毎週楽しんだ「日曜洋画劇場」。その解説者だった淀川長治は「それではまた次回をお楽しみに、さよなら、さよなら、さよなら」と締め括っていました。「水曜ロードショー」の水野晴郎、「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」も忘れられない台詞です。今回は、作曲家のニーノ・ロータと映画「ゴッドファーザー」をとりあげます。
北イタリアのミラノ(Milan)出身の作曲家にニーノ・ロータ(Nino Rota)がいます。11歳でオラトリオ、13歳でオペラを作曲し、ミラノ音楽院(Conservatorio di Milano)で学びます。この学校は別名ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院(Giuseppe Verdi di Milano)とも呼ばれます。ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Maria Puccini)、ピエトロ・マスカーニ(Pietro Mascagni)などの作曲家、そして指揮者のクラウディオ・アバド(Claudio Abbado)を生んだ学校です。後にサンタ・チェチーリア音楽院(Conservatorio Santa Cecilia)で学びます。
その後米国に渡り、カーティス音楽学校カーティス音楽学校(Curtis Institute of Music)でも修行します。イタリアに帰国後ミラノ大学(University of Milan)に入学し、文学と哲学を並行して専攻するという努力家です。大学卒業後は音楽教師となり、1942年以降、映画音楽の作曲も始めます。1951年、当時新進映画監督として注目を集めたフェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini)と出会い、彼のほとんどの映画音楽を手懸けます。1950年から1978年にかけて、リセ音楽院(Liceo Musicale)の教師ともなります。
フェリーニ監督以外の映画音楽も多数手がけます。1956年作の「戦争と平和」(War and Peace)、1960年の「太陽がいっぱい」の音楽を作曲します。この映画は巨匠といわれたルネ・クレマン(Rene Clement)が監督を努めました。1972年に作られたフランシス・コッポラ(Francis Ford Coppola)監督の「ゴッドファーザー」(God Father)の音楽は、ロータの代表作となります。「愛のテーマ」は多くの人々に親しまれました。