ポピュリズムとは何かという基本定義ですが、政治学での一般的な定義は、だいたい次のようなものです。すなわち「純粋で同質的な〈人民〉」 vs. 「腐敗した〈エリート〉」という二項対立を軸にした政治を捉える思想や言説、政治スタイルです。特徴的なのは、「人民の一般意志」を強調することです。政治家、官僚、専門家、メディアといった既存のエリートへの強い不信を持ち、「自分という指導者が人民の声を直接体現する」という主張です。ポピュリズムは完全なイデオロギーではなく、右にも左にも結びつく「薄い思想(thin-centered ideology)」とされることも多いようです。
ポピュリズムには、テクノクラシー(technocracy)という専門技術知への不信とか理性万能主義への反発という側面があります。これは「啓蒙思想 vs. 生活世界の常識」という構図や「抽象理論 vs. 体感的な正義」という対立構図で示され、「専門家よりも普通の人の感覚を信じる」という態度が正当化されるという反啓蒙・反エリート主義のことを示すようです。
政治学でのポピュリズムの理論があります。ジョージア大学(University of Georgia) の国際関係学部准教授であるカス・ミュデ(Cas Mudde)は、「ポピュリズムとは、善良な人民と腐敗したエリートが対立し、前者の民意が実現されるべきだというイデオロギーである」と定義します。そして人民とエリートという2つのカテゴリーを均質なものとみなし、エリートは腐敗している一方、人民はすべて同じ利益と価値を持っていると捉えます。その二つの主な対立は道徳的なもので、道徳的な意味での善であるか悪であるか、という点が問われるというのです。ポピュリズムとは「人民中心主義」、「反エリート主義」、「一般意志の道徳的正当性」、「善悪の道徳化」という視点が特徴とされますが、エリートとは不正や腐敗にまみれ、人民とは道徳的に正しいという単純化が起きやすいということも指摘します。
本日、1月第3月曜日はアメリカの祝日の一つ、「 Martin Luther King Jr. Day」(キング牧師記念日)です。1983年にキング牧師の功績を称え、その生誕を記念する祝日を制定する法案がレーガン大統領政権下で可決され署名されました。キング牧師の暗殺から15年後のことです。キング牧師の演説 「I Have a Dream」(私には夢がある)は世界中の学校の教科書に載ったといわれるほど明快で力強い響きがあります。
1963年8月、ワシントン大行進(Civil Rights March on Washington)で行われたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の「私には夢がある」演説は、アフリカ系アメリカ人の公民権と経済的権利を熱烈に要求し、奴隷解放宣言(Emancipation Proclamation)と憲法にもかかわらず、国家が平等の約束を果たせていない現状を浮き彫りにしました。キング牧師は、人種隔離のない未来のアメリカ、つま肌の色ではなく人格で人々が判断される未来のアメリカというビジョンを明確に示し、統合と友愛というこの夢を実現するために非暴力による抗議を訴えたのです。この演説は公民権運動(Civil RIghts Movement) にとって決定的な瞬間となり1964年の公民権法(Civil Rights)成立のきっかけとなりました。
I have a dream that my four little children will be not judged by the color of their skin but the content of their character.
ワシントン大行進 (沖縄タイムズより引用)
キング牧師は非暴力抵抗を訴え、信奉者たちに尊厳を保ち、憎しみを避けるよう促し、彼らの闘争を平和的手段による正義を求める運動へと変容させます。人種差別と不正義を終わらせるための即時の行動を呼びかけ、アメリカ全土の山々から「自由の鐘を鳴らせ!(Let freedom ring)」、そして「必ずや自由を」(Free at last!)という力強い合唱で演説を締めくくります。このフレーズは、自由を求める全国的な要求を象徴するものとなりました。
私たちは、相互に相手方の信頼を裏切らないよう誠実に行動すべきであるということを知っています。原則は信義誠実(good faith and fair dealing)と呼ばれて民法1条2項で「信義誠実の原則(信義則):正直・誠実な行動を求める」と規定されています。要約しますとモラル・ハザードとは、信義誠実に反する姿勢や行動ということになります。
自民党外交部会などは中国総領事に対する非難決議を採択し、場合によっては「好ましからざる人物」として国外退去を求めるべきとの決議もだす顛末となりました。外交官のうち、接受国である受け入れ国がその国に駐在する外交官として入国できない者や、外交使節団から離任する義務を負った者を指す外交用語に「ペルソナ・ノン・グラータ(Persona Non Grata)」があります。この意味は、「好ましからざる人物」「厭わしい人物」「受け入れ難い人物」という意味の言葉です。この用語はラテン語といわれ、英語では「person not welcome」となります。ウィキペディアによりますと「ペルソナ・ノン・グラータ」では、personaは人物を意味し、nonは〜でない、そしてgrataは歓迎されるという意味です。
弁証法の英語は「dialectic」です。文字通り対話術と訳することができます。弁証法とは古代ギリシャの問答法に起源を持ち、特にドイツの哲学者、ヘーゲル(Wilhelm Friedrich Hegel)によって体系化されたといわれます。現実世界の発展過程そのものや、矛盾から革新を生むための対話術として、学問分野だけでなくビジネスなどでも活用されています。
国際政治では、国家が自国の安全保障と国益を最優先する現実主義が見られます。チェンバレンは当時のイギリスの軍備が未整備で時間稼ぎをした面もあり、「実力が整うまで対立を避けたい」という現実的な動機があったといわれています。ヒトラーには、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約(Treaty of Versailles)で取り上げられ、チェコスロバキア領(Czechoslovakia)となったズデーテン地方(Sudetenland)を取り戻したいという意図がありました。トランプも「アメリカ第一主義」に基づき、ロシアより中国を競争相手と見なす優先順位から、ロシアとは緊張を高めたくないという発言を繰り返してきました。トランプの譲歩や対話が必ずしも弱腰ではなく、戦略的な判断をしているということも伺えます。