留学の奨め その2 我が家の留学史

外国の大学での学びや研究を奨めるシリーズの2回目である。この主題を選んだのには理由がある。それは個人的に経験した留学が素晴らしい学びの機会となったからだ。

最初に断っておくが「留学」とは語学研修とか、聴講のことではない。学位の取得を目的とする学びのことである。今や多くの大学は、学生に外国の大学での学びを推奨し、中には義務づけているところもある。単純な学生集めの戦術ではない。海外の大学とはどんなところか、どんな授業が行われるか。そうした経験をするのが学生には必要で、プラスに働くことを理解してきたからである。

筆者も留学経験で苦労した一人である。奨学金とわずかの蓄えが少なくなり、金子を求めていろいろなアルバイトをした。だが振り返ると海外生活の一日一日はまさに貴重な宝物となったと思っている。三人の子供も小中高大学をウィスコンシン(Wisconsin)で過ごした。そして就職し結婚して今は子育ての真っ最中である。通常なら高校か大学から留学するのが普通だろう。しかし我が家はすべて例外だらけ。不思議な経験をしてきている。

さて大学での学びだが、三つの要件がある。第一は学ぶ動機が堅固であることである。第二は資金の裏付けがあること、そして第三は大学へ入る学力が備わっていることである。特に第一と第二の要件は大事だ。第三の語学力は、一年くらいの大学の予備門ともいうべきシティ・カレッジ(専門学校)で身につけることができる。国内の専門学校で備えてもよい。そして英語運用能力テストであるTOEFL(Test of English as a Foreign Language)を受ける。

資金であるが、2年あるいは4年間の学資を用意することである。州立大学における外国人留学生の授業料は地元の学生の2倍くらいだと心得ておく。私学は3〜4倍もする。奨学金はおいそれと獲得できるものではない。院生でも難しい。よほど優秀でないと指導教官の助手であるリサーチアシスタント(research assistant: RA)かティーチングアシスタント(teaching assistant: TA)に採用されない。奨学金は大学からではなく、選抜によって国内の財団などから受けて出掛けるのが妥当である。

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