今回は、趣向を変えた二文字熟語です。先日、いつもお世話している囲碁クラブの席上で、先輩から、「席亭はいろいろと大変ですね」といわれました。碁会クラブをお世話し、毎週二回、市民センターを予約をし、例会当日は碁盤や碁石、座布団をならべたり、月謝を集めるのが私の役目です。その他、新入会員の棋力を知り、対局相手を世話します。棋力の低い新人は先輩に対局依頼の声をかけにくいからです。
さて、「席亭」のことです。「席亭」とは本来、寄席のことを指しました。寄席の亭主の略で寄席の経営者のこと、席主とも呼ばれています。芸人などの出演者や演目などを選択し、一座を提供し木戸銭を折半するのです。誰を出演させるか、芸はしっかりしているか、客の受けはどうかなど噺家を見極める高い経験知が要ります。
東京や大阪では、落語を主とした寄席に人気があります。噺家が修行し話芸を磨くところが寄席落語です。このように狭義の寄席は落語が中心で東京には四カ所、大阪には一カ所あります。最後の演者は、トリとよばれ、落語では真打といわれる噺家がトリをつとめます。
他方、真打とか名人と呼ばれる噺家は、寄席の他にいろいろな場所で洗練された芸を披露します。例えば国立劇場とか市民会館などでの興行です。テレビ出演も真打ちです。前座見習い、前座、二枚目といった修行中の噺家はまだ大舞台に立つことはありません。
多くの場合、寄席の出し物は席亭と協会とが話し合って決めます。上野の鈴本演芸場は落語協会、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場は、落語協会と落語芸術協会とが交互に出演者と演目を決めています。組織というものは、内紛があります。どの組織に所属するかによって寄席に出られるかどうかという哀しい現実もあります。ともあれ、落語家は一生が修業といわれます。
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