聖書の中の女性の生き方 その十四 「レベカ」

rebekah-isaac rebecca 65761_rbkah_welcm_mdアブラハム(Abraham)とサラ(Sarah) の息子イサク(Isaac)は40歳になっても一度も結婚していませんでした。そこでアブラハムは故郷の親戚から嫁を探すために、僕のエリエゼル(Eliezel)を送り出します。

彼はある町の近くまでくると次のように神に祈ります。

町に住む女達が井戸で水を汲みにやってきたとき、その内の一人の娘に、「水瓶を傾けて飲ませてください」と頼みます。彼女が 「どうかお飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう」 と答えればあなたが、あなたの僕イサクの嫁としてお決めになったものとさせてください。そのことによって、わたしはあなたが私に慈みを示されたのを知るでしょう。(創世記24:14)。

井戸にやってきた娘は、祈りの条件を全て満たします。これがレベカ(Rebekah)です。エリエゼルは高価な装飾品や金貨をその場でレベカに渡します。そして、一夜の宿を提供してくれるようレベカの頼みます。レベカはエリエゼルを自宅に招待し、エリエゼルはレベカの家族に自分がやってきた目的を語るのです。

レベカがイサクとの結婚に乗り気なのがわかると、エリエゼルと共に家族はレベカをイサクのもとに送り出します。やがてレベカは野原でイサクと出会います。始めてイサクを目にしたレベカはらくだを下りて、ベールを被るのです。

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聖書の中の女性の生き方 その十三 「デボラ」

Prophetess-Deborah-Judges-Women-of-the-Bible-e1349912955179 judges-910x390 053.Deborah_Praises_Jael箴言(Proverbs)31章10節にはデボラ (Deborah) は高貴な妻であり、士師記 (Judges)章5節には、ララピドス (Lappidoth)の妻であり預言者であると記されています。デボラはカナン(Cannan) の王ヤビン(Jabin)がイスラエルを統治していた頃の士師であるともいわれます。

あるとき、デボラはイスラエルの将軍バラク(Barak)に神がバラクがナフタリ(Naftali)とゼブルン(Zebulun)の部族を率いてセビンの軍隊を撃つように求めていると告げます。そして次のように言います 「セビンの将軍シセラ(Sisera)をおびきだすので、バラクは待ち伏せすればよい」(士師記4:6-10)。

士師記5章7-10節には次のように記されています。
「イスラエルには農民が絶え、かれらは絶え果てたが、デボラよ、ついにあなたは立ちあがり、立ってイスラエルの母となった。人々が新しい神々を選んだとき、戦いは門に及んだ。わたしの心は民のうちの喜び勇んで進み出たイスラエルのつかさたちと共にある。主を賛美せよ。」

そしてデボラはいいます。
「どのような知恵もどのような叡智も勧めも主の御前には無に等しい。戦いの日のためには馬が備えられるが、救いは主による。」

箴言の最終章である31章で、作者はデボラを次のような詩で飾ります。

高潔な妻、(Virtuous wife)、宝石以上の尊い女性、(Her worth is far above rubies)、貧しい者への慈悲(She stretches out her hand to the poor)、知恵ある言葉の持ち主(She opens her mouth with wisdom)、家事をとりしきる妻(She looks well to the ways of her household)。

デボラは「蜂蜜」という意味で、聖書には「イスラエルの母」と記されています。建国の父とか中興の祖と同じように尊敬の念がこめられています。

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聖書の中の女性の生き方 その十二 「エリザベト」

elizabeth Bowyer_Bible_artists_image_9_of_10._the_visitation_of_Mary_to_Elizabeth._Bonvicino%5B1%5D maxresdefaultエリザベト(Elizabeth)は洗礼者ヨハネの母として知られています。イエスの母、マリアの従姉妹でもあります。夫は祭司であるザカリア(Zacharias)です。

Elizabethという名前はポピュラーです。Elisabethともいわれます。Wikipediaによりますと、Elizabethはもともとヘブライ(Hebrew)語名のエリシェバ (Elisheba) がギリシア語に転じたものでエリシェバのエリ(Eli)はヘブライ語で「わが神–My God」、シェバ(sheba) は「誓い–sworn」を意味し、エリシェバとは「わが神はわが誓い」と解説されています。

エリザベトがヨハネを身ごもったとき、従姉妹のマリアが訪ねてきます。そのとき、エリザベトの「胎内の子がおどった」とあります(ルカ1:41)。エリザベトは聖霊に満たされマリアに「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています」と告げます。(ルカ1:42−45)

彼女はローマカトリック教会や東方正教会(Eastern Orthodox Church)、聖公会(Anglican Church)では聖人として崇敬されている女性です。また、妊婦の守護聖人ともされています。東方正教会は9月5日、ローマカトリック教会は11月5日を祝祭日としているくらいです。

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聖書の中の女性の生き方 その十一 「サロメ」

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新約聖書の中には、悪女とみなされる女性も登場します。サロメ(Salome)です。サロメはヘロデ・アンティパス(Herod Antipas) 王の継娘です。イザベル(Jezebel)という女性もそうです。彼女はイスラエル王国のアハブ王(King Ahab)の王妃です。イスラエルの神、支配者としてバール(Baal)を信仰した女性です。Jezebelとはヘヴル語で「不貞」とか「糞の山」という意味だそうです。

さて、紀元前37年頃から、パレスティナ・ユダヤ(Palestine-Judea)地区に成立された国家はヘロデ一家による支配によるもので、ヘロデ朝(Herodian Dynasty)と呼ばれます。ヘロデの孫娘にヘロディア(Herodias)がいました。彼女は最初は王位継承者であるヘロデ二世のポエトス(Poetos)と結婚しますが、ポエトスは暗殺されます。そして叔父であるヘロデ・フィリポ(Herod Philip)と結ばれます。その間に生まれたのがサロメです。

このように姻戚結婚を繰り返すヘロディアに対して洗礼者ヨハネ(John the baptist) はモーセ(Moses) の律法に反するとして非難するのです。ヨハネは民衆に人気があり、ヘロデは不人気でした。そこで反乱を恐れたヘロデはヨハネ投獄するのです。

ヘロデの誕生祝いの席で、ヘロデはサロメに列席者の前で踊りをさせます。喜んだヘロデは、酔ったあげくサロメが望むものならなんでも与えると叫びます。サロメの母、ヘロディアは、盆に載せたヨハネの首を求めるようにサロメにいいます。衆人の前で宣言したヘロデは約束を破るわけにいかず、ヨハネの首をはねるように命じるのです。この様子はマタイによる福音書14章(Matthew 14)に記述されています。

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聖書の中の女性の生き方 その十 女性の執事の「プリスキラ」と夫のアクラ

RH-PaulMakingTents_DSC_0050 aquilabella2taglioultralight AandPパウロ(St. Paul) が始めた教会では、女性にいろいろな役目があって、教会の前でみ言葉を取り次ぐ役目さえも女性が果たしていました(第一コリント11章5節-1 Corinthians 11:5))。この教会の中には、寡婦と年とった女性に、特別なディアコニア(diaconia)という奉仕や介護がありました。伝道師アクラ(Aquila) の妻プリスキラ (Priscilla)はパウロの同労者であり、友達でもありました(ローマ書16章3節-Romans 16:3)。この女性はまた、すぐれた執事でもあったようです

まずローマ書16章に出てくるプリスキラとアクラの二人についてです。パウロは、最初にこの二人に会ったのはコリントの教会でした。テモテへの手紙第一(1 Timothy)にもでてきます。やがてこの二人がローマの教会で働き、パウロを助けるのです。新約聖書の中で何度も出てくるのがこの夫婦です。使徒行伝18章2節(Acts 18:2) には、アクラはポント(Pond)生まれのユダヤ人で職業は天幕作りであったと記されています。プリスカもおそらくユダヤ人でしょう。パウロもまた天幕を作る仕事をしていた。天幕は山羊の皮と毛で作られました。プリスキラとアクラと一緒に天幕で暮らしていたと思われます。

ローマ書16章3節の言葉です。
「キリスト・イエスにあって私の同労者であるプリスキラとアクラによろしく伝えてください。この人たちは、自分のいのちの危険を冒して私のいのちを守ってくれたのです。この人たちには、私だけでなく、異邦人のすべての教会も感謝しています。」

その他の女性の執事に関する記述ですが、ピリピ人への手紙4章(Philippians 4:2-4)では、ユウオデヤ (Euodia)とスントケ(Syntyche) という女性の同労者の名前が出てきます。この女性たちは福音を広めるためにパウロと協力して戦った、とまで書いてあります。伝道のわざに励んだ女性だったことがうかがわせます。

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聖書の中の女性の生き方 その九 男性優位の社会

76c700313538d1588f0d706f1972dfa4-400x400 e0011664_21492687 1852556-神聖な聖書勉強の女性聖書は登場する人物が描かれた書といわれます。時間を軸とした歴史書のような記述ではありません。よく知られた人物もいれば、なにをしたかがはっきりしない人々も登場します。

旧約時代も新約時代も共通することですが、女性は男性優位の社会にあって時に虐げられ、産みの苦しみを経ても、いつも家族を形成する中心でした。生きることのしたたかさや力強さを伝える存在でもあります。このブログで女性を取り上げている理由は、私たちの興味をかきたてるに十分な特徴と魅力を持った存在であることです。

こうした女性は後世の人々の想像の世界で生き続けただけでなく、芸術という創造のうちに生き続ける存在でもあります。フレスコ画や音楽に、彫刻やステンドグラスに、散文や韻文に残されています。こうした芸術作品が私たちの女性についてのイメージを豊かにしています。

ここで取り上げている女性は人名事典ではなく、人名の索引を少し膨らませた私の「好み」によって選ばれています。聖女といわれるマリア(Maria)もいれば、悪女といわれるサロメ(Salome) もいます。共通することは、どの女性も個性的であり真摯な生き方をしていたということです。

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