人身売買の被害者の中には誘拐されるケースもありますが、多くは勧誘者による海外や別の地域での仕事やその他の利益といった虚偽の約束に誘い出され、自らの意思で地域社会を離れています。さらに、多くの被害者は地域社会で疎外された立場にあり、勧誘者の申し出を、現状から抜け出し人生をやり直すための好機と捉える場合もあります。
人身売買業者(human trafficker)は、被害者が他国へ移動しやすくするために、偽造パスポートやビザなどの身分証明書類を被害者に提供することがよくあります。しかし、目的地に到着すると書類は取り上げられ、被害者は性産業に従事することを強要されます。強制的な性労働、すなわち性的奴隷状態の最も一般的な形態は売春ですが、ポルノ作品への出演やヌードモデル、ダンサーとしての就労を強要されるケースもあります。
重要な点として、被害者が国や地域をまたいで移動することは性的人身売買の一般的な手段ではありますが、それが唯一の手段ではないということが挙げられます。被害者は、交際相手、友人、家族、あるいは以前から何らかの関係があった人物によって人身売買の対象とされることもあります。例えば、交際相手の男性が、家賃を稼ぐために自分の友人と有償の性行為を行うよう女性を説得するケースなどが考えられます。
こうした事例では、人身売買業者が被害者に対し、自らの意思で商業的性行為に参加しているのだと思い込ませるよう、巧みに心理的な操作(grooming) を行っている場合があります。たとえ被害者が同意している、あるいは過去に同意していたとしても性的人身売買は成立し得るため、アメリカ法における性的人身売買の訴追においては、被害者の行為ではなく、人身売買業者の行為が焦点となります。ついでですが、ポン引き(pimp)は主に、売春をする人の元締めとなり、客を周旋して、その稼ぎから利益を搾取する者です。

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