ワルツ「金と銀」(Gold and Silber)やオペレッタ「メリー・ウィドウ」(Merry Widow)などで知られるハンガリーの作曲家がフランツ・レハール(Franz Lehar)です。オペレッタについては、どこかで喜劇とか小喜劇と呼ばれ、ハッピーエンドで終わる歌劇のようなものであることを述べました。レハールの父親は軍楽隊長で、12歳のときプラハ音楽院(Prague Conservatory)に入学し,ヴァイオリンを学びます。ドヴォルザーク(Antonin Dvorak)らに作曲技法を学び、軍楽隊長を経てウィーンでオペレッタ作曲家としてデビューします。1902年からウィーンの劇場で指揮者として活動を始めます。
1905年に「メリー・ウィドウ」を発表するとウィーンを熱狂させたといわれます。この作品は,以後ドイツ各地,ペテルブルグ(St. Petersburg),ミラノ(Milan),ロンドン(London),ニューヨーク(New York)などで相次いで上演されます。「金と銀」ですが、ワルツのリズムに乗った流麗な旋律がオペレッタの特徴です。当時流行していたダンスのリズムや民族的な素材を取り入れ、和声的、対位法の技巧を駆使し旋律をいっそう豊かにしています。