ヨーロッパの小国の旅 その三十八 オランダ東インド会社

私がオランダへ行ったのは、兵庫教育大学に客員研究員として招いたオランダ人との付き合いからです。彼はオランダの東、ドイツ国境に近いい街、エンシェンデ(Enshande)にあるトゥウェンテ大学(Twente University)の教育工学専門の教授でした。首都アムステルダムに一緒に行った友人は兵庫教育大学の教授です。彼は、アムステルダム(Amsterdam)にはかつてのオランダ東インド会社の本社があったと言っていました。

世界初の株式会社といわれたオランダ東インド会社の設立の経緯です。1596年6月、インドネシアにやってきたのがオランダの探検家ハウトマン(Frederik de Houtman)が率いた艦隊です。この航海の成功に勢いづけられて、オランダでは対アジアの貿易会社が林立しました。1601年末までに15の船団からなる65隻の船が東洋に派遣され、香辛料を満載にして戻ってきたといわれます。

カルカッタのオランダ東インド会社

その結果、競争が激化。東アジアでの仕入価格は高騰し、逆にヨーロッパでの販売価格は下落しました。利益確保のため、オランダの連邦議会ではこれらの貿易会社を統合する必要性が論じられました。これに先立つ1600年、北海を隔てた隣国イギリスではエリザベス1世により勅許会社イギリス東インド会社が設立されていました。このこともオランダ人の危機感を煽りました。1602年3月、中小の貿易会社が統一され、「オランダ東インド会社(通称:VOC)」が設立されました。

ベンガジの東インド会社

オランダ、ヨーロッパ最古の大学にライデン大学(Leiden University)があります。日本との間にあらゆる分野の学生や研究者の交流を行っています。アインシュタイン(Albert Einstein)や国際法「自然法の父」グロチウス(Hugo Grotius)、現在の国王ウィレム・アレキサンダー(Willem Alexander)、10人のオランダ首相をはじめ数多くの指導者を輩出する大学です。