心に残る名曲 その三十三 「Joshua Fought The Battle Of Jericho」 その一 ヨシュア

この曲もまた19世紀アメリカで生まれた伝統的なスピリチュアルソングです。作曲したのは奴隷の人々だったと云われています。歌の下敷きになっているのは旧約聖書のヨシュア記(Book of Joshua)です。

エジプト脱出(Exodus)のあと、モーゼ(Moses)とその一行は、「乳と蜜の流れる地」(Land flowing with milk and honey), カナン(Cannan)を目指します。しかし、その旅は難航をきわめ、イスラエルの民は40年間荒野を彷徨います。(Joshua 6:15-21)

モーゼの後継者となったヨシュア(Joshua)はさらにカナンを目指します。難関はヨルダン川を渡ることでした。エリコ(Jericho)という街の近くまでやってきます。エリコは当時、世界で最も古い街の一つといわれていました。幸い水のない河床を渡り城壁に囲まれたエリコを望みます。神がエリコに指示した占領方法は奇妙なものでした。イスラエルの兵士全員がエリコの城壁の周りを七周するように命じられたことです。エリコらは指示に従うと城壁は崩れるのです。

多神教の国エジプトでは奴隷の身分であり、今は同じく多神教のカナンに定住しようとするイスラエルの民にとって偶像礼拝は強い魅力だったようです。主なる神に加えて他の神々を崇拝していた人々と大勢いました。ですがヨシュアは民の前で「わたしとわたしの家は主に仕えます」と宣言するのです。(Joshua 24:15)

エリコを探るためにヨシュアは二人の斥候をだします。街の衛兵がやってきたとき、ラハブ(Rahab)という娼婦と家族は斥候を亜麻の束の中に入れてかくまいます。やがてヨシュアはラハブと結婚し、エレミヤ(Jeremiah)、デボラ(Deborah)などの有名な預言者の先祖となります。

この唄の歌詞は次のようなものです。

They tell me, great God that Joshua’s spear
Was well nigh twelve feet long
And upon his hip was a double edged sword
And his mouth was a gospel horn
Yet bold and brave he stood
Salvation in his hand
Go blow them ram horns Joshua cried
‘Cause the devil can’t do you no harm

イスラエルの民は云う、ヨシュアは長い槍を構え
腰には二本の刀を携え、その口からは福音の音が響く
勇猛果敢に立ち向かい、神の救いはヨシュアの手にある
さあ、羊の角笛を吹きならせ
ヨシュアは叫ぶ 「悪魔は民に危害を加えることはできない」