ヨーロッパの小国の旅 その四十七 アンドラ公国

これから数回にわたり、ヨーロッパに位置するミニ国家を散策することにします。最初はアンドラ公国(Principality of Andorra)です。この国があまり知られていないのは当然のことです。スペインのカタルニア地方(Catalonia)とフランスに挟まれたピレネー山脈(Pyrenees)の山間に位置し、国土面積は金沢市程度しかない小さな国だからです。

国土が非常に狭く、全て山間部なため、人口はわずか8万人しかいませんが、その人口の3分の2は外国籍でその大半はスペイン人です。スペイン、フランスの国境という立地の結果として、長い間この二つの大国の間を揺れ動き、公国として成立した後も両国は領有権を争い、1993年になってようやく両国の承認も得て正式に国として承認され国連に加盟しました。

他方で外国人、特にヨーロッパ人からの人気は非常に高く、年間1,000万人もの外国人観光客がこの国を訪れます。そのため英語やフランス語も通じます。自然豊かなこの国には昔ながらの町並みを残した中世さながらの村も点在し、カタルーニャ地方の影響を色濃く受けています。かつては産業の中心は農業で成り立っていたこの国は、現在では観光収入が国の財源の大半を支えるようになっています。