ヨーロッパの小国の旅 その四 タリンの街ーアレクサンドル・ネフスキー大聖堂

私が娘と首都タリン(Tallinn)を訪ねたのは1997年です。ヘルシンキからフェリーでタリンに着きました。旧市街は中世期のたたずまいです。塀や建物の壁には銃弾の跡が残っています。これは第二次大戦の銃撃戦の跡です。独立して6年後のことですから、街全体は復興中でした。看板には盛んに外国からの投資に期待するスローガンが見られました。

タリンの旧市街への門

タリンで見だつものをいくつか紹介しましょう。小高い丘の上に建つドームの建物は、東方正教会「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」(Alexander Nevsky Cathedral)です。アレクサンドル・ネフスキー(Alexander Nevsky)は中世ロシアの英雄として讃えられている人で正教会で列聖され、正教会の聖人となっています。ビザンティン建築様式(Byzantine Architecture)のこの大聖堂は、タリンにある教会の中でも最も大きいものです。

アレクサンドル・ネフスキー大聖堂

Wikipediaによりますと、19世紀末に建築されたこの教会は、ロシアによる支配の象徴でしたが、独立を果たした後は取り壊しも一時検討されたようです。今では、当時の歴史を学ぶことができる建造物としても貴重なものとして保存され、多くの観光客を惹き付ける場所となっています。後に触れるブルガリア(Bulgaria)の首都ソフィア(Sofia)にもブルガリア正教会の壮麗なアレクサンドル・ネフスキー大聖堂があります。

広場への路

ビザンティン建築のことです。紀元後330年頃、ローマ帝国のコンスタンティヌス大王(Constantine the Great)は、ボスポラス海峡要衝にある都市ビュザンティウム(Byzantium)に自らの名前をつけます。それがコンスタンチノープル(Constantinople)です。その後東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都となります。今のイスタンブール(Istanbul)です。ローマ帝国は1453年にオットマン帝国によって滅ぼされます。

コンスタンティヌス大王