ヨーロッパの小国の旅 その四十一 フランダースの犬

首都ブリュッセルから電車で約1時間でアントワープ(Antwerp) に着くそうです。アントワープは「フランダースの犬」(A Dog of Flanders)という小説やアニメで我が国でも知られています。この小説の作家はイギリス人のメアリー・ラメー(Marie Louise de la Ramée)という女性です。アントワープには聖母大聖堂(Cathedral of Our Lady)があります。そこに画家ルーベンス(Peter Paul Rubens)の祭壇画があります。ルーベンスもまたアントワープの出身です。この絵画が「フランダースの犬」物語の伏線にあります。

少年ネロ(Nello) は貧しい牛乳運搬業で生計を助け、いつか画家になることを夢見ています。牛乳の運搬を助けるのが愛犬ペトラッシュ(Patrasche)です。ネロはかねがねアントワープの聖母大聖堂の二つの祭壇画を観るのを熱望していました。それを観賞するには高い観覧料が必要だったので、貧しいネロには叶わぬものでした。二つの祭壇画とは、、「キリスト昇架」(The Elevation of the Cross)と「キリスト降架」(The Descent of the Cross)です。この二つの祭壇画は、アントワープはもとよりベルギーが世界に誇る17世紀の画家ルーベンスの筆によるものです。

ダイヤモンド研磨や加工の聖地といわれるのがアントワープです。北海からの交易船を受け入れる海の玄関口であり、大きな河川が流れヨーロッパの重要都市につながるという立地に恵まれています。ユダヤ人コミュニティがあったことも金融で有利になったともいわれます。