウンテン・ボーイズ(Green Moutain Boys)などヴァモントからの民兵隊によって奪取します。
 
ヴァモント州最大の産業は観光です。畜産業も盛んです。観光客の多くはインターステート(高速道路)で数時間の距離にあるニューヨークやボストンからやってきます。豊かな自然を売りにしてスキー、サイクリング、キャンプ、フィッシングの鱒釣りなどが盛んです。秋はりんご狩りなどに大勢の観光客が訪れます。この州で忘れられないのはメープル・シロップ((maple syrup) の生産です。全米で最大の生産量を誇っています。サトウカエデの樹液を集めて精製します。シロップの琥珀色は薄いほど高級となります。メープル・シロップは熱いパンケーキやワッフルなどにかけてバターと一緒にいただくと最高ですね。

ヴァモント州の鳥はチャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)となっています。チャイロツグミモドキは少し丸くなったくちばし、目の周りが黄色で、体全体が茶褐色となっています。尻尾は長く、すらりとしています。羽の上部には黒と白の斑点が並び、下腹は白いのですが黒褐色の縞が点在しています。ツグミの仲間です、鳴き声はチョロチョロ、チェチェと短く鳴きます。昆虫類のほか、種子なども食します。

アメリカの州鳥 その37 ヴァジニア州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

ワシントンDC(Washington DC)からポトマック川(Potomac River)を越えたところに位置するアーリントン郡(Arlington County)、そこからヴァジニア州(Virginia)は南西に広がります。イギリスから最初に独立した13州のうちの一つ。南北戦争では南部連合(Confederacy)に属して合衆国軍(Union)と戦いました。州都はリッチモンド(Richmond)となっています。

ヴァジニア州は正式にはThe Commonwealth of Virginiaと呼ばれます。植民地時代から地域がそれぞれに共通した目標である独立に向けて共に発展する意思を表しています。この州からは、歴代8名の大統領を送り出しています。そのために、「アメリカ大統領の母なる地」(Mother of Presidents)とも言われるほどです。DCの対岸の州内にはアメリカ国防総省(Pentagon)やCIA本部もあります。

Northern Cardinal

ウイリアムスバーグ(Williamsburg)は是非訪れたいところです。1690年代には植民地時代の首都でありました。1.5km x 1.5 kmの区画内に入植当時の建物はすっかり復元されて、植民地の面影を感じることができます。その近くに1693年に設立されたウイリアム・メリー大学(William & Mary University)があります。この大学はアメリカで最も由緒のある、また優れた学部教育のカレッジとして知られています。

Mount Vernon

マウントバーノン(Mount Vernon)はアレクサンドリア(Alexandria)近くに位置し、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントン(George Washington)の農場があった所です。木製の邸宅は新古典主義ジョージア調建築様式といわれる壮麗なデザインです。マウントバーノンは祝日やクリスマスでも開き、年中無休です。訪問者は邸宅やその他の多くの建物、奴隷用宿舎、台所、厩、温室などを回わりながら、4つの庭園や森の小道を歩き、ワシントンの私的な生活の足跡を辿ることができます。

州鳥はショウジョウコウカンチョウ(Northern cardinal)です。体長は 21–23 cm位で、歌声鳥(songbird)の名に恥じない鳥です。オスは活気のある赤色で、頭冠羽が目立ちます。目と嘴の周りは黒い縞があります。メスは赤っぽいオリーブ色といったところです。オスは鳴き声で縄張りを主張します。求愛のとき、オスはメスに嘴で昆虫などの餌を与えます。メスは一回で3個から4個の卵を産みます。

アメリカの州鳥 その36 ノースダコタ州の鳥: ニシマキバドリ

ノースダコタ州(North Dakota)は合衆国中西部の最北部、グレートプレーンズ(Great Plains)にあります。州の北側はカナダ国境であり、サスカチュワン州(Saskatchewan)およびマニトバ州(Manitoba)に接しています。西側はモンタナ州(Montana)に、東側はミネソタ州(Minnesota)との州境にレッド川( Red River)が流れ、南側はサウスダコタ州(South Dakota)と接する州です。州都はビスマーク市(Bismarck)。人口最大の都市はファーゴ市(Fargo)となっています。ノースダコタの名前は、スー族(Sioux)であるダコタ族(Dakota tribe)から由来しています。「ダコタ」はスー族の言葉で「友人」という意味です。私はノースダコタを旅したことがありません。

Western Meadowlark – singing – spring

17世紀以降、ノースダコタの領有権はフランス、スペイン、イギリスにより争われます。 1803年、ルイジアナ購入によりフランス領からアメリカの領土になったこの地は、1861年にダコタ準州となりました。 このダコタ準州が現在のノースダコタ州です。州の一番の特徴は厳しい気候があげられます。そのため、他の地域よりも移民の流入が遅れたそうです。 今でも人口密度は低く、州の人口も全米で下から3番目に位置しています。 経済の柱は農業で、中でも小麦は全米トップ、その他、ひまわりの栽培で蜂蜜はトップの生産を誇ります。菜種油(カノーラ油)は92%、カラシ油が62%、ひまわり油は53%、べに花油が18%を占めています。食用油の精製は一大産業となっています。

ノースダコタ州には、63の国立野生動物保護区があります。セオドア・ルーズベルト国立公園(Theodore Roosebelt National Park)、絶滅の危機に瀕した野生のバイソンが400頭以上生息しています。ルーズベルトは1884年、妻と母が同じ日に亡くなった後、その後2年間のほとんどを牧場で働いて過ごします。春には渡り鳥のバードウォッチングができます。アビ、カイツブリ、ペリカン、サギなど 100 種を超える鳥が生息しています。ノースダコタにはノルウェー(Norway)からの移民が多い州です。合衆国のいわば僻地のような所で、人が少なかったのでこの地を選んだといわれます。

ノルウェー系住民の秋祭り-Norsk Høstfest

州鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark) 体長は22 cm位で、長い嘴を持っています。下腹は黄色く、首の下にV字形の縞模様があります。背中は茶褐色ですが、黄色い斑点が目立ちます。ヒバリ独特の短い鳴き声が響きます。ニシマキバドリは垂直に飛翔し、巣のあるとこから離れたところに着地し、巣の所にそっと戻ります。外敵から巣を守るためです。

アメリカの州鳥 その35 ノースカロライナ州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

ノースカロライナ州(North Carolina)といえばライト兄弟(Wright Brothers)です。1903年、世界で初の有人動力飛行に成功したのがノースカロライナです。ナンバープレートには「First in Flight」(初の飛行)と記されています。州都ラレイ(Raleigh)で、最大の都市はシャーロット(Charlotte)となっています。

Northern Cardinal

ノースカロライナ州は、周りをバージニア州(Virginia)、テネシー州(tennessee)、ジョージア州(Georgia)、そしてサウスカロライナ州(South Carolina)に囲まれています。チャペルヒル(Chapel Hill)という町には、実に綺麗なノースカロライナ大学のキャンパスがあります。ノースカロライナ州は科学技術の研究開発が非常に盛んなところです。その中心はResearch Triangleと呼ばれる ラレイ、ダーム(Durham)、チャペルヒルの三つの町です。三つはちょうど三角形のように点在しています。

University of North Carolina-Chapel Hill

農業生産品は鶏卵、豚、牛、牛乳の他にタバコ、大豆が主要なものです。他にも織物、化学工業、電子機器、製紙業も知られています。意外なことですが、ノースカロライナ州はカリフォルニア州以外で最大の映画制作を行っている州の1つでもあります。 

グレートスモーキー山脈国立公園(Great Smoky Mountains)は、約 900 キロメートルにもおよぶ絶景です。ハイキング、キャンプ、ラフティング、ジップラインを通して、この地域の息をのむような景色を堪能できます。海岸沿いでは、カイトボード、サーフィン、スタンドアップ・パドル・ボード、カヤックなども楽しめます。私的な話ですが、来年7月にノースカロライナの大西洋岸のビーチそばで、家族が13名が再会してバケーションを楽しむ予定となっています。すでに娘達が一軒家を予約しています。

州鳥のショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)アメリカでは冬期には、都市公園などでも見られ、国民に最も愛されている野鳥のひとつとなっています。頭には冠羽、体全体が赤く、嘴は短めです。尾羽は赤みがかって長く体がすらりとした美しい鳥です。オスは成熟するにつれて赤みが増していくのです。

アメリカの州鳥 その34 ネブラスカ州の鳥: ニシマキバドリ

Western Meadowlark

ネブラスカ州(Nebraska)は合衆国のほぼ真ん中に位置しています。北はサウスダコタ(South Dakota)に、東はアイオワ(Iowa)とミズーリ(Missouri)に、西はワイオミング(Wyoming)とコロラド(Colorado)に、南はカンザス州(Kansas)に囲まれています。州都はオマハ(Omaha)。州の大部分は平坦な大平原が広がり、そこは肥沃なプレーリー(prairei)土に恵まれ、牛肉・豚肉・トウモロコシ・大豆の生産で、国内のトップとなっています。

ネブラスカの西部にはチムニー・ロック(Chimney Rock)など巨大な岩で知られています。このあたりはでは沢山の恐竜が発掘されています。きわめて保存状態が良く恐竜の骨格がはっきりしています。それを展示しているのがネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska- Lincoln)です。院生を引率してリンカーン市内の小学校を視察し、大学の恐竜博物館へ行きました。圧巻そのものです。

University of Nebraska- Lincoln

州の鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)といいます。全長は約23cm。腹と喉にかけては黄色で、胸には地褐色と黒い帯状の縞が入ります。上面は黒と薄褐色の縞模様をしています。嘴は長く、鳴き声はチュチュ、チュチュというヒバリに似ています。巣は草地に作ります。ほとんどは昆虫を主食としています。ニシマキバドリはモンタナ(Montana), カンザス(Kansas), ノースダコタ(North Dakota), オレゴン(Oregon)、ワイオミング(Wyoming)の州鳥ともなっています。