アメリカの州鳥 その58 アメリカ領プエルト・リコの鳥: シトドフウキンチョウ

アメリカ合衆国の州の鳥の紹介はこれが最後です。プエルト・リコ(Puerto Rico)はカリブ(Calib)海域北東部にあり、西にハイチ(Haichi)とドミニカ(Dominica)共和国があります。住民の大半はスペイン系の白人で、アフリカ黒人の血をひく人々です。他のカリブ海の島々に比べ、奴隷制が発達しなかったので白人が多いのです。文化的にはスペインの植民地時代からの伝統が色濃いのが特色です。

     Tanagers

1493年に本島のプエルト・リコにクリストファー・コロンブス(Christopher Columbus)が上陸します。1508年にスペインからの総督としてフアン・ポンセ・デ・レオン(Juan Ponce de Leon)らのコンキスタンドール(Conquistador)という征服者がやってきて、植民地化します。それ以来、プエルト・リコと名付けられます。Puertoとは、スペイン語で美しいとか豊かな、Ricoとは港という意味です。

1898年にアメリカ・スペイン戦争により合衆国領となり1952年にアメリカの自治領となります。1946年に合衆国はプエルト・リコ人を知事に任命し、1948年には初の民選知事が誕生します。現在の政治ですが、現体制を維持し、自治権を拡大しようとする勢力、完全な州制へ移行しようとする勢力、そして独立しようとする勢力からなります。独立派は少数派となっています。

プエルト・リコは農漁業やラム酒、観光、製薬などが主たる収入源で、サトウキビ、コーヒーの栽培が盛んです。高い失業率をかかえ、経済は製造業、金融サービス業、観光業、そして連邦政府からの援助に頼っています。

プエルト・リコの鳥は、シトドフウキンチョウ(Tanagers)です。ガラパゴス諸島を含む南北アメリカの熱帯に生息します。オスは色鮮やかな羽色が多いのですが、メスは地味です。9枚の風切羽を持つのが特徴といわれます。熱帯林の樹冠に住み、食性は多様で、昆虫食、花蜜食などを求める雑食の鳥です。アルバムを見るととても美しい姿の鳥です。

アメリカの州鳥 その57 アメリカ領グアムの鳥: グアムクイナ

グアム(Guam)は太平洋西部、ミクロネシア (Micronesia)のマリアナ諸島(Mariana Islands)の南端に位置しています。面積は日本の淡路島より少し小さい位です。ポルトガル人航海者マゼラン(Ferdinand Magellan)によって1521年に世界一周の途上で発見されます。1565年スペインのコンキスタドール(征服者)であるミゲル・ロペス・デ・レガスピ(Miguel López de Legazpi)がグアム島に到達し、スペイ ン国王がグアム島およびその他のマリアナ諸島の領有権を正式に宣言します。それ以来333年にわたり、スペインの統治時代が続きます。

ゲフパゴ•チャモロ(Gef Pago)文化村

1898年のアメリカ・スペイン戦争の結果、アメリカ領となります。アメ リカ海軍による統治は農業、保健衛生、教育、土地管理、税制、公共事業などに変革や改善をもたらします。1941年12月の真珠湾攻撃による太平洋戦争勃発を機に、日本軍はグアムを占領します。1950年にアメリカの自治属領(準州)となり、今日に至っています。グアムは太平洋の交通の要所で、軍事的経済的に重要性を持っています。

住民はチャモロ族(Chamorro)です。マリアナ諸島の先住民全般を指す民族です。チャモロ族は生活環境に適した独特の住居やカヌーを造り漁業に従事し、また複雑な織物や手の込んだ陶器の製作に通じています。強固な母系社会を形成し、チャモロ文化の担い手となっていました。フィリピンやメキシコからの移民により混血化し、純粋なチャモロ族はいないといわれます。

グアムの南東岸にあるイナラハン湾(Inarajan Bay)を背にして、伝統的なわらぶき屋根が軒を連ねるのがゲフパゴ•チャモロ(Gef Pago)文化村です。チャモロの手工芸品作りの実演や昔ながらの漁法を見ることができます。今はコロナ禍にあって日本からの観光客は全く途絶えて、グアムの経済を疲弊させています。

グアムの鳥はグアムクイナ(Guam rail)です。写真をみると尾羽は短く、上面の羽衣は褐色や黄褐色をしています。頭頂や眼先、頬の羽衣は赤褐色です。頸部から胸部の羽衣は淡灰色で、やがて淡黄色や黄褐色の帯模様がでてきます。沖縄県北部の国頭村地域だけに生息するヤンバルクイナとそっくりです。飛べない鳥です。ヤンバルとは(山原)と書きます。

アメリカの州鳥 その56 アメリカ領ヴァージン諸島の鳥: マミジロミツドリ

アメリカ50州の鳥の紹介は終わりました。次いでに合衆国の保護領(自治領)に触れていきます。保護領の人々は合衆国の市民権と自治政府、投票権を持っています。合衆国の保護領としてはヴァージン諸島(Virgin Islands)、グアム島(Guam)、プエルトリコ(Puerto Rico)があります。

Virgin Islands

私はグアムを除く他のアメリカ領はもちろん旅したことはありません。ヴァージン諸島の西半分がアメリカの保護領で東半分はイギリス領という複雑さです。一般の観光客が訪れる主要な島はセント・トーマス島(St. Thomas Island)、セント・クロイ島(St. Croix Island)、セント・ジョン島(St. John Island)の3島です。首都はセント・トーマス島にあるシャーロット・アマリー(Charlotte Amalie)となっています。セント・クロイ島には、世界で最大の石油精製所があります。

Bananaquit

アメリカの保護領のために、大統領選挙などで投票はできません。人口の主な人種は、昔奴隷として連れて来られた子孫の黒人です。砂糖や野菜の栽培が盛んです。ラム酒も特産となっています。観光業が主たる産業となっています。

ヴァージン諸島の鳥はマミジロミツドリ(Bananaquit)です。マミジロミツドリは体長が約10センチと非常に小さいです。下腹は黄色く、背中は黒いのが目印です。くちばしは細長く曲がっており、花の蜜を吸うのに適しています。舌もその食性に合ったふさ毛のある管状になっています。マミジロミツドリはハチドリのようにホバリングすることは出来ないので、蜜を吸う間は枝などにとまります

アメリカの州鳥 その55 コロンビア特別区の鳥: モリツグミ

コロンビア特別区(Washington District of Columbia:DC)は、大西洋東海岸、メリーランド州(Maryland)とヴァージニア州(Virginia)に挟まれたポトマック河畔(Potomac River)に位置する合衆国の首都です。大国の首都としては面積は小さいのですが、国際的に強大な政治的影響力を保持する世界都市であり、また金融センターとしても知られています。172か国の大使館、世界銀行(World Bank)、国際通貨基金 (IMF)、米州機構 (OAS)、米州開発銀行(IDB)、汎アメリカ保健機関 (PAHO) などの本部も置かれています。労働組合、ロビイスト、職業組合など各種団体の本部もあります。

Smithsonian Institution

この都市は首都としての機能を果たすべく設計された計画都市です。アメリカ独立戦争を陸軍技師大尉として、司令官ジョージ・ワシントン(George Washington)に仕えたのが、ピエール・シャルル・ランファン(Pierre Charles L’Enfant)です。彼は、独立戦争での貢献が認められ、連邦都市建設計画のコンペに当選し基本計画案を作成します。この街は都市計画に基づく近代最初の首都となります。

Wood Thrush

コロンビア特別区は、連邦議会があらゆる権限を有していて、州には属さない合衆国・連邦政府の直轄地となっています。下院に本会議での投票権を持たない市代表(代議員)を選出していますが、上院議員の議席は与えられていない不平等さがあり、これが長年議論されています。特別区の東には多くの黒人が住み、人口の比率では全米一位となっています。他方、北西に位置するジョージタウン(Georgetown)は高級住宅地として知られています。

首都の中心にあるのがナショナルモール(National Mall)です。横長で芝生に覆われています。リンカーン記念堂(Lincoln Memorial)から連邦議会議事堂(Capitol)までの両側にホワイトハウス(White House)、スミソニアン学術協会(Smithsonian Institution)や連邦政府立など18の美術館や博物館が並びます。例えば自然史博物館(National Museum of Natural History)、航空宇宙博物館(National Air and Space Museum)、国立美術館(National Gallery of Art)、ホロコスト記念博物館(Holocaust Memorial Museum)などです。

コロンビア特別区の鳥はモリツグミ(Wood Thrush)です。頭と背は赤褐色、翼と尾は茶褐色、下腹は白色で黒色の大きな斑点があります。嘴は暗褐色で、足は桃色が特徴です。アメリカ東部で繁殖し、アメリカ南部やメキシコ、パナマで越冬します。合衆国の鳥としては地味な色の種類です。しかし、さえずり声は、まるでフルートのような響きを持っています。北アメリカで最も美しく鳴く鳥の一つといわれます。

アメリカの州鳥 その54 ワシントン州の鳥: オウゴンヒワ

ワシントン州(Washington)は太平洋岸に面し、北はカナダと国境を接しています。南はオレゴン州(Oregon)となっています。州都はオリンピア(Olympia)で最大の都市はシアトル(Seattle)となっています。常緑樹で覆われ、エバーグリーン州(Evergreen State)という愛称がついています。東海岸のワシントンDCとは別の州です。

American Goldfinch

ピュジット湾(Puget Sound)の沿岸には、オリンピアやシアトルを始めタコマ(Tacoma)、エヴェレット(Everett)といった都市があり、航空機、ミサイル、造船、車体製造、金属工業、化学工業、精密機械、水産加工などが盛んです。ボーイング( Boeing)の主力飛行機組立工場はエヴェレットにあります。経済面では、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon.com)、スターバックス(Starbucks)などなど世界に名を馳せる企業の本拠地が多いことでも知られています。

リンゴの生産は全米第一位で、花の栽培も盛んです。全米で有数の林業州であり、鮭などの水産業も盛んです。戦前は多くに日本人が移民し、林業や漁業に従事しました。人種差別が激しい戦前で、ワシントン、カリフォルニア、オレゴン州に渡った移民一世の人々の労苦は歴史に残っています。

Snow Falling on Cedars

州鳥はオウゴンヒワ(American Goldfinch)です。繁殖期のオスは体の羽色が鮮やかな黄色になり、繁殖期以外にはその黄色がくすみます。メスもくすんだオリーブ色で、羽色は黒くて白色の縞模様があります。

アメリカの州鳥 その53 ワイオミング州の鳥: ニシマキバドリ

ワイオミング州 (Wyoming)はロッキー山脈(Rocky Mountains)の大陸分水界を含む山地が大半の州です。北はモンタナ州(Montana)、東はノースダコタ州(North Dakota)とサウスダ州(South Dakota)、南はコロラド州(Colorado)、西はアイダホ州(Idaho)に囲まれています。州都で最大の都市はシャイアン(Cheyenne)となっています。

1872年に世界初の国立公園となるイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)があります。世界で最も有名な間欠泉であるオールド・フェイスフル・ガイザー(The Old Faithful Geyser)が多くの観光客を呼んでいます。噴出は60~90分間隔で、その高さが30メートルから50メートルに達します。

山岳地帯では石油や天然ガス、石炭、ウランを産出します。ロッキー山脈から流れ出る河川によって形成された堆積平野の大平原(Great Plains)では、大麦、小麦、エン麦、トウモロコシの栽培が盛んです。

1869年に合衆国最初の地方議会で婦人参政権が認められ、1870年にララミー(Laramie)では女性が初めて陪審員を務めます。同年メアリー・アトキンソン(Mary Atokinson)が女性初の廷吏となり、さらにサウスパスシティ(South Pass City)ではエスター・モリス(Esther H. Morris)が女性初の治安判事になります。1925年にネリー・ロス(Nellie T. Ross)が初の女性知事に選出されます。それ故、「平等の州」(Equality State)という愛称が付いています。

Western Meadowlark

ワイオミングの州鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)です。全長20センチくらいで、腹と喉にかけては黄色です。胸には黒い帯が入り、背中は黒と薄褐色の縞模様をしています。嘴は長く昆虫やベリー、種子などを食べます。ヒバリ独特の短く甲高い声でさえずります。フルートのような響きです。

西部劇映画『シェーン』

アメリカの州鳥 その52 ロードアイランド州の鳥: ロードアイランドレッド

ロードアイランド州(Rhode Island)は全米で最も面積が小さい州です。奈良県よりも小さいのです。最大の都市で州都はプロビデンス(Providence)となっています。ロードアイランド州は丘陵と平地が多く氷河湖が多いです。氷河湖とは、氷河が段々溶けて退くにつれて柔らかい土地が削られた所にできた湖のことです。州南東部にはナランガセット湾(Narragansett Bay)があり、そこに人口や産業が集中しています。貴金属、エレクトロニクスなどの付加価値の高い製造業が盛んです。沖合、沿岸漁業も盛んです。

1636年に、イギリス生まれの神学者で良心と行動の自由を求めたロジャー・ウイリアムズ(Roger Williams)が、マサチューセッツ(Massachusette)植民地から追放され、ロードアイランドにやってきます。ウイリアムズは政教分離原則の著名な学者でありました。アメリカインディアンの公正な扱いを主張し、それがもとで植民地から追い出されるのです。そしてウイリアムズは入植した地をプロビデンス(神の摂理)と名づけるのです。今の州都です。その後、クエーカー教徒がプロビデンスに集まり、オランダから逃げてきたユダヤ人らに救いの手を差し伸べるのです。

州の鳥は、ロードアイランドレッド(Rhode Island Red)です。アメリカ原産のニワトリの品種で卵肉兼用種として飼育されています。羽毛は赤褐色で身体堅強であり、年間200個以上の褐色卵を産みます。日本には明治37年に輸入されて、交配の結果、現在では日本農林規格の在来種として記載されています。

アメリカの州鳥 その51 ルイジアナ州の鳥: カッショクペリカン

ルイジアナ州(Louisiana)はメキシコ湾岸(Gulf of Mexico)に面し、東はフロリダ州(Florida)と、西はテキサス州(Texas)、北はアーカンソー州(Arkansas)と、州の大半がミシシッピー川(Mississippi River)に接しています。最大の都市はニューオリンズ(New Orleans)、州都はバトンルージュ(Baton Rouge)です。私はルイジアナに行ったことはありません。

1541年にデ・ソト(Hernando de Soto)というスペインに探検家が入り、1682年にフランス人探検家ラ・サール(Sieur de La Salle)がルイジアナと名付け、時のルイ14世に献上してフランス領と宣言します。下って1803年にフランスから買収してアメリカ領となります。

有名な都市といえばニューオリンズでしょう。フレンチクオータ(French Quarter)というフランス風の古き街として知られています。バルコニーがせり出たフランス風の邸宅が並びます。マディグラ(Mardi Gras)でも知られています。リオのカーニバル( Carnaval do Rio de Janeiro)などと並ぶ世界で最も有名な謝肉祭(カーニバル)です。

Brown Pelican

クレオール(Creole)とよばれるフランス系やスペイン系の人々が住んでいます。ルイジアナが買収される以前にルイジアナで生まれた人々とその子孫、また彼らと関わりのある事物のことも指します。クレオールは文化人類学でも使われています。

ルイジアナ州の鳥はカッショクペリカン(Brown Pelican)です。翼を広げると2mになりますが、ペリカンの中でも最も小さい鳥です。体重は3.74kg、雄のほうが大きいです。名前の通り、全身を褐色の羽毛に包まれており、白や薄い灰色が多いペリカンの仲間内でも異例といえます。頭部から頸部の色は白っぽい灰色となっています。魚の群れを見つけると空中から飛び込んで魚をとります。

アメリカの州鳥 その50 ユタ州の鳥: カリフォルニアカモメ

ユタ州(Utah)の西半分はグレイトベースン(Great Bason)という大盆地が広がり、北西部は塩砂漠湖(Great Salt Lake)があります。州名はユテインディアン(Ute Tribe)にちなんでいます。州都で最大の都市はソールトレイク・シテイ(Salt Lake City)となっています。州の中央部にワサッチ山脈(Wasatch Range)が南北に延びています。

California Gull

1847年モルモン教徒が東部での迫害を逃れてユタにやってきました。その教会名は、末日聖徒イエス・キリスト教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints)と呼ばれます。この教会の創始者はジョセフ・スミス(Joseph Smith)ですが、イリノイ州で近隣の人々との争いが続き、迫害を受けて殺されます。スミスを引き継いだ指導者がブリガム・ヤング(Brigham Young)です。モルモン教徒はソールトレイク・シテイの近くで、開拓のためにワサッチ山脈からの融雪水を使い、灌漑によって穀物栽培などを始めます。

Temple Square

ヤングの功績はモルモン教会の総本山、テンプル スクエア(Temple Square)礼拝堂を建設したことです。聖歌隊を組織し「モルモン・タバナクル合唱団」(Tabernacle Choir)となります。Tabernacle」とは幕屋とか礼拝堂という意味です。この聖歌隊は世界で最古で最大の聖歌隊の一つです。360名のボランティアの教会員で構成されています。礼拝堂の中には, 聖歌隊の伴奏をする11,623本のパイプを備えたタバナクルオルガン(Tabernacle Organ)があります。

モルモン教徒が迫害を受けた理由は、教会員の中で複婚すなわち一夫多妻制を実行していたことです。1890年にモルモン教会は綱領によって複婚は禁止します。現在のユタ州の人口対するモルモン教徒の構成比は約61%となっています。妊娠中絶や同性愛に反対します。このことから分かるように、ユタ州は圧倒的に共和党の強い州です。テキサス、アイダホに並ぶ保守共和党の牙城であるとされています。

ユタの州鳥はカリフォルニアカモメ(California Gull)です。カナダ中部からアメリカ西部の内陸部で繁殖し、冬期はアメリカ西海岸で越冬します。体長約50cm。羽色はセグロカモメと似ていますが、足が黄色または緑黄色であること、頭部が小さく胴体が長めであることで区別できるといわれます。

アメリカの州鳥 その49 モンタナ州の鳥: ニシマキバドリ

モンタナ州(Montana)の名称は、スペイン語の「Montañoso–山がちな」という言葉に由来します。カナダの国境に沿い、東西に長い州です。西はロッキー山脈(Rockey Mountains)、東は大平原(Great Plains)が広がります。州都はヘレナ(Helena), 最大の都市はビリングス(Billings)となっています。州は「Big Sky State」(蒼空の州)という愛称で呼ばれます。

Western Meadowlark

経済は主にサービス業です。毎年多くの観光客がグレイシャー国立公園(Glacier National Park)、リトルビッグホーン戦場跡国定保護区(Little Bighorn Battlefield National Monument)、およびイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)を訪れています。東部では牧畜業、小麦農業、石油と石炭の採掘、西部では林業、観光業および岩石採掘業が盛んです。

1876年、ジョージ・カスター(George Custer)が率いる陸軍第七騎兵隊のインディアンの討伐隊が、州南部のリトルビッグホーン川(Bighorn River)のほとりでクロウ族(Crow)、シャイアン族(Cheyenne)、スー族( Sioux)、アラパホ族(Arapaho) などの連合軍との戦いによって全滅します。この戦によって連邦政府よるインディアン掃討が進み、 インディアンは土地を奪われ、強制的に居留地(reservation)に追いやられます。ケビン・コスナー(Kevin Costner)が監督し主演した映画「Dance with Wolves」にインディアンの逃避行が描かれています。

モンタナ出身の政治家で上院議員がウィリアム・フルブライト(James W. Fulbright)です。フルブライト奨学金(Fulbright Fellowships)という国際交換プログラムを創設します。戦後多くの日本人がこの基金を与えられ、帰国後は学会、官界、実業界、教育界、ジャーナリズム界、社会福祉界で活躍しました。設立以来の奨学生は160か国以上にわたり、その数は38万人に及んでいます。

州鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)となっています。Meadowとは牧草地、Larkとはヒバリ、つまりMeadowlarkは牧草地などでみられるヒバリの様な鳥を指しています。背面の模様はヒバリに似ていて、首には黒いV字形の模様がついています。胸部は鮮やかな黄色をしているので他の鳥と見間違うことはありません。