心に残る名曲  その百四十二 フランシスコ・タレガ 「アルハンブラの思い出」

アルハンブラの思い出で知られるスペインの作曲家・ギター奏者がフランシスコ・タレガ(Francisco Tarrega)です。ギターの達人「ヴィルトゥオーソ」(virtuoso)として名を馳せます。ヴィルトゥオーソとはイタリア語の博識とか達人を意味する言葉です。「ギターのサラサーテ(Pablo Sarasate)」との異名も付けられています。二人ともスペイン人であるからです。

Francisco Tarrega

「アルハンブラの思い出」(Memories of Alhambra)は、高度なテクニックで演奏されます。この技法は「トレモロ奏法」(tremolo)と呼ばれ、右手の薬指、中指、人差し指で一つの弦を繰り返しすばやく弾くことによりメロディを奏します。親指はバス声部と伴奏の分散和音を弾くのです。単一の高さの音を連続して小刻みに演奏する技法が「トレモロ奏法」です。この奏法によって噴水の流れなどが表現されています。

1874年にマドリッド音楽院(Madrid Conservatory)に進学。豪商の援助のもとに、作曲をエミリオ・アリエータ(Emilio Arrieta)に師事し1870年代末までにギター教師となります。