留学の奨め その4 入学審査

外国の大学にどのようにして入学するか。今回はアメリカの大学に限定してみる。学部も大学院も共通した手続きとなる。大学の入学係のサイトをみると、留学生向けの出願規定がでている。まずは入学試験というのはない。外国人学生は高校の成績証明書、英語力検定試験のTOEFLの結果の提出を求められるはずである。ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)では、その他に担任教師やスクールカウンセラーからの推薦状をつけるようにとある。こうした書類によって審査される。アメリカの学生は、SAT(Scholastic Assessment Test)という大学進学適性試験を事前に受けてその結果を提出する。

TOEFLの得点だが、学部一年に入るためには、ペーパーテストでは580ー620点、Web上での得点は95-105点が必要とある。もしこの通過点に達していなければさらに勉強して試験を受け直す。大学によっては留学生にはSATかACT(American College Test)が要求される。

IELTS(International English Language Testing System)も権威ある英語力検定試験である。アメリカ国内の3,000以上の大学や機関はIELTSを公式に認めている。IELTSで8.0-7.0をとっていれば入学を許可してくれるはずである。

大学の中には自分の簡単な履歴(resume)の提出を要求するところもある。この履歴には、自分の得意な科目、スポーツ、特技、課外活動、ボランティア活動、表彰歴、海外留学経験、リーダーシップの経験などを正確な英語で書くことが大事だ。このリーダーシップは特に審査員の目にとまるはずである。

エッセイ(小論文)の内容には創造性や独創性が要求される。しかも書いた内容の洞察力の鋭さや質の高さが求められる。推薦状においても学力、才能、人格、素養、課外活動のすべてにおいて秀でた個性が映し出され、できれば格調高い英語で表現されていれば万全である。エッセイは、英語学などで修士号を有し修辞に詳しいネイティブに点検してもらうことを勧める。そこらのALTではいけない。

大学には預金残高証明(Financial Verifiation)を提出することを義務づけているのもある。前回述べたように、大学で学ぶ資金がないと受け入れてくれない。はじめから奨学金を当てにして「行けばなんとかなるだろう」という考えは論外である。アメリカは高学歴が幅をきかす社会なので、ハイリターンには高額の投資が必要である。授業料はアメリカでも高騰してきている。貧しい家庭の子弟には苦しい状況である。

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