アメリカの州鳥 その26 テキサスの州鳥 マネシツグミ

テキサス(Texas)はアメリカでは第二の面積を占める南部の大きな州です。1836年にテキサス共和国として一方的にメキシコから独立を宣言しますが、同年メキシコ軍の攻撃により敗れます。入植者がたてこもって抵抗した拠点がサンアントニオ(San Antonio)にあるアラモ砦(The Alamo)。デビー・クロケット(Davy Crockett)、ウイリアム・トラビス( William Travis)など指導者の名前が浮かんできます。映画も作られました。リオグランデ川(Rio Grande River)を挟んでメキシコと接しています。1900年代に油田が発見され、以来多くのハイテク企業が集まります。

The Alamo

最大の都市はヒューストン(Houston)で有名な航空宇宙センター(Space Center Houston)があります。現在の州都はオースチン(Austin)ですが、近年特に人気が高い町がリバー・ウォーク(River Walk)のあるサンアントニオです。リバー・ウォークは小さな河の両岸にレストランが並んでいます。散歩、船下りにも楽しいところです。今や年間1,000万人以上が訪れる全米有数の観光都市としても知られています。

Northern Mockingbird

ブッシュ(George Busch) 大統領親子はテキサスの出身です。メキシコ湾や内陸部に油田が多く、エクソンモービルなどの石油会社の本社があります。カウボーイ文化に象徴される放牧業や畜産業でも知られています。アメリカン航空、コンチネンタル航空、AT&Aなど多くの企業の本拠地となっています。カリフォルニア、ニューヨークと並ぶ商業や経済の中心の州です。

州鳥はマネシツグミ(Northern Mockingbird)です。農地や公園などの住宅があるところや草木の生い茂った草原や砂漠の低木林など木が生えている場所に生息します。食性は雑食でバッタ、アリ、クモ、甲虫などの無脊椎動物やトカゲなどの小型の脊椎動物といった動物性のものと果実やベリー系の植物性のものを食べます。鳴き声を発するのは主にオスのマネシツグミで他のオスから自分の縄張りを守るための警告や繁殖期に交尾相手を誘うために鳴ます。数百の鳥の鳴き声を真似することができ、鳴きまねは犬の鳴き声、ピアノの音や車のクラクションまでまねることができる器用な鳥です。

アメリカの州鳥 その25 ジョージアの州鳥 チャイロツグミモドキ

大西洋に面したジョージア州(Georgia)。南はフロリダ州(Florida)、東は大西洋とサウスカロライナ州(South Carolina)、北はノースカロライナ州(North Carolina)とテネシー州(Tennessee)、西はアラバマ州(Alabama)に接しています。州都で最大の都市はアトランタ(Atlanta)です。コカコーラやCNN、デルタ航空(Delta Air Lines)、保険会社アフラック(Aflac)の本社などがあります。

私がアメリカ留学のために家族と一緒に出かけ、英語の研修を2か月受けたのがジョージア州のステイトボロ(Sateboro)という小さな街です。そのせいもあってか、私の英語には南部訛りがあるといわれます。ジョージア訛りというのは、母音を引っ張っり鼻にかかった感じでやわらかく発音するのです。この発音は「draw」と呼ばれます。

「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)を書いたマーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)の博物館(The Margaret Mitchell House)がアトランタのダウンタウンにあります。マーチン・ルーサー・キング牧師が説教していたエベネゼル・バプティスト教会(Ebenethel Baptist Churchi)、そして氏の功績を称えるThe King Center博物館は必ず立ち寄るべきところです。マスターズ・トーナメントのゴルフ大会が開かれるのがオーガスタ(Augusta)です。スイカ、メロンなどの果物が多いのです。特に桃やは有名なので「桃の州」(Peach State)と呼ばれています。西瓜はラクビーボールのような形をしていて、トラックで売りにきます。

Brown Thrasher

州の鳥はチャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)となっています。体全体が茶褐色で目の周りは黄色です。さえずりが得意です。庭の餌箱にやってくる人なつっこいところがあります。嘴は少し丸まっています。春や夏になると、オスはしばしば高い木にとまり、さえずりを始めます。鳴き声の種類は1100にも及ぶとのこと、メスを呼ぶのです。自分の巣を守るために、ときに人や犬を襲うこともあります。オスとメスとで交互に抱卵し、雛に餌を与えます。

アメリカの州鳥 その24 サウスダコタの州鳥: コウライキジ

Ring-Necked Pheasant

サウスダコタ州(South Dakota)の州都はピーア(Pierre)。州で最も大きな都市はスーフォールズ(Sioux Falls)となっています。サウスダコタ州は農業と畜産が主要な産業です。五大品目として牛、トウモロコシ、大豆、小麦、そして豚が有名です。州名のダコタはスー族(Sioux )の言葉(仲間)から由来します。

州の南部にBlack Hillsという丘陵地帯があります。背丈の低い松で覆われています。スー族の領土であり儀式の聖地として崇められている地域です。そこは国立公園となっています。この丘陵地帯にあるのがマウント・ラッシュモア(Mount Rushmore)で、多くの観光客がやってきます。山の岩盤に歴代4人の大統領の顔が彫られています。左からジョージ・ワシントン(George Washington)、トマス・ジェファソン(Thomas Jefferson)、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)、アブラハム・リンカン(Abraham Lincoln)です。

Mount Rushmore

州鳥のコウライキジ(Ring-Necked Pheasant)のオスは、青緑の頭、顔の赤い肉垂(にくだれ)、独特の白い首まわりの輪などで鮮やかな色合いの鳥です。他方、メスはかなり地味な黄色がかった茶色で、長く尖った尾を持っています。コウライキジのオスは10羽程度のメスとのハーレム(Halem)を作り、秋に群れをつくり翌年の春まで群れで生活します。

コウライキジは低木の多い野原や農地を好みますが、森林地の藪や湿地にも生息します。メスは野原や生息地の縁に巣を作り、12個以上の卵を産み、オスの助けなしで卵を孵化させます。穀物や種子、昆虫、小動物といったエサがあるのが地面なので、地上で生活します。

アメリカの州鳥 その23 サウスカロライナ州の鳥: チャバラマユミソサザイ

Carolina Wren

サウスカロライナ州(South Carolina)は、北部でノースカロライナ州(North Carolina)、南部と西部でサバンナ川(Savannah River)を境に位置するジョージア州(Georgia)、及び東部で大西洋と接しています。ローカントリー(Lowcountry)と呼ばれる海岸線地帯の土地の肥沃さとチャールストン(Charleston)など良港があることで繁栄します。西のブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)から東の大西洋まで、さまざまな地形が見られます。州都は最大の都市であるコロンビア(Columbia)となっています。一年中温暖な気候が続くことで知られています。

Charleston

1629年にイングランド王チャールズ一世(King Charles I)がカロライナを植民地とします。1729年にはノースカロライナとサウスカロライナが分離します。独立戦争を経て他の州と共に独立し、奴隷制による綿花のプランテーション(Plantation)によって大いに繁栄します。やがて、1860年に奴隷制廃止論者であったリンカーン(Abraham Lincoln)が大統領になるとサウスカロライナは合衆国から離脱し、1861年には脱退した他の南部諸州と共にアメリカ南部連合(Confederate States of America)を結成します。そしてアメリカ南北戦争(Civil War) の発端となったのが、北軍の駐屯するチャールストン港のサムター要塞(Fort Sumter)への南軍の砲撃です。

1865年にシャーマン将軍(William Sherman)率いる北軍の侵攻により、ジョージア州アトランタ(Atlanta)が焼き払われ、南部経済は壊滅して南北戦争の終結が早まります。マーガレット・ミッチェル(Margaret M. Mitchelll)の小説「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)はこの南北戦争が舞台です。サウスカロライナ州は長い植民地時代を残す歴史があります。例えば、チャールストンは「聖なる市」(The Holy City)ともいわれます。高い尖塔を有する教会が街の景観を形成しています。13の植民地の中で、カトリック、プロテスタントを問わずユダヤ教を認めるという信教に対する寛容さを示した都市の一つがチャールストンです。

州の鳥はチャバラマユミソサザイ(Carolina Wren)といいます。順応性の高い鳥で、森林や沼地、農地、木々に囲まれた住宅地などに生息します。体は小さいのですがとても大きな声でさえずり、鳥類の中で最も声の大きい鳥の一種となっています。チャバラマユミソサザイは、通常つがいで暮らしており、年間を通じて縄張りから離れることはありません。この鳥は寒い冬の気候には耐えられないので、サウスカロライナやジョージアの温暖な地域に生息しています。昆虫や幼虫やクモを主食としますが、ベリー類や果実も食べます。

アメリカの州鳥 その22 コロラド州の鳥: カタジロクロシトド

Lark Bunting

小さいとき、「コロラドの月(Moonlight on the Colorado)」というアメリカの歌曲をしばしば聞いたことがあります。進駐軍の放送から聞こえたきたものです。コロラド(Colorado)は山岳地帯の州です。南北にロッキー山脈(Rokkie Mountains)が貫き、州全体の平均標高が合衆国で一番高いところです。州の東側は大平原(Great Plaines)が広がります。州都であり最大の都市はデンバー(Denver)です。

デンバーは標高が約1マイル(約1,600m)なので、マイル・ハイ・シティー(Mile High City)の愛称で呼ばれています。 デンバー市内には多くの日系人が住んでいます。その数、約1万4千人。 「ロッキーマウンテン時報」という日本語の新聞が2007年まで発行されていたのもうなずけます。

合衆国の中で、この州は大変住み心地が良いとされています。国防総省の巨大な軍事施設や関連産業によってもたらされる経済効果です。空軍士官学校 (Air Force Academy)や共同防衛組織があります。ロッキーの山中には、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command: NORAD)や軍事衛星による監視や弾道ミサイル防衛を担う戦略基地が掘られています。

州鳥はカタジロクロシトド(Lark Bunting)といいます。カタジロクロシトドの特徴ですが、繁殖期のオスの羽衣は主に黒色で翼には白班があります。メスは褐色の縦縞模様があって、翼には薄い箇所があります。地上で採食し、夏には昆虫を採食し、冬になると種子を食べます。繁殖期以外には群れを作ります。カタジロクロシトドは集団で繁殖し、メスは巣作りや抱卵をします。カタジロクロシトドの繁殖・子育ては,オスがメスを誘うための縄張りを草原につくるところから始まります。オスは縄張りを訪れたメスとつがいとなって繁殖します。

アメリカの州鳥 その21 コネチカット州の鳥: コマツグミ

Robin

私はかつて、コネチカット(Conecticut)の州都ハートフォード(Hartford)で開かれた教育とテクノロジーの学会で研究発表したことがあります。コネチカットとはなんともいえない響きの州名です。この州の車のナンバープレートには「Constitution State」とあります。最初の憲法の基となった宣言文を作った州の歴史に由来します。合衆国の北東部、北大西洋岸は、以前紹介しましたが、ニュー・イングランド(New England)と呼ばれています。このあたりには小さな州がいくつかあります。その内の一つがコネチカット州です。東にはロードアイランド州(Rhode Island)、北にはマサチューセッツ州(Massachusette)、西にはニューヨーク州(New York)と隣接しています。

面積としては小さな州ですが、農業はもとより酪農、漁業、製造業も盛んな州です。ロブスターや貝も知られています。ジェット機エンジン、ヘリコプターや航空機の部品、素材産業、原子力潜水艦の建造と関連の軍事産業、精密機械、化学薬品の製造が盛んです。企業ではスポーツ放送のESPN、ボーイング(Boeing)とエアバス(Airbus)のエンジンを開発するゼネラル・エレクトリック(GE)、ゼロックス(Xerox)、シコルスキーヘリコプター(Sikorsky)の本社などがあります。

Robin Hood

州鳥はコマツグミ(Robin)です。コマツグミの卵は美しい青色で、トルコ石にも例えられています。コマツグミは胸部が鮮やかなオレンジ色で、頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあるのも特徴です。オスは頭部がはっきりと黒く、のどまで黒くなっています。なんとなく強そうな印象を受けます。メスは頭部の色がオスに比べやや薄く、のどが白っぽいです。主食はミミズで、よく芝生の上などの地面を歩いてこれを狙っています。つぶらなひとみと丸っこいオレンジ色のボディで見間違えることはありません。

アメリカの州鳥 その20 ケンタッキー州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

ケンタッキー州(Kentucky)はイリノイ(Illinois)、インディアナ(Indiana)、オハイオ(Ohio)、ミズリー州(Missouri)に囲まれ、オハイオ川(Ohio River)とミシシッピー川(Mississippi River)で州境をなしています。東側にはアパラチア山脈(Appaachian Mountains) がそびえ、豊かな自然に恵まれています。この州は「ブルーグラスの州(Bluegrass State)」と呼ばれ、肥沃な土壌からの多くの農産物がとれます。州都はフランクフォート(Frankfort)。最大の都市はルイビル(Louisville)となっています。

ケンタッキー州といえば、スティブン・フォスター(Stephen Foster)が作詞作曲した「ケンタッキーの我が家」(My Old Ketucky Home)を想い出します。50代以上の人なら誰もが聞き口ずさんだことのある哀愁味漂う曲です。ケンタッキーは馬の生産地でも知られています。ケンタッキー・ダービー(Kentucky Derby)が開かれるのがこの地です。バーボン・ウィスキー(bourbon whisky)の一大生産地でもあります。「バーボン」であるという条件はトウモロコシから作られていること、ケンタッキー州で作られていることなんだそうです。日本で同じようなウィスキーを作ってもバーボンと銘打ってはいけないのです。その他タバコの生産も盛んです。ケンタッキーには自動車産業も盛んです。フォード(Ford)、GM、トヨタの工場があります。トヨタはアメリカで最もポピュラーな車「カムリ(Camry)」をここで組み立てています。

ケンタッキーの州鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。オスもメスとも特徴的なとがった冠羽があります。オスの頭と下面は深い朱色です。背はにぷい朱色で羽縁がオリーブ色がかった灰色です。尾が長く、嘴の付け根付近が黒色です。実に美しい姿の鳥です。留鳥なので一年中見られます。インディアナ、イリノイ、オハイオ、ウエストバージニア各州の州鳥であることは既に紹介しています。

ケンタッキー州の車のナンバープレートには「Bluegrass State」とあります。草原を遠くから眺めると青紫色の草のつぼみが一面広がり、「青い草」に見えたので名付けられたとあります。この草は競走馬の餌となるようです。ブルーグラス・ミュージック(Bluegrass Music)の由来ともなっています。ケンタッキー州やテネシー州を通るときは是非Bluegrassのライブを楽しんで欲しいです。

アメリカの州鳥 その19 カンザス州の鳥: ニシマキバドリ

  Western Meadowlark

合衆国の車のナンバープレートのデザインはその州を表します。州によってデザインが違い、カラフルなのがいいところです。私も蒐集の趣味で60枚以上のナンバープレートを持っています。カンザス州(Kansas) のは小麦の穂が配置されています。カンザス州は地図を見ますと合衆国の「へそ」にあります。北側はネブラスカ州(Nebraska) 、東側はミズーリ州(Missouri)、南側はオクラホマ州(Oklahoma)、そして西側はコロラド州(Colorado)となっています。州都はトピカ市 (Topeka)、州最大の町はウィチタ市 (Wichita)です。カンザス・シティ (Kansas City)もミズリー川沿いにある活気のある町です。

アメリカの「大平原」(great plains) というのは、この州がもっとも当てはまるのではないかと思えるくらいの景色が広がります。平原をさす単語に「prairies」というのもあります。大平原はまさに一大穀倉地帯です。平坦でときになだらかに起伏しているのですが、農業生産品は牛、豚や羊、小麦、トウモロコシ、ひまわり種、大豆、綿、及び塩となっています。カンザスに行ったらステーキ(Steak)やシシカバー(Shish Kebab)を忘れずに、といわれます。分厚い肉はまさに草履のように大きいです。

カンザス州の鳥の話題です。ニシマキバドリ(Western Meadowlark)が州鳥となっています。Meadowとは平原、Larkとはヒバリの意味です。下腹部は黄色で、胸には黒のV字形の模様が入っています。背中は褐色で同じく黒い縞がついています。嘴は長めで、昆虫や種、ベリー類を食しています。托卵の習性をもつニシマキバドリもいます。

アメリカの州鳥 その18 カリフォルニア州の鳥:カンムリウズラ

 California Quail

日本人に最も馴染みのあるカリフォルニア州(California)は南北に長い形をしていて、北はオレゴン州(Oregon)に東はネバダ州(Nevada)とアリゾナ州(Arizona)に、最南端のサンディエゴ(SanDiego)からはメキシコ(Mexico)と国境を接しています。長い海岸線や高低差によって、海岸と内陸ではかなり気温や気候が異なります。この気候は地中海性気候といわれています。降雨量が少ないのと急激に人口が増えたために水資源の不足がしばしば取り上げられています。

州都はサクラメント(Sacramento)です。ブドウ畑が広がるナパ・バレー(Napa Valley)から東へ向かうとサクラメントに着きます。西部開拓時代の街角のOld Townは保存されていて当時の開拓時代の気分を味わえます。カリフォルニアの車のプレートには「The Golden State」とあります。西部開拓時代のゴールド・ラッシュに由来しているようです。スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア工科大学( California Institute of Technology)など世界のトップをいく研究中心の大学は知られるところです。産業や経済、科学技術などなんでも全米一、世界一を誇りたくなるような雰囲気がこの州にはあります。

州鳥のカンムリウズラ(California Quail)は、キジの仲間で、頭に美しい冠羽(plume)が特徴です。羽毛の色は黒から灰色です。頭部に飾り羽があります。メスは飾り羽が小さく、顔が淡褐色をしてます。森林や草地、乾燥した荒地などに生息し、小規模の群れ (covey)で生活します。人をあまり恐れないのでしばしば見かけるといわれます。普段は歩いたり走ったりしています。毎日の活動は砂浴び(dust bath)で柔らかい土を下腹をゆすって砂かけをします。低い枝上にねぐらをとり、種子・緑色植物・昆虫などを地上でとります。

アメリカの州鳥 その17 オレゴン州の鳥:ニシマキバドリ

オレゴン州(Oregon)は大西洋岸北西部に位置し、森林、山々、農場が広がる州です。州都はセーラム(Salem)で最大の都市はポートランド(Portland)となっています。ポートランドは札幌市とほぼ同じ緯度にあり、姉妹都市関係を結んでいます。肥沃な農地を抱え、周辺の農産物が集まるところでもあります。明治から大正時代に多くの日本人が移民として移住した州でもあります。移民した日本人は過酷な林業や漁業に従事します。

Western Meadowlark

ポートランドのダウンタウンですが、コロンビア川(Columbia River)の支流ウィラメット川 (Willamette River) の川岸は公園となっています。その一角に日本人移民の歴史公園があります。そこに移民の足跡を記すレリーフが立っています。レリーフには、農業と漁業で生計をたてながら子どもを教育する姿、アメリカに同化しようとした努力、大戦中の収容所での苦しい生活、そしてアメリカ人の差別に対する謝罪の言葉などが彫られています。ある学会でポートランドへ出かけたとき、家庭内暴力(DV)で苦しむ子どもが学ぶ学校へ案内されました。

オレゴント街道(Oregon Trail)は、開拓者が通った主要道の一つで、幌馬車に乗っって街道を経て東部から多くの入植者がやってきました。1980年のセント・ヘレナ山(Mt. St. Helena)の噴火も知られています。

州の鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)といいます。Meadowとは牧草地のことで、Larkとはヒバリのことです。Meadowlarkは牧草地などでみられるヒバリの様な鳥を指しています。背面の模様はヒバリに似ています。胸部は鮮やかな黄色をしているので他の鳥と見間違うことは少ないようです。体長は20cm位で、草原に巣を作ります。昆虫の他に植物の種やベリー類も食べます。