二文字熟語と取り組む その10 「氵」と漢

yamataikoku1 img9ed1db45zikdzj中学時代の教科書に、福岡県志賀島で「漢委奴国王」という金印の写真がありました。この金印によって中国の王朝と日本の交流があったことが裏付けられたという内容でした。「後漢書東夷伝」の記述では、当時中国の諸王朝は日本列島にあった政治勢力や国を「倭」とか「倭国」と呼び、その王の一人が卑弥呼であるとしています。

「倭」は中国に恭順の意を示すために貢ぎ物や人を送っています。当時の日本は「邪馬台国」だったそうです。まだ、文字が通用していなかった日本のことが、後漢書などで記述されていることで、畿内ヤマトや佐賀平野などの所在地論争というロマンが続くことになります。

今回の記事は、「漢」です。「漢」とは元々は長江の支流である漢水に由来する名称です。漢水は漢河ともいわれます。前漢時代と呼ばれるのは、紀元前206年から紀元後8年のことです。秦が滅び項羽との争いに勝利した劉邦が王となり都を長安におきます。後漢時代は紀元後25年から220年までで、都は洛陽におかれます。この時代に書かれた歴史書が「後漢書東夷伝」です。当時の日本を知ることができる唯一の資料ではないでしょうか。

「漢」の説明を広辞苑で調べると、「あまのがわ、中国の王朝名、前漢、後漢など中国の異称、晋の五胡が中原を乱したとき、漢民族の男子を罵って漢児と称したことから、男子、おとこ」などとあります。こうして、中国本土古来の民族や中国に関することがらから、沢山の熟語が生まれます。「漢民族、漢人、漢土、漢字、漢語、漢文、漢詩、漢学、漢籍、漢訳、漢方、漢風」などです。男子やおとこ、という「漢」からは、 「漢魂、好漢、悪漢、巨漢、怪漢、酔漢、暴漢、」そして「痴漢」という按配です。男は「漢児」とも呼ばれたようです。

「漢」または「水の流れていない川」をあらわす形声文字で「あまのかわ」ともいわれます。音読みは「乾」に通じるようです。
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二文字熟語と取り組む その9 「氵」と滋

p0092 wst1507300007-p2 76315_photo2私は昭和17年11月10日生まれ。父母は「滋」と命名しました。長男は「實」、三男は「守」です。太平洋戦争の最中です。緒戦は連戦連勝だったようですが、昭和17年6月のミッドウェー海戦 (Battle of Midway) があり、戦いの潮目が変わり、戦局はだんだん厳しくなります。父母はそのために「滋」、「守」とつけたと後で話してくれました。

「滋」という時は、水に恵まれて草木が茂り育つとか、潤す、ふえる、栄養になるといった意味です。「氵」と「艹」の両方がつく漢字はそうはありません。熟語として滋味、滋養など恵まれた字といえましょう。「茲」というのがJIS第2水準にあります。音読みは「し」、「じ」、訓読みでは「とし」、「しげる」、「ますます」とあります。

ついでに「慈」という字です。語源的には「友」「親しきもの」を意味する「mitla」という単語から派生したものであり,真実の友情,純粋の親愛の念を意味しているとブリタニカ事典にあります。仏教用語だそうです。いつくしむ、情けをかける、恵み深いという字です。慈愛、慈雨、慈善、慈母、仁慈などの熟語が形成されます。また、母のことは「家慈」というのだそうです。愛をもって苦しみを除くのが慈悲とか大慈です。どの熟語も感動的ですらあります。

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二文字熟語と取り組む その8 「氵」と漢字

1280px-Yangtze_River_in_Yunnan_02 sandstormepic10-1 39f6786fd39d819b4cf6a34597346574-546x410水部という部首は四画の25番目に置かれています。「川」は水の流れる形に象ります。通称は「みず」、「さんずい」、「したみず」と呼ばれています。川はまた仮名の「つ」、「ツ」の字源となります。中国は周の時代、水は平準器にも用いられたとあります。「準    (たひ)らかなる」「準を水につくる」といったようです。また、「水は準なり、川は穿なり」というフレーズも残っています。「穿」とは「とおる」、「つらぬく」というように川を意味しています。以上の説明は、白川静氏の「字通」にあります。ハングルでは水にあたるのは「물 (mul )」。

さんずいの代表格として「江」という語を取り上げます。「エ」は「左右にゆるやかにまがる」という意味です。水陸の交通路は長江、別名揚子江、全長6,300kmという世界三位の河です。成都、武漢、重慶などを流れ東シナ海に注ぎます。

「河」という語の「可」は激しい流水の音を写す語といわれます。その代表は黄河でしょう。「百年河清を待つ」河です。「河」と「川」と較べると天地の違いがあるほど「川」の存在は薄いです。それも揚子江と黄河という大河のせいでしょう。圧倒的な存在感を示すのが長江と黄河です。

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二文字熟語と取り組む その7 「人」と漢字

kokoro 31 12265060「人」という漢字についてです。「人という字は、人と人が支えあっている様を表す、、」ということをよくききました。「休」は「木の側に人が憩っているのだ」という説明もききます。同じようなことを「親」という漢字でもききます。「立つ木を側で見守る、それが親という字だ。」以上の説明は、余りにも俗っぽいというか、作り話のような気がします。そこで白川静氏の「字通」で調べてみましたが、以上のような説明は全くありません。「親」ですが、神事に用いる木を選ぶために切り出した木は「新」というのだそうです。その木で神位を作り拝することを「親」という、と白川氏は主張しています。

「人偏」を調べることにしました。取り上げたい漢字は他、仁、仏、夫です。全くランダムです。「他」の也とは不特定の対象という意味だそうです。也に人がついて人称化されます。次に仏です。仏とは「見ること審かならざるなり」という意味だそうです。仏さまは覚者そのもの。仏の連語から彷彿があります。ほのかにしてさだまらぬさまをいいます。

次に「仁」です。したしむ、めぐむ、いつくしむ、という人の最高の徳です。孟子の言葉では「人に(二)従う」というのが語源だそうです。ついでに「夫」ですが、「大」は人の正面の形で、頭に髪飾りの「一」をつけると男子の正装になり「夫」となります。その読みは「かの」です。夫人は文字通り夫の人です。夫は労務に服し、そこから「大夫」が生まれます。「大夫」は管理者だそうです。ついでに、先生のことを「夫子」という熟語で呼ばれていたと白川氏は書いています。

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二文字熟語と取り組む その5  大きな枡目の漢字

1nen maxresdefault k1-kuruma1放課後こども教室から学ぶことです。漢字の書き方を覚えるのに低学年は練習帳を使います。練習帳には範の漢字がでてきて、その下に10個の枡があります。枡目の大きさは2センチくらいです。やがて部首を意識できるようにするためでしょうか、十字の区切りが薄くでています。

どの子も何度も書いては消しています。中には声を出して書いている子供もいます。まだ熟語としては学んでいません。「青」、「空」を別々に学ぶのです。どうして「青空」を一緒にしないのかと思案してしまいます。「男」、「女」も別々になっています。画数が違うといっても「男女」を一緒に学ぶ方ほうがよいと思うのですが。

放課後こども教室では、隣あわせで友達と一緒に学んでいることに気がつきます。このほうが張り合いがあるのでしょう。一人での学習は自分の進み具合がわかりにくいこともあります。

宿題を終えると、早速外に飛び出して遊びに熱中する子、囲碁をやりたくて寄ってくる子。彼らは、「さあ、バトルだ」といって対戦相手を見つけます。「バトルってなに?」ときくと「闘うこと」と答えます。漫画やゲームの影響が強いようです。囲碁で大事な礼儀やマナーは二の次といった感じです。

小学一年は80文字、小学二年は160文字と取り組みます。身の回りの漢字が多いこともありますが、漢字に取り組む姿をみると読み書きは問題なく通過するはずです。吸収力が早いです。

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二文字熟語と取り組む その3  読書と漢字

B000_h27_02 kanji-11 edd006a22759d93681e0d173bb240567これまでなんども言っていることですが、私は毎日文字や数字を1,000字位手書きすることにしています。1,000字というと、このブログの一回分くらいです。ワープロばかり使っていると、新しい表現や熟語を手書きすることができないのです。手書きできない語いはワープロ化しないことにしています。「語彙」はワープロが勝手に画面に出してくれるだけです。私は「語彙」はまだ手書きできません。

ベネッセの「教育情報サイト」をときどき覗くのですが、そこに【漢字を覚えるコツ】とあって、その3には「読書しながら漢字を勉強しよう」というのがあります。私は「小説を読みながら覚える」ことにしています。いつもノートが脇にあって、知らない熟語や表現があると書き留めることにしています。

英単語の学習では、一つひとつ暗記するよりも、覚えたい単語が組み込まれた例文を覚えるほうが忘れにくく、実際に英語を使う場面で活用しやすくなると言われています。これは、文章中の他の単語との関連を一緒に理解できるからです。漢字の学習も同様です。文章の中にある漢字に触れることで、いわば脈絡や状況のなかで漢字を習得できます。誰もが得意な学習の仕方があるでしょうが、読書を通して漢字を学ぶ学習が推奨されます。

知らない漢字が出てきたら、その都度読みや意味を確認したいものです。「わからない漢字はノートに10回書く」などとルールを決めておくのです。読書ですが、漫画は子どもが読みやすいようにひらがなを多用しています。漢字の学習に適している材料かどうかは、わたしには解りません。

昨日の夕刊にあった二文字熟語のクイズは、背、心、濃、条、義、通、電、受が周りにあって、その中に「?」という漢字を入れると熟語ができるかという問題でした。幸い5秒で「?」の漢字がわかりました。ときどきどうしても解らないクイズもあります。

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二文字熟語と取り組む その2  佐伯泰英の時代小説と漢字 

img_0 iwane_edozoshi_03 200905271007120a8東京の街中、特に文京区、中央区、台東区などを歩く楽しみは堪えられません。文京区は、昔家庭教師をしたり社会教育館でアルバイトをしていたので、史跡を通してある程度の歴史や特徴を知ることができました。「文の京 (ふみのみやこ)」の名前の通り住宅の街ともいえそうです。大学の街でもあります。 孔子廟である湯島聖堂もあります。

中央区は、なんといっても日本橋や京橋など下町として栄えたことが特徴です。神田川、日本橋川、竜閑川、そして隅田川など水運によって栄えた下町です。銀座や築地はや東京湾の側です。銀座は名前のように江戸時代に銀貨幣の鋳造所があったのです。築地は埋立地です。佃島など関西とも通じる地名です。

台東区といえば、江戸時代を通じて、最も古い市街地の一つです。その代表格は浅草でしょう。寛永寺や上野公園、谷中の街並みや墓地も散歩にいいです。旧岩崎邸庭園も落ち着くところです。蔵前や浅草橋地区は人形の街。さらに玩具や衣料品、雑貨関係の卸も多数有ります。

江戸時代の文京区、中央区、台東区を知るには、古地図を調べるのもよいのですが、佐伯泰英の時代小説を読むと今の東京と昔の江戸の違いや変遷を知ることができます。その果実として、今まで書けなかった二字熟語の意味や使い方を学ぶことができます。

「巻紙も 痩せる苦界の 紋日前」という川柳にでてくる「紋日」という熟語は、知らなければ絶対に文章にしたり口にでることがありません。「紋日」とは遊郭において衣服を着替えるお祝いのことのようです。通常は客が費用を出してくれたようです。こうした表現を使えるかは、日本語も英語も全く同じで、この熟語を知っているか否かです。

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初めに言葉があった その52 デフレからの脱却  その12 「インフレーションからスタグフレーションへ」

我が家でいえば、年金額は下がり物価が上昇する現象が起こっています。雇用や賃金が減少する中で、物価の下落ではなく物価の上昇が発生する状況です。収入が減るうえ貨幣や預貯金の実質価値まで低下するような時代です。多くの年金生活者はこのような現実に直面しているはずです。この現象は「スタグフレーション (stagflation) 」というのだそうです。「Stagnation」とは停頓という意味の単語です。それと「Inflation(インフレーション) 」を組み合わせた造語のようです。

経済学者でノーベル賞受賞者であるポール・クルーグマン (Paul  Krugman) は「日本では今(2015年)、急速な円安のマイナス面が表面化し、物価が上昇している。それに対して賃金の上昇が追いついていないために、スタグフレーションに陥りつつある」と指摘しています。円安のマイナスの影響で物価はすでに上昇しています。この理由は農産物などの輸入価格が上昇するからです。原油価格の下落は物価を押し下げているようですが、、、物価だけが上昇するのは好ましいことではありません。賃金は年に3〜4%上がり、物価は年に2%上がるのが好ましいと一般的にいわれています。収入が頓挫するのでは、消費を控えなければなりません。

「ぜいたくは敵なり」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」「欲しがりません、死ぬまでは、、」

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初めに言葉があった その51 デフレからの脱却  その11 「翻弄される通貨」

識者を前にして、厚顔無恥にも最も身近なお金とか通貨のことを話題を取り上げています。度素人は当たり前のことばかり書いております。

2011年3月の大規模地震災害で福島の原発がメルトダウンを起こします。この大惨事による保険金の支払い、企業の損出穴埋め、復興の需要のために巨額の資金が必要となりました。投資家はこ海外資産を処分して日本に資金を還流させようとしました。復興による株価の上昇を期待したのです。そのため一気に円高が進みます。震災後には歴代での最安値である1ドル=77円をつけます。このように円はアメリカの景気や大災害などによって左右される「翻弄される通貨」のような有様です。

2016年2月28日の円相場は一ドル=113円となっています。かつて一ドル=360円は超円安で、今は113円でも円安といわれています。素朴な疑問ですが、一体円安や円高というのはどんな基準があるのかということです。

今、政府は物価の2%上昇を目指しています。このように円安がインフレを誘導する大きな要因であることは確かです。安部政権下で構成された役員からなる日銀は、アベノミックスの推進役を果たしています。日銀の独立性は一体どうなったのか、という疑問も沸きます。

100円の大台の打診はいつごろになるか、ということが言われています。現実的には106円台は桜が咲く前に実現するだろうという見方もあります。足元の株安や円高はアベノミクスの終焉を示唆する兆候だと指摘するアナリストもいます。この予想にはアメリカの影響もありそうです。例えば、民主党大統領候補のヒラリー・クリントン (Hillary Clinton) は、日本政府は円安を誘導しているとして批判しています。

また原点に戻るような疑問なのですが、一体インフレーションという通貨の膨張は何のために、誰のためにの経済現象なのかということです。我が家でいえば、年金額は下がり物価が上昇するスタグフレーション (stagflation) が起きているといえそうです。

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初めに言葉があった その50 デフレからの脱却  その11 「1ドル=90円」

私が米ドルを買おうとしたもう一つの理由は、外国為替市場が円安に向かい、一ドル=100円くらいになったら一ドル=90円で買っておいたドルを売ろうとしたことです。実に短絡な発想です。退職を機に、自分が知らない分野のことを少し勉強してみたくなりました。経済とか景気とかといった未知の世界です。私は、政府のインフレとデフレ政策が円高や円安を誘導するといった仕組みを知りませんでした。市場が決めるのだろうと思っていたのです。アベノミックスの前のことです。

現在は円安が続いているといわれます。為替市場が円安に向かうと、日本国内はインフレに向かいます。繰り返しますが、1ドル=90円の相場で1万ドルは90万円です。それを購入したとします。1ドル=100円になるとこれが100万円になります。皆が差額の10万円を得たとしますと、円安に誘導されるので物の価格が上昇します。すなわちインフレが起こります。今は円安のせいで外国人観光客の来日が続いています。財布に一万円札をぎっしり詰め込んだ中国人らしき人がテレビで写っています。これがインフレ状況かどうかはわかりません。

2007年頃から米国の住宅価格の上昇に陰りがでて、低所得者向けのローンに焦げ付きが見られるようになりました。このサブプライム・ローン(subprime lending) の信用がなくなり、大量に証券を保有していたリーマン・ブラザーズが2008年9月に破たんします(Bankruptcy of Lehman Brothers)。なぜ低所得者がローンの支払いができなくなったのかの原因はまだ理解できておりません。

ただ、銀行や証券会社の破産など、不動産投資に対する警戒感のせいでしょうか、日本はサブプライム・ローン関連債権などにはあまり手を出していなかったようで、リーマン・ショックの直接的な影響は軽微だったといわれます。ですがショックを境に世界的な経済の冷え込みによって、国内における消費の落ち込みやら金融不安で急速な円高ドル安が進みます。米国市場への依存が強い輸出産業がダメージを受け、結果的に日本経済の大幅な景気の後退にもつながります。

このあたりまでの景気のからくりや外国為替市場の動向は、ようやくわかるようになりました。
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