車社会の風景 その十 複数乗車だけの都心への乗り入れ

15年ほど前に、カリフォルニア(California)の州都サクラメント(Sacramento) からサンフランシスコ(San Francisco)空港に向かうとき、高速道のInterstateを使いました。引率していた院生と一緒です。標識をみると単独乗車か複数乗車によってレーンが違いました。複数乗車優先のレーンがあって渋滞を緩和する措置のようでした。単独運転を減らすための措置でもあります。

ヴァージニア州(Virginia) のフェアファックス郡(Fairfax County) から高速道でワシントンDCに向かう時も、複数乗車だけの車の乗り入れが許されていました。DCの交通渋滞をなくすこと、排気ガスを減らすことが狙いです。通勤の交通機関, Metro があるのでドライバは駅付近の駐車場に停めてそこから通勤する仕組みです。もう一つ、同じ企業や政府機関に働く人には、公用車の利用を認め3人から5人が集まり、週ごとに運転を交代して通勤することが奨励されていました。

運転手になった人は、家をまわって同乗者をピックアップし帰りも同じよう降ろします。こうした複数乗車、カープール (car pool) は始業時間と終業時間が決まっている人には便利な方法です。最初は面倒だったという声も多数あったようです。それが定着すると多くの人がカープールを利用するようになったといわれます。

首都ワシントンDCからその西にあるダレス国際空港 (Dulles International Airport) までの高速道路, Dulles Toll Road には途中に出入り口がありません。渋滞の心配は全くありません。