心に残る名曲  その百八十七 オッフェンバック 「天国と地獄」序曲

ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach)は1819年、プロイセン王国(Kingdom of Prussia)のラインラント州(Rhineland)ケルン(Cologn)に生まれます。父親はユダヤ教シナゴーグの聖職者でした。一家はユダヤ人に対して寛容であったフランスに移住し、1833年には、オッフェンバックはパリ音楽院(Paris Conservatoire)のチェロ専攻の学生となります。1844年にはカトリック教徒に改宗します。そしてフランス劇場(Theatre Francais)の指揮者となり本格的な作曲活動に入ります。

Jacques Offenbach

オッフェンバックは、歌詞と踊りのあるオーケストラ付きの音楽「オペレッタ」(Operetta)の原型を作り、音楽と喜劇との融合を果たした作曲家といわれます。オペレッタは、基本的には喜劇であって軽妙な筋と歌をもつ娯楽的な作品が多く、終りはハッピーエンドとなるようです。オペレッタ「地獄のオルフェ」(Overture From Orpheus in the Underworld)の別題が「天国と地獄」です。通常は序曲の第3部を指すことが多いといわれます。 ホフマン物語からのホフマンの舟唄( The Tales of Hoffmann)は実に優雅なワルツです。

絶世の美女スパルタ王妃ヘレネの話をパロディー化した「美しきエレーヌ」 (La Belle Helene)は見ていて楽しい喜劇です。プロイセン帝政下で問題となっていた社会的地位のある人々の不倫などを風刺しているようです。「 La Périchole」という喜劇は二人の貧しい女性歌手を愛人にしよとする好色な総督の物語です。

The Tales of Hoffmann

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