アジア太平洋の小国へ話題が移ります。今回取り上げる国は東ティモール民主共和国(Democratic Republic of Timor-Leste)です。なんとなく聞いたような国ですが、独立をめぐる内乱状態が続いたことで知られるようになりました。東ティモールは島国であり、小スンダ列島(Lesser Sunda Islands)にあるティモール島(Timor Island)の東半分とアタウロ島(Atauro Island)、ジャコ島(Jaco Island)、飛地アmベノ(Ambeno)で構成されています。南方には、ティモール海(Timor Sea)を挟んでオーストラリアがあります。
地図をみますと、ティモール島の東半分が共和国の領土となっているのは不思議な印象を受けます。
ティモール島は16世紀にポルトガルによって植民地化されます。その後オランダが進出し、1859年に西ティモールをオランダに割譲したことで、ティモール島は東西に分割されます。
ポルトガルが中立を守った第二次世界大戦時には、当初はオランダ軍とオーストラリア軍が保護占領し、ティモール島の戦いのあとオランダ領東インド地域と合わせて日本軍が占領します。日本の敗戦によりオーストラリア軍の進駐を経てポルトガル総督府の支配が復活するのです。
1999年5月、インドネシア、ポルトガルと国連、東ティモールの住民投票実施の枠組みに関する合意文書に調印します。長らくインドネシアの占領が続き、2002年5月に東ティモール民主共和国として独立します。不思議なことに、この独立は国際法上はポルトガルよりの独立となっています。しかし、独立後もインドネシアの介入が続き、内戦が起こります。2002年4月14日に行われた大統領選挙により,シャナナ・グスマン(Kay Rala Xanana Gusmao)が当選し初代大統領に就任します。