心に残る名曲 その百九十四 日本の名曲 中山晋平と 「証城寺の狸囃子」

長野で1887年に生まれます。中山晋平がその生涯で作曲した作品は、童謡、新民謡、流行歌、その他判明しているだけで1,800位の作品があるといわれます。ものすごい作曲活動です。ここでは、その数多くの作品の中から代表的なものをとりあげます。

中山は島村抱月の書生となります。島村は明治から大正に活躍した演出家、劇作家です。1912年に音楽学校を卒業し、抱月主宰の芸術座公演の劇中歌「カチューシャの唄」を作曲し、これがたいそうな評判を得ます。劇中で松井須磨子が歌ったのが有名です。その後『ゴンドラの唄』など多くの劇中歌を作曲,それらは洋楽スタイルによる最初の近代的な流行歌であったといわれます。

松井須磨子と島村抱月

野口雨情作詞の「波浮の港」、「出船の港」など民謡風で芸術的な作品のほか、新民謡では「須坂小唄」、童謡では「証城寺の狸囃」「あの町この町」など多数の傑作を生みます。千葉県木更津市の證誠寺にまつわる伝説からとったのが「証城寺の狸囃子」といわれます。

熱海の中山晋平記念館

以後,民謡の特徴を生かした童謡,歌謡曲などを作り、大衆音楽に貢献します。独特の明快な日本的、庶民的な歌のスタイルが伝わりま。今日の演歌にも通じます。今日の大衆歌曲の道を拓いたともいえそうです。

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