エストニアの首都タリンの旧市街への入り口となっているのがヴィル門(Viru Gate)です。2つの石の塔からなるヴィル門は14世紀に建てられたとあります。昔タリンを外部からの攻撃に備えて建てられたものです。門を入ると石畳が敷かれた中世の街並みとなり、今は民芸店やレストランが立ち並びます。
さらにタリンの街を歩くと赤いとんがり帽子のような塔が見えてきます。中世はこんな時代なのかという感覚に襲われるくらいです。旧市街は13世紀後半から城壁が作られ、現在でもそれに囲まれています。幾たびの戦禍を免れてきたのはこの城壁のおかげといわれます。その城壁には20ほどの見張りとなった塔が建っていますが、特に旧市街西側は保存状態が良いので「塔の広場」と呼ばれています。
「ラエコヤ広場」(Raekoja Plats)は、旧市庁舎の前の広場で、旧市街の中心スポットとなっています。今は、周りにレストランやカフェが立ち並び、市民の憩いの場となっています。フェスティバルやクリスマス時にはマーケットが開かれます。中世当時、広場は祝いの場だけではなく、市民集会が開かれ、裁判も行われ処刑の場となり、贖罪の礼拝が執り行われた歴史があります。聖と俗が一体となった空間が広場というわけです。