アメリカの州鳥 その38 ヴァモント州の鳥: チャイロツグミモドキ

1979年の夏、家族と一緒にカナダを旅してからヴァモント州(Vermont)の州都モントピーリア(Montpelier)を通りました。ヴァモントの州名はフランス語の「verr mont」(緑の山)からとられています。全米で最も小さい州都といわれます。小さな議事堂のロタンダ(rotunda)といわれる中央のドーム内は州の博物館となっています。小さなヴァモントの歴史は、イギリスからの独立をヴァモントが宣言した1777年以来の州つくりと大自然との共存の歩みとなっています。ヴァモント州の最大都市はバーリントン(Burlington)です。

Brown Thrasher

ヴァモント州はアメリカ合衆国北東部のニューイングランド(New England)地方の内陸にあります。北はカナダのケベック州 (Quebec)に、東はニューハンプシャー州(New Hampshier)、南はマサチューセッツ州(Massachussetts)、西はニューヨーク州(New York)に隣接しています。州の多くは山岳と森林で占められています。気候は内陸性ですから夏は暑く、冬は相当「しばれ」ます。ニューイングランドの紅葉は格別です。州の愛称は「Green Mountain State」でこれが車のナンバープレートに書かれています。

ヴァモント州は独立戦争でも名声をたかめます。1775年、ニューヨーク州のハドソン川(Hudson River)に築かれたイギリスの要塞タイコンデロガ砦(Fort Ticonderoga)を、イーサン・アレン(Ethan Allen)の指揮するグリーン・マウンテン・ボーイズ(Green Moutain Boys)などヴァモントからの民兵隊によって奪取します。
 
ヴァモント州最大の産業は観光です。畜産業も盛んです。観光客の多くはインターステート(高速道路)で数時間の距離にあるニューヨークやボストンからやってきます。豊かな自然を売りにしてスキー、サイクリング、キャンプ、フィッシングの鱒釣りなどが盛んです。秋はりんご狩りなどに大勢の観光客が訪れます。この州で忘れられないのはメープル・シロップ((maple syrup) の生産です。全米で最大の生産量を誇っています。サトウカエデの樹液を集めて精製します。シロップの琥珀色は薄いほど高級となります。メープル・シロップは熱いパンケーキやワッフルなどにかけてバターと一緒にいただくと最高ですね。

ヴァモント州の鳥はチャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)となっています。チャイロツグミモドキは少し丸くなったくちばし、目の周りが黄色で、体全体が茶褐色となっています。尻尾は長く、すらりとしています。羽の上部には黒と白の斑点が並び、下腹は白いのですが黒褐色の縞が点在しています。ツグミの仲間です、鳴き声はチョロチョロ、チェチェと短く鳴きます。昆虫類のほか、種子なども食します。