手書き その19 漢字を覚える方略–いぬ・けものへん

四足歩行する哺乳類に関する漢字につくのが「けものへん」とか「いぬへん」。犬に始まり、猫、狐、狸、猿、猪、狼など。「狗」とは犬のこと。まわしものとか間諜を意味する。羊頭狗肉という四文字熟語もある。

獣の性質を示すのが狂や猛。しかし、獣は本来は穏やかな性質ではないのか。子を守る本能が狂や猛に見られる。最近、子殺しとか女性の殺傷事件が報じられる。獣でもしないようなこうした行為に暗たんたる想いがする。現代の狼藉者である。こうした者は、独、狭、犯といった漢字から連想される生活をしているのだろうか。

狩りは獣を狙い捕獲となる。献は差し出すとか献上すること。「猶」とは以前の状態がそのまま続くこと。猶予という熟語がそれを示す。

「夷狄」という異民族を野蛮人といった蔑称に用いた熟語もある。民族間の根深い対立には優位、劣位の意識がある。戦争にはこうした誤った「大義」を国民に植えつける教育がある。

八王子の郊外にある高尾山には、天狗の言い伝えがある。もともとは慢心の権化とされ鼻が高いのが特徴。山伏姿で赤ら顔をしている。だが高尾山とか他の霊山では山の神として人々の信仰の対象となっている。

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