クリスマス・アドベント その4 The First Noel

クリスマス(Christmas)の季節が今年もやってきました。キリスト教会では待降節(Advent)とか降臨節を迎えています。クリスマスまでの4週間のことです。礼拝堂では日曜日の礼拝毎にローソクが1本ずつ点火されます。所属するルーテル教会を例に挙げながら、クリスマスの内容や意義を記してみます。

Christmasは二つの単語から成ります。Christ(キリスト)とMas(マス)です。後者のMasはもともとはMassであり、礼拝とかミサを表します。従ってChristmasは「キリストの礼拝」となります。古事によるとChristmasは、元々12世紀頃の古い英語ではCristesmassと綴られていたそうでです。

ベブル語(Hebrew)の聖書にはMessiah(メシア、またはメサイア)が登場します。Messiahとは王様とか聖職者を意味します。王様はやがてキリストがMessiah=救世主として崇められるようになるのです。Messiahは特別に油や香料をそそがれたもの(anointed)、それが「救いをもたらす者」というようになります。Christmasは別名、ラテン語(Latin)から派生した誕生(Christ Natalis)ともいわれます。スカンディナビア半島では11世紀頃からChristmasの祝いが始まったとされ、その誕生祝いのことを「Old Norse Jol」と呼んでいました。スカンジナビアの人々(Scandinavian People) という意味だそうです。

時代がくだり、14世紀になると古いフランス語でノエル(Noel、または Nael)がChristmasとして使われます。Noelとはもともとは誕生という意味です。18世紀になるとこれが「The First Noel」という讃美歌に登場し世界中で親しまれるようになります。「初めてのクリスマス」という讃美歌です。我が国では「牧人ひつじを」という題名で讃美歌103番、聖歌27番として歌われています。

The first Noel, the angels say
To Bethlehem’s shepherds as they lay.
At midnight watch, when keeping sheep,
The winter wild, the light snow deep.
Noel, Noel, Noel, Noel
Born is the King of Israel. (American version)

クリスマス・アドベント その3 イマヌエル

今日は、アドベント、別名降臨節に関する記事を聖書から見てみることにします。それは旧約聖書のイザヤ書(The Book of Isaiah)です。預言者イザヤ(Isaiah)の名によって残される旧約聖書中最大の書といわれます。その成立は複数の者によって書き起こされ,内容からみて2部に分けられます。

最初は、1〜39章は前8世紀頃、主に預言者イザヤによって書かれ、主の懲らしめと裁きが中心に描かれています。40章で「慰めよ。慰めよ」という言葉がでてきます。次ぎに40章から66章は、慰めと回復のメッセージといわれています。具体的には、ユダ(Judea)とエルサレム(Jerusalem)に対するメッセージです。ユダが主から離れていくので、懲らしめを受けるのですが、最後には癒され、救われるという展開になっています。

北イスラエル王国(Northeran Israel)は、紀元前7世紀頃中東のオリエントを統一して最初の世界帝国であったアッシリア(Assyria)の攻撃を目前に控えていただけでなく、南ユダ王国(South Judea)も崩壊するのは時間の問題でありました。そうした緊迫した情勢を背景に、イスラエルの民の多くは一国も早く国外へ脱出することを望んでいました。アッシリア帝国による侵略の脅威に曝される中、神のみ告を信じていたのもユダヤ人です。

イザヤは「神が我らとともにおられる」を意味するイマヌエル(Emmanuel)という言葉を使います。イマヌエルとは、驚くべき指導者であり、力ある神の象徴であり、彼によってイスラエルが救われて平和の道を歩むことができると預言するのです。イマヌエルは新約聖書のキリストを示唆しています。イザヤは、「救いは主のもの」、あるいは「ヤハウェ(Yahweh、Jehovah)は救いなり」と教えます。人間が救われるのは、人間からでも行いからでも富からでもなく、主からなのだ、ということを最初から最後に至るまで一貫して教えています。

クリスマス・アドベント その2 樅の木

Rockefeller Center

アドベント・リース(Advent wreath)には樅の木(Tannenbaum)の枝が使われます。しなやかなので丸いリースを作りやすいのです。樅の木は、「Christmas Tree」とも呼ばれます。そしてクリスマスのデコレーションに使われます。有名なのは、ニューヨーク市のロックフェラーセンター(Rockefeller Center)前に立てられるものです。毎年その点火がニュースとなります。高さ20メートルを超え、2007年からはLEDが使われています。今年は明日12月2日に点火式が行われます。

樅の木に戻ります。この常緑樹は強い生命力の象徴とされます。また「知恵の樹」とも呼ばれます。沢山の種類の飾り物がとりつけられます。子どもたちはそれを楽しみにしています。もともとはリンゴとかナッツなどの食べ物が枝にくくられたそうです。そしてロウソクとなり今は豆電球で飾られます。ベツレヘムの星(Bethlehem)やガブリエルの天使(Gabriel)の飾りもつけられます。

樅の木がクリスマスの木として使われるようになったのは15世紀頃といわれています。ドイツのゼレシュタト(Selestat)にある St. George’s Churchがその起源とか。ブリタニカ百科事典(Encyclopedia Britannica)によると, 樅の木は常緑樹(evergreen trees)として、エジプト人(Egypt) や中国人、ヘブル人(Hebrew)などが永遠の命を象徴する木として崇めていました。こうした信仰はヨーロッパの非キリスト教徒(pagan)らにも広まり、やがてスカンジナビア(Scandinavia)や西ヨーロッパに広まり、家々や納屋に立てられた樅の木は魔除けとしても、また鳥の止まり木としても飾られるようになったといわれます。

樅の木の代わりに”Paradise Tree”という常緑樹もクリスマスでは飾られたといわれます。中世のミステリ劇に登場する木です。それによると12月24日はアダムとイブ(Adam & Eva)と命名された日として祝われます。そこに飾られる木には禁断の実とされたリンゴが供えられました。さらに、種なしの薄焼きパン(Unleavened bread)も付けられました。種なしパンには聖餐(Eucharist)とか贖罪、救済(Redemption)の意味があったようです。

種なしパン

クリスマスアドベント その1 クリスマス・リース

この季節になると、ところどころの玄関にリース(wreath)とかクランツ(cranz)と呼ばれる飾り物をつけているのを見かけます。こうした家はクリスチャンの家族なのだろうと察します。


このリースは常緑樹である樅の木の枝を丸めて作ります。祭壇に置くときは、柊(ヒイラギ)の葉があしらわれてそこにろうそくを立てるのです。「柊」は季節にふさわしい漢字であり、緑々しい木です。柊が玄関の側に植えられるのは邪鬼を払うという言い伝えがあります。教会で飾られるリースは特別な意味があります。リースにある先の尖った柊の葉ですが、柊は十字架上で処刑されたキリストの冠の棘を表します。柊は英語で”holly tree”と呼ばれています。

リースは、クリスマス・リース(Christmas wreath)とも呼ばれ11月最終日曜日からキリスト教会で飾られます。今年のアドベントは11月29日から始まりました。燭台となるリースの上には4本のろうそくが立てられます。この日からキリストの誕生を待ち望む期間、待降節といわれるアドベント(Advent)が始まるのです。アドベントはキリストの誕生までの4週間を指します。

アドベント期間の礼拝に出席すると目に飛び込んでくるのが色。例えば、ろうそくの色は悔い改めや望みを表す紫とか青でです。聖職者の祭服や祭壇布、礼拝堂のタペストリーなどにも用いられます。典礼色に倣い、第三週のみピンクやローズカラーのろうそくを用いる場合が多いようです。ルーテル教会やメソジスト教会、聖公会などはそうです。アドベントの礼拝や祈祷での賛美歌は、救世主メシア(Messiah)の到来を待ち望むものが歌われます。

Isaiah

「久しく待ちにし、主よとく来たりて」 “O come, O come, Emmanuel” は、アドベントの時期に広く歌われる讃美歌です。詞・曲とも中世の聖歌だったとされます。旧約聖書のイザヤ書(The Book of Isaiah)第7章14節にある預言から由来しています。

Oh come, Oh come, Emmanuel
And ransom captive Israel
That mourns in lonely exile here
Until the Son of God appear
Rejoice! Rejoice! Emmanuel
Shall come to thee, O Israel!

アメリカの州鳥 その58 アメリカ領プエルト・リコの鳥: シトドフウキンチョウ

アメリカ合衆国の州の鳥の紹介はこれが最後です。プエルト・リコ(Puerto Rico)はカリブ(Calib)海域北東部にあり、西にハイチ(Haichi)とドミニカ(Dominica)共和国があります。住民の大半はスペイン系の白人で、アフリカ黒人の血をひく人々です。他のカリブ海の島々に比べ、奴隷制が発達しなかったので白人が多いのです。文化的にはスペインの植民地時代からの伝統が色濃いのが特色です。

     Tanagers

1493年に本島のプエルト・リコにクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が上陸します。1508年にスペインからの総督としてフアン・ポンセ・デ・レオン(Juan Ponce de Leon)らのコンキスタンドール(Conquistador)という征服者がやってきて、植民地化します。それ以来、プエルト・リコと名付けられます。Puertoとは、スペイン語で美しいとか豊かな、Ricoとは港という意味です。

1898年にアメリカ・スペイン戦争により合衆国領となり1952年にアメリカの自治領となります。1946年に合衆国はプエルト・リコ人を知事に任命し、1948年には初の民選知事が誕生します。現在の政治ですが、現体制を維持し、自治権を拡大しようとする勢力、完全な州制へ移行しようとする勢力、そして独立しようとする勢力からなります。独立派は少数派となっています。

プエルト・リコは農漁業やラム酒、観光、製薬などが主たる収入源で、サトウキビ、コーヒーの栽培が盛んです。高い失業率をかかえ、経済は製造業、金融サービス業、観光業、そして連邦政府からの援助に頼っています。

プエルト・リコの鳥は、シトドフウキンチョウ(Tanagers)です。ガラパゴス諸島を含む南北アメリカの熱帯に生息します。オスは色鮮やかな羽色が多いのですが、メスは地味です。9枚の風切羽を持つのが特徴といわれます。熱帯林の樹冠に住み、食性は多様で、昆虫食、花蜜食などを求める雑食の鳥です。アルバムを見るととても美しい姿の鳥です。

アメリカの州鳥 その57 アメリカ領グアムの鳥: グアムクイナ

グアム(Guam)は太平洋西部、ミクロネシア (Micronesia)のマリアナ諸島(Mariana Islands)の南端に位置しています。面積は日本の淡路島より少し小さい位です。ポルトガル人航海者マゼラン(Ferdinand Magellan)によって1521年に世界一周の途上で発見されます。1565年スペインのコンキスタドール(征服者)であるミゲル・ロペス・デ・レガスピ(Miguel López de Legazpi)がグアム島に到達し、スペイ ン国王がグアム島およびその他のマリアナ諸島の領有権を正式に宣言します。それ以来333年にわたり、スペインの統治時代が続きます。

ゲフパゴ•チャモロ(Gef Pago)文化村

1898年のアメリカ・スペイン戦争の結果、アメリカ領となります。アメ リカ海軍による統治は農業、保健衛生、教育、土地管理、税制、公共事業などに変革や改善をもたらします。1941年12月の真珠湾攻撃による太平洋戦争勃発を機に、日本軍はグアムを占領します。1950年にアメリカの自治属領(準州)となり、今日に至っています。グアムは太平洋の交通の要所で、軍事的経済的に重要性を持っています。

住民はチャモロ族(Chamorro)です。マリアナ諸島の先住民全般を指す民族です。チャモロ族は生活環境に適した独特の住居やカヌーを造り漁業に従事し、また複雑な織物や手の込んだ陶器の製作に通じています。強固な母系社会を形成し、チャモロ文化の担い手となっていました。フィリピンやメキシコからの移民により混血化し、純粋なチャモロ族はいないといわれます。

グアムの南東岸にあるイナラハン湾(Inarajan Bay)を背にして、伝統的なわらぶき屋根が軒を連ねるのがゲフパゴ•チャモロ(Gef Pago)文化村です。チャモロの手工芸品作りの実演や昔ながらの漁法を見ることができます。今はコロナ禍にあって日本からの観光客は全く途絶えて、グアムの経済を疲弊させています。

グアムの鳥はグアムクイナ(Guam rail)です。写真をみると尾羽は短く、上面の羽衣は褐色や黄褐色をしています。頭頂や眼先、頬の羽衣は赤褐色です。頸部から胸部の羽衣は淡灰色で、やがて淡黄色や黄褐色の帯模様がでてきます。沖縄県北部の国頭村地域だけに生息するヤンバルクイナとそっくりです。飛べない鳥です。ヤンバルとは(山原)と書きます。

アメリカの州鳥 その56 アメリカ領ヴァージン諸島の鳥: マミジロミツドリ

アメリカ50州の鳥の紹介は終わりました。次いでに合衆国の保護領(自治領)に触れていきます。保護領の人々は合衆国の市民権と自治政府、投票権を持っています。合衆国の保護領としてはヴァージン諸島(Virgin Islands)、グアム島(Guam)、プエルトリコ(Puerto Rico)があります。

Virgin Islands

私はグアムを除く他のアメリカ領はもちろん旅したことはありません。ヴァージン諸島の西半分がアメリカの保護領で東半分はイギリス領という複雑さです。一般の観光客が訪れる主要な島はセント・トーマス島(St. Thomas Island)、セント・クロイ島(St. Croix Island)、セント・ジョン島(St. John Island)の3島です。首都はセント・トーマス島にあるシャーロット・アマリー(Charlotte Amalie)となっています。セント・クロイ島には、世界で最大の石油精製所があります。

Bananaquit

アメリカの保護領のために、大統領選挙などで投票はできません。人口の主な人種は、昔奴隷として連れて来られた子孫の黒人です。砂糖や野菜の栽培が盛んです。ラム酒も特産となっています。観光業が主たる産業となっています。

ヴァージン諸島の鳥はマミジロミツドリ(Bananaquit)です。マミジロミツドリは体長が約10センチと非常に小さいです。下腹は黄色く、背中は黒いのが目印です。くちばしは細長く曲がっており、花の蜜を吸うのに適しています。舌もその食性に合ったふさ毛のある管状になっています。マミジロミツドリはハチドリのようにホバリングすることは出来ないので、蜜を吸う間は枝などにとまります

アメリカの州鳥 その55 コロンビア特別区の鳥: モリツグミ

コロンビア特別区(Washington District of Columbia:DC)は、大西洋東海岸、メリーランド州(Maryland)とヴァージニア州(Virginia)に挟まれたポトマック河畔(Potomac River)に位置する合衆国の首都です。大国の首都としては面積は小さいのですが、国際的に強大な政治的影響力を保持する世界都市であり、また金融センターとしても知られています。172か国の大使館、世界銀行(World Bank)、国際通貨基金 (IMF)、米州機構 (OAS)、米州開発銀行(IDB)、汎アメリカ保健機関 (PAHO) などの本部も置かれています。労働組合、ロビイスト、職業組合など各種団体の本部もあります。

Smithsonian Institution

この都市は首都としての機能を果たすべく設計された計画都市です。アメリカ独立戦争を陸軍技師大尉として、司令官ジョージ・ワシントン(George Washington)に仕えたのが、ピエール・シャルル・ランファン(Pierre Charles L’Enfant)です。彼は、独立戦争での貢献が認められ、連邦都市建設計画のコンペに当選し基本計画案を作成します。この街は都市計画に基づく近代最初の首都となります。

Wood Thrush

コロンビア特別区は、連邦議会があらゆる権限を有していて、州には属さない合衆国・連邦政府の直轄地となっています。下院に本会議での投票権を持たない市代表(代議員)を選出していますが、上院議員の議席は与えられていない不平等さがあり、これが長年議論されています。特別区の東には多くの黒人が住み、人口の比率では全米一位となっています。他方、北西に位置するジョージタウン(Georgetown)は高級住宅地として知られています。

首都の中心にあるのがナショナルモール(National Mall)です。横長で芝生に覆われています。リンカーン記念堂(Lincoln Memorial)から連邦議会議事堂(Capitol)までの両側にホワイトハウス(White House)、スミソニアン学術協会(Smithsonian Institution)や連邦政府立など18の美術館や博物館が並びます。例えば自然史博物館(National Museum of Natural History)、航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)、国立美術館(National Gallery of Art)、ホロコスト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)などです。

コロンビア特別区の鳥はモリツグミ(Wood Thrush)です。頭と背は赤褐色、翼と尾は茶褐色、下腹は白色で黒色の大きな斑点があります。嘴は暗褐色で、足は桃色が特徴です。アメリカ東部で繁殖し、アメリカ南部やメキシコ、パナマで越冬します。合衆国の鳥としては地味な色の種類です。しかし、さえずり声は、まるでフルートのような響きを持っています。北アメリカで最も美しく鳴く鳥の一つといわれます。

アメリカの州鳥 その54 ワシントン州の鳥: オウゴンヒワ

ワシントン州(Washington)は太平洋岸に面し、北はカナダと国境を接しています。南はオレゴン州(Oregon)となっています。州都はオリンピア(Olympia)で最大の都市はシアトル(Seattle)となっています。常緑樹で覆われ、エバーグリーン州(Evergreen State)という愛称がついています。東海岸のワシントンDCとは別の州です。

American Goldfinch

ピュジット湾(Puget Sound)の沿岸には、オリンピアやシアトルを始めタコマ(Tacoma)、エヴェレット(Everett)といった都市があり、航空機、ミサイル、造船、車体製造、金属工業、化学工業、精密機械、水産加工などが盛んです。ボーイング( Boeing)の主力飛行機組立工場はエヴェレットにあります。経済面では、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon.com)、スターバックス(Starbucks)などなど世界に名を馳せる企業の本拠地が多いことでも知られています。

リンゴの生産は全米第一位で、花の栽培も盛んです。全米で有数の林業州であり、鮭などの水産業も盛んです。戦前は多くに日本人が移民し、林業や漁業に従事しました。人種差別が激しい戦前で、ワシントン、カリフォルニア、オレゴン州に渡った移民一世の人々の労苦は歴史に残っています。

Snow Falling on Cedars

州鳥はオウゴンヒワ(American Goldfinch)です。繁殖期のオスは体の羽色が鮮やかな黄色になり、繁殖期以外にはその黄色がくすみます。メスもくすんだオリーブ色で、羽色は黒くて白色の縞模様があります。

アメリカの州鳥 その53 ワイオミング州の鳥: ニシマキバドリ

ワイオミング州 (Wyoming)はロッキー山脈(Rocky Mountains)の大陸分水界を含む山地が大半の州です。北はモンタナ州(Montana)、東はノースダコタ州(North Dakota)とサウスダ州(South Dakota)、南はコロラド州(Colorado)、西はアイダホ州(Idaho)に囲まれています。州都で最大の都市はシャイアン(Cheyenne)となっています。

1872年に世界初の国立公園となるイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)があります。世界で最も有名な間欠泉であるオールド・フェイスフル・ガイザー(The Old Faithful Geyser)が多くの観光客を呼んでいます。噴出は60~90分間隔で、その高さが30メートルから50メートルに達します。

山岳地帯では石油や天然ガス、石炭、ウランを産出します。ロッキー山脈から流れ出る河川によって形成された堆積平野の大平原(Great Plains)では、大麦、小麦、エン麦、トウモロコシの栽培が盛んです。

1869年に合衆国最初の地方議会で婦人参政権が認められ、1870年にララミー(Laramie)では女性が初めて陪審員を務めます。同年メアリー・アトキンソン(Mary Atokinson)が女性初の廷吏となり、さらにサウスパスシティ(South Pass City)ではエスター・モリス(Esther H. Morris)が女性初の治安判事になります。1925年にネリー・ロス(Nellie T. Ross)が初の女性知事に選出されます。それ故、「平等の州」(Equality State)という愛称が付いています。

Western Meadowlark

ワイオミングの州鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)です。全長20センチくらいで、腹と喉にかけては黄色です。胸には黒い帯が入り、背中は黒と薄褐色の縞模様をしています。嘴は長く昆虫やベリー、種子などを食べます。ヒバリ独特の短く甲高い声でさえずります。フルートのような響きです。

西部劇映画『シェーン』