アイルランドは、1650年代にクロムウェル(Oliver Cromwell)による過酷な植民地支配を受けます。クロムウェルはイングランドの政治家であり軍人でありました。彼はイングランド共和国(Commonwealth of England)初代の護国卿(Lord Protector)となります。さらにプロテスタントによるカトリック教徒であるアイルランド人への迫害が長く続きます。さらにイングランド人による搾取によっておきたジャガイモ飢饉でアイルランド人が大勢亡くなるのです。こうした植民地支配でイギリスに対して伝統的に敵対した関係が長く続きます。20世紀では特にアイルランドへの帰属を求めて、イギリス領北アイルランドではテロ行為が過激派IRAによって引き起こされたのは記憶に新しいところです。イギリスが光とすればアイルランドは影のような歴史があります。
「チボー家の人々」(Les Thibault)の舞台は20世紀初頭のフランス。カトリック(Catholic)とプロテスタント(Protestant)両教徒の2家族や新旧両世代の人々、合理主義とロマン主義を信奉する兄弟が登場します。著者はロジェ・マルタン・デュ・ガール(Roger Martin du Gard) 。 翻訳したのは山内義雄氏で、1952年でに白水社から出版されています。
原題は「Transients in Arcadia」。「Arcadia」とは古代ギリシア語からきた理想郷という意味の単語です。ニューヨークはブロードウエイ(Broadway)。ここに夏の避暑地にあるホテルのリストから落ちこぼれたホテルがあります。ホテルロータス(Hotel Lotus)です。人々からはあまり知られていませんが部屋は落ち着いた色合いで、ホテルは木々に囲まれあたかも山間のリゾートホテルのようです。ニューヨークの暑い夏では知る人ぞ知るホテルなのです。滞在者が少なく、夕食もゆったりと楽しめるのです。
原題は「The Gift of the Magi」といいます。オー・ヘンリーの短編小説の一つです。若く貧しいジム・ヤング(James Young)と妻デラ(Della)は12月24日を迎えます。その年は特別に景気が悪く、給料も減ってしまいました。二人はいつもより厳しいクリスマスを迎えなければなりませんでした。
刑務所生活をしたことのあるオー・ヘンリーの短編小説には警官がしばしば登場します。ヘンリーは警官に対して特別な感情を持っているようです。今回は「警官と賛美歌」 (The cop and the anthem)という小説を紹介します。
主人公はソピー(Soapy)という野外生活者です。冬が近づくとソピーはブラックウエルアイランド刑務所(Blackwell Island Prison)で三ヶ月をおくることを常としています。温かい食事と寝床が用意され警官からどやされることのない快適な住み家なのです。舞台はニューヨークのマディソン・スクエア(Madison Square)のあたりです。
本稿で合衆国とニックネームの旅は終わりです。北マリアナ諸島自治連邦区(Commonwealth of the Northern Mariana Islands)は、ミクロネシアのマリアナ諸島のうち、南端のグアム島を除く、サイパン島(Saipan Island)やテニアン島(Tinian Island)、ロタ島(Rota Island)などの14の島から成るアメリカ合衆国の自治領です。主都は、サイパン島(Saipan)のススペ(Susupe)となっています。