アメリカ大陸(北米大陸)はクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)の航海以前に何度かにわたって発見されていたようです。コロンブスが上陸した時、彼は「新大陸 (New World)を発見した」と思ったかもしれません。上陸した島は後に命名されたサン・サルバドル島(San Salvador Island)です。ここには先住民のインディオ(Indio)でアラワク族系(Arawak)に属するルカヤン族(Lucayan)が住んでいました。
やがて北米大陸にはアジア系のモンゴロイド(Mongoloid)がアジア大陸からベーリング海峡(Bering Strait)を通って移住してきます。ヨーロッパ人が最初に到達する以前にこうした先住民族は一般にインディアン(Indians)と呼ばれ、大陸の様々な地に定住していました。コロンブス以前からアメリカ大陸に先住民族が定住していたことは動かぬ事実ですから、世界史の上で始めてこの大陸を発見した人物はコロンブスでないことは言うまでもありません。 先住民族らから、「アメリカ大陸の発見はヨーロッパ中心主義に基づいた的外れの見方である」と批判されてきたのも理解できます。
コロンブスがやって来る前には、現在のアメリカ大陸に1,500万人の先住民族がいたといわれます。先住民族がアメリカの歴史において、どのような役割や影響を及ぼしたかは興味ある話題です。先住民族は多様な部族から成り、その文化や生活においてさまざまな違いがあります。新大陸にやってきたヨーロッパ人がもたらした文明は、やがて先住民族の暮らしや文化によって影響を受けていきます。彼らの食事や香料、物作り、作物作り、戦いの技法、言語、民謡、など民族の独特な文化の注入が、ヨーロッパからの征服者にいろいろな影響を与えていきます。長く続いた白人による西部開拓は、先住民族の激しい抵抗を誘発し、後に合衆国における最も悲劇的な歴史を記すことになります。