心に残る名曲 その百九十三 日本の名曲 中田 章 「早春賦」 

中田 章

中田章は1886年に東京生まれの作曲家でオルガニストです。1905年に東京音楽学校で学んだのち,やがてオルガンや音楽理論を教えました。
作曲家としては,春を待ちわびる思いを歌った唱歌「早春賦」によってたいへん有名になりました。この曲は,大正初期に,同じ東京音楽学校で国語を教えていた吉丸一昌が詩を書き,同僚だった中田章に作曲を依頼して生まれたものです。

吉丸一昌はドイツ歌曲『故郷を離るる歌 Der letzte Abend』の訳詩をしたことでも知られています。
  春は名のみの 風の寒さや
   谷のうぐいす 歌は思えど
    時にあらずと 声もたてず
     時にあらずと 声もたてず

「早春賦」はモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)作曲「春への憧れ(K596)」と非常に曲想が似通っているといわれます。両方を聞きくらべてみてはどうでしょうか。

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