旅のエピソード その4 「スピード違反で捕まる」

院生との研修旅行には必ずレンタカーを使います。主たる目的は学校訪問ですが、それが終わると観光、レストランでの夕食などの楽しみが待っています。そして面白いエピソードです。

ニューメキシコ(New Mexico)のアルバカーキー(Albuquerque)へ行ったときです。ここは砂漠のど真ん中にあるような街です。ビルに上がると360度の地平線が見えます。メキシコの香りが建物、土産品、食べ物などに感じられます。郊外にはロッキー山脈(Rocky Mountains)の南端が見え、そこは指折りのスキー場となっています。アルバカーキーの北には、州都のサンタフェ(Santa Fe)、原爆を製造したロスアラモス(Los Alamos)の街があります。河川、渓谷、山岳などの地形は大陸生成の歴史を見るようです。

さて、アルバカーキー市内を日本製のレンタカーで走っていますと、オートバイに乗った警官に呼び止められました。運転していたのは大阪からきた院生です。警官は制限速度を15マイルもオーバーしているとか言うのです。そこは25マイルが制限速度でした。院生は実にたどたどしい英語で応対し始めました。乗っている者は皆、始めてアメリカに来たような気分でしたから、警官とのやり取りに興味津々です。

院生は国際免許を見せながら、「アイアムソーリー、アイアムソーリー、」です。「アメリカで始めて運転した、、、」などなどたどたどしく説明します。そして、「25マイルだから40キロくらいだ、この車は、日本製だからメーターはキロメーターだろうと思った」と説明するのです。警官は、半分あきれたような顔で「この国はマイルだ。気をつけていきなさい」といって無事解放してくれました。観光客にとっては粋な計らいです。

あとで院生に聞くと「警官とのやりとりは演技でなく、真剣にやったんだ」そうです。皆、迫真の演技に感心することしきりでした。