サウス・カロライナ州(The State of South Carolina)南部の大西洋に面している温暖湿潤な気候の州です。州都及び人口最大の都市はコロンビア(Columbia)です。ニックネームは「ノコギリヤシの州」(The Palmetto State)です。
サウス・カロライナはイギリスから最初に独立した13州の中で、しかも最初に独立を宣言した植民地です。その植民地はイングランド国王チャールズ2世(Charles II)から、その父チャールズ1世の栄誉を称えて命名されます。なおチャールズ(Charles)のラテン語名はカロルス(Carolus)となっています。カロライナの名称の原型です。
大西洋に面した海岸平野(Coastal Plain)とローカントリー(Low Country)と呼ばれる海岸台地は古い歴史があり、イギリス人が建設したチャールストン (Charleston) があります。いまなお18〜19世紀の建物が連なっています。この街は「聖なる市」(The Holy City)としても知られています。低層の都市景観を形作る有名な教会があり、信教に対する寛容さを認めていた数少ない都市の一つだったという事実にもよっています。
多くのユグノー(Huguenot)と呼ばれたフランスにおける改革派教会(カルヴァン主義ーCalvinism)がチャールストンにやってきます。フランス絶対王政の崩壊に活躍し、迫害された者は列強各国へ逃れて、やがて亡命先となったサウス・カロライナの開発を著しく進めたといわれます。ユダヤ人にユダヤ教の布教を制限無しに認めた最初期の植民地都市がチャールストンともいわれます。
1860年12月20日、アブラハム・リンカン(Abraham Lincoln)が次期大統領になることが明らかになると、サウス・カロライナ州はアメリカ合衆国からの脱退を宣言した最初の州になります。そして1861年4月南軍がチャールストン港にあった合衆国軍のサムター砦(Fort Sumter)に対する砲撃を開始し南北戦争が激化していきます