アメリカの州鳥 その28 デラウェアの州鳥: ブルーヘンチキン

デラウェア州(Delaware)です。17世紀初頭からスウェーデン(Sweeden)やオランダ(Netherland)からの移民が東海岸に入植します。デラウェアの東はニュージャージー州(New Jersey)、北はペンシルバニア州(Pennsylvania)、西はメリーランド州(Maryland)と接しています。

合衆国の建国に関わった13植民地のうちで最初に憲法を批准したのがデラウェア州です。1787年のことです。車のナーンバープレートには「First State」と誇るように記されています。東海岸のチェサピーク湾(Chesapeake Bay)とデラウェア湾に面し、ロードアイランド州(Rhode Island)に次いで全米で2番目に面積が小さい州です。州都はドーバー(Dover)です。

デラウェア州で有名なのは、大財閥企業デュポン・ド・ヌムール社(DuPont de Nemours, Inc)です。フランスの貴族ピエール・デュポン(Pierre Dupont)が州最大の都市ウィルミントン(Wilmington)に火薬工場を作り、やがてアメリカ有数の化学企業となります。この州には多くの法人が登録されています。法人税が安いため籍だけを置く会社が多いのです。アメリカならではの話です。

州の鳥はブルーヘンチキン(Blue Hen Chicken) で、文字通り青い雌鶏です。独立戦争当時、デラウェアからの民兵は勇敢であることから「青い雌鶏の兵士」と呼ばれました。デラウェアは闘鶏が盛んなところで、闘いに強いシャモが使われ、庶民の間でも娯楽として広まっていたのです。体の色は腹が青く背中は黒い羽で覆われています。鶏冠は赤く闘争心が旺盛な鳥です。雄は成熟すると他の雄を寄せ付けません。

アメリカの州鳥 その27 テネシーの州鳥: マネシツグミ

70代以上の方にはラジオから流れていたテネシー・ワルツ(Tennessee Wartz)という甘い曲が懐かしでしよう。歌っていたのはPatty Pageという当時大変人気のある歌手でした。テネシー州は州境でケンタッキー州(Kentucky)、ミズーリ州(Missourie)、ヴァージニア州(Virginia)など8つの州と接しています。最大の都市はメンフィス(Menphis)ですが、州都はナッシュビル(Nashville)となっています。「チュチュトレイン(Choo Choo Train) 」のチャタヌガ(Chattanooga)もこの州にあります。アパラチア山脈(Appalachian Mountains)を中心とするグレート・スモーキー山脈(Great Smoky Mountains)国立公園はハイカーが押し寄せるところです。産業では、タバコ、綿花、そして大豆などの農産物が有名です。

1933年に当時の大統領ルーズベルト(Franklin Roosebelt)が世界恐慌の対策としてニューディール(New Deal)政策を進めます。テネシー川(Tennessee River)やカンバーランド川(Cumberland River)流域の総合開発です。このプロジェクトを管轄したのがテネシー渓谷開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)です。30余りの多目的ダムを建設し失業者を雇用するのです。

テネシーはカントリーウエスタン(Country Western)の発祥の地です。エルヴィス・プレスリー(Elvis Pressley)もここの出身。彼が主に音楽活動を行ったのがメンフィスです。ナッシュビルにも沢山の南部のライブを楽しめるところがあります。その響きはBluegrassと呼ばれるアコースティック音楽のジャンルです。演奏にはギター、マンドリン、フィドル(ヴァイオリン)、ギターなどの楽器が使われます。アパラチア南部に入植したスコッチ・アイリッシュ(Scotch Irish)といわれる北アイルランドやスコットランドから移住した人たちの伝承音楽をベースにしているようです。

州鳥のマネシツグミ(Mocking bird) は、真似ツグミとも呼ばれます。「mocking」とはああざけるとか、ふざけていらいらさせるという意味です。Mockingの名の通り、他の鳥の鳴き声を真似るのが上手です。全長は23~28cm位。頭部と背中が淡い灰色、腹部が白か灰色を帯びた白の羽毛で覆われています。翼の色は体と比べて濃く、全体的に黒色で初列風切羽の根元に白い部分があります。尾は長くて黒く外側が白い羽となっています。くちばしは細くて短く、顔はくちばしから目に向かって黒の筋が横切ったような模様をしています。尾羽が長いのも特徴です。実に端正な姿をした鳥です。テキサス(Texas)、フロリダ(Florida)、ミシシッピー(Mississippi)の州鳥にもなっています。

アメリカの州鳥 その26 テキサスの州鳥 マネシツグミ

テキサス(Texas)はアメリカでは第二の面積を占める南部の大きな州です。1836年にテキサス共和国として一方的にメキシコから独立を宣言しますが、同年メキシコ軍の攻撃により敗れます。入植者がたてこもって抵抗した拠点がサンアントニオ(San Antonio)にあるアラモ砦(The Alamo)。デビー・クロケット(Davy Crockett)、ウイリアム・トラビス( William Travis)など指導者の名前が浮かんできます。映画も作られました。リオグランデ川(Rio Grande River)を挟んでメキシコと接しています。1900年代に油田が発見され、以来多くのハイテク企業が集まります。

最大の都市はヒューストン(Houston)で有名な航空宇宙センター(Space Center Houston)があります。現在の州都はオースチン(Austin)ですが、近年特に人気が高い町がリバー・ウォーク(River Walk)のあるサンアントニオです。リバー・ウォークは小さな河の両岸にレストランが並んでいます。散歩、船下りにも楽しいところです。今や年間1,000万人以上が訪れる全米有数の観光都市としても知られています。

ブッシュ(George Busch) 大統領親子はテキサスの出身です。メキシコ湾や内陸部に油田が多く、エクソンモービルなどの石油会社の本社があります。カウボーイ文化に象徴される放牧業や畜産業でも知られています。アメリカン航空、コンチネンタル航空、AT&Aなど多くの企業の本拠地となっています。カリフォルニア、ニューヨークと並ぶ商業や経済の中心の州です。

州鳥はマネシツグミ(Northern Mockingbird)です。農地や公園などの住宅があるところや草木の生い茂った草原や砂漠の低木林など木が生えている場所に生息します。食性は雑食でバッタ、アリ、クモ、甲虫などの無脊椎動物やトカゲなどの小型の脊椎動物といった動物性のものと果実やベリー系の植物性のものを食べます。鳴き声を発するのは主にオスのマネシツグミで他のオスから自分の縄張りを守るための警告や繁殖期に交尾相手を誘うために鳴ます。数百の鳥の鳴き声を真似することができ、鳴きまねは犬の鳴き声、ピアノの音や車のクラクションまでまねることができる器用な鳥です。

アメリカの州鳥 その25 ジョージアの州鳥 チャイロツグミモドキ

大西洋に面したジョージア州(Georgia)。南はフロリダ州(Florida)、東は大西洋とサウスカロライナ州(South Carolina)、北はノースカロライナ州(North Carolina)とテネシー州(Tennessee)、西はアラバマ州(Alabama)に接しています。州都で最大の都市はアトランタ(Atlanta)です。コカコーラやCNN、デルタ航空(Delta Air Lines)、保険会社アフラック(Aflac)の本社などがあります。

私がアメリカ留学のために家族と一緒に出かけ、英語の研修を2か月受けたのがジョージア州のステイトボロ(Sateboro)という小さな街です。そのせいもあってか、私の英語には南部訛りがあるといわれます。ジョージア訛りというのは、母音を引っ張っり鼻にかかった感じでやわらかく発音するのです。この発音は「draw」と呼ばれます。

「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)を書いたマーガレット・ミッチェル(Margaret Mitchell)の博物館(The Margaret Mitchell House)がアトランタのダウンタウンにあります。マーチン・ルーサー・キング牧師が説教していたエベネゼル・バプティスト教会(Ebenethel Baptist Churchi)、そして氏の功績を称えるThe King Center博物館は必ず立ち寄るべきところです。マスターズ・トーナメントのゴルフ大会が開かれるのがオーガスタ(Augusta)です。スイカ、メロンなどの果物が多いのです。特に桃やは有名なので「桃の州」(Peach State)と呼ばれています。西瓜はラクビーボールのような形をしていて、トラックで売りにきます。

州の鳥はチャイロツグミモドキ(Brown Thrasher)となっています。体全体が茶褐色で目の周りは黄色です。さえずりが得意です。庭の餌箱にやってくる人なつっこいところがあります。嘴は少し丸まっています。春や夏になると、オスはしばしば高い木にとまり、さえずりを始めます。鳴き声の種類は1100にも及ぶとのこと、メスを呼ぶのです。自分の巣を守るために、ときに人や犬を襲うこともあります。オスとメスとで交互に抱卵し、雛に餌を与えます。

アメリカの州鳥 その24 サウスダコタの州鳥: コウライキジ

サウスダコタ州(South Dakota)の州都はピーア(Pierre)。州で最も大きな都市はスーフォールズ(Sioux Falls)となっています。サウスダコタ州は農業と畜産が主要な産業です。五大品目として牛、トウモロコシ、大豆、小麦、そして豚が有名です。州名のダコタはスー族(Sioux )の言葉(仲間)から由来します。

州の南部にBlack Hillsという丘陵地帯があります。背丈の低い松で覆われています。スー族の領土であり儀式の聖地として崇められている地域です。そこは国立公園となっています。この丘陵地帯にあるのがマウント・ラッシュモア(Mount Rushmore)で、多くの観光客がやってきます。山の岩盤に歴代4人の大統領の顔が彫られています。左からジョージ・ワシントン(George Washington)、トマス・ジェファソン(Thomas Jefferson)、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)、アブラハム・リンカン(Abraham Lincoln)です。

州鳥のコウライキジ(Ring-Necked Pheasant)のオスは、青緑の頭、顔の赤い肉垂(にくだれ)、独特の白い首まわりの輪などで鮮やかな色合いの鳥です。他方、メスはかなり地味な黄色がかった茶色で、長く尖った尾を持っています。コウライキジのオスは10羽程度のメスとのハーレム(Halem)を作り、秋に群れをつくり翌年の春まで群れで生活します。

コウライキジは低木の多い野原や農地を好みますが、森林地の藪や湿地にも生息します。メスは野原や生息地の縁に巣を作り、12個以上の卵を産み、オスの助けなしで卵を孵化させます。穀物や種子、昆虫、小動物といったエサがあるのが地面なので、地上で生活します。

アメリカの州鳥 その23 サウスカロライナ州の鳥: チャバラマユミソサザイ

サウスカロライナ州(South Carolina)は、北部でノースカロライナ州(North Carolina)、南部と西部でサバンナ川(Savannah River)を境に位置するジョージア州(Georgia)、及び東部で大西洋と接しています。ローカントリー(Lowcountry)と呼ばれる海岸線地帯の土地の肥沃さとチャールストン(Charleston)など良港があることで繁栄します。西のブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)から東の大西洋まで、さまざまな地形が見られます。州都は最大の都市であるコロンビア(Columbia)となっています。一年中温暖な気候が続くことで知られています。

1629年にイングランド王チャールズ一世(King Charles I)がカロライナを植民地とします。1729年にはノースカロライナとサウスカロライナが分離します。独立戦争を経て他の州と共に独立し、奴隷制による綿花のプランテーション(Plantation)によって大いに繁栄します。やがて、1860年に奴隷制廃止論者であったリンカーン(Abraham Lincoln)が大統領になるとサウスカロライナは合衆国から離脱し、1861年には脱退した他の南部諸州と共にアメリカ南部連合(Confederate States of America)を結成します。そしてアメリカ南北戦争(Civil War) の発端となったのが、北軍の駐屯するチャールストン港のサムター要塞(Fort Sumter)への南軍の砲撃です。

1865年にシャーマン将軍(William Sherman)率いる北軍の侵攻により、ジョージア州アトランタ(Atlanta)が焼き払われ、南部経済は壊滅して南北戦争の終結が早まります。マーガレット・ミッチェル(Margaret M. Mitchelll)の小説「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)はこの南北戦争が舞台です。サウスカロライナ州は長い植民地時代を残す歴史があります。例えば、チャールストンは「聖なる市」(The Holy City)ともいわれます。高い尖塔を有する教会が街の景観を形成しています。13の植民地の中で、カトリック、プロテスタントを問わずユダヤ教を認めるという信教に対する寛容さを示した都市の一つがチャールストンです。

州の鳥はチャバラマユミソサザイ(Carolina Wren)といいます。順応性の高い鳥で、森林や沼地、農地、木々に囲まれた住宅地などに生息します。体は小さいのですがとても大きな声でさえずり、鳥類の中で最も声の大きい鳥の一種となっています。チャバラマユミソサザイは、通常つがいで暮らしており、年間を通じて縄張りから離れることはありません。この鳥は寒い冬の気候には耐えられないので、サウスカロライナやジョージアの温暖な地域に生息しています。昆虫や幼虫やクモを主食としますが、ベリー類や果実も食べます。

アメリカの州鳥 その22 コロラド州の鳥: カタジロクロシトド

小さいとき、「コロラドの月(Moonlight on the Colorado)」というアメリカの歌曲をしばしば聞いたことがあります。進駐軍の放送から聞こえたきたものです。コロラド(Colorado)は山岳地帯の州です。南北にロッキー山脈(Rokkie Mountains)が貫き、州全体の平均標高が合衆国で一番高いところです。州の東側は大平原(Great Plaines)が広がります。州都であり最大の都市はデンバー(Denver)です。

デンバーは標高が約1マイル(約1,600m)なので、マイル・ハイ・シティー(Mile High City)の愛称で呼ばれています。 デンバー市内には多くの日系人が住んでいます。その数、約1万4千人。 「ロッキーマウンテン時報」という日本語の新聞が2007年まで発行されていたのもうなずけます。

合衆国の中で、この州は大変住み心地が良いとされています。国防総省の巨大な軍事施設や関連産業によってもたらされる経済効果です。空軍士官学校 (Air Force Academy)や共同防衛組織があります。ロッキーの山中には、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense Command: NORAD)や軍事衛星による監視や弾道ミサイル防衛を担う戦略基地が掘られています。

州鳥はカタジロクロシトド(Lark Bunting)といいます。カタジロクロシトドの特徴ですが、繁殖期のオスの羽衣は主に黒色で翼には白班があります。メスは褐色の縦縞模様があって、翼には薄い箇所があります。地上で採食し、夏には昆虫を採食し、冬になると種子を食べます。繁殖期以外には群れを作ります。カタジロクロシトドは集団で繁殖し、メスは巣作りや抱卵をします。カタジロクロシトドの繁殖・子育ては,オスがメスを誘うための縄張りを草原につくるところから始まります。オスは縄張りを訪れたメスとつがいとなって繁殖します。

アメリカの州鳥 その21 コネチカット州の鳥: コマツグミ

私はかつて、コネチカット(Conecticut)の州都ハートフォード(Hartford)で開かれた教育とテクノロジーの学会で研究発表したことがあります。コネチカットとはなんともいえない響きの州名です。この州の車のナンバープレートには「Constitution State」とあります。最初の憲法の基となった宣言文を作った州の歴史に由来します。合衆国の北東部、北大西洋岸は、以前紹介しましたが、ニュー・イングランド(New England)と呼ばれています。このあたりには小さな州がいくつかあります。その内の一つがコネチカット州です。東にはロードアイランド州(Rhode Island)、北にはマサチューセッツ州(Massachusette)、西にはニューヨーク州(New York)と隣接しています。

面積としては小さな州ですが、農業はもとより酪農、漁業、製造業も盛んな州です。ロブスターや貝も知られています。ジェット機エンジン、ヘリコプターや航空機の部品、素材産業、原子力潜水艦の建造と関連の軍事産業、精密機械、化学薬品の製造が盛んです。企業ではスポーツ放送のESPN、ボーイング(Boeing)とエアバス(Airbus)のエンジンを開発するゼネラル・エレクトリック(GE)、ゼロックス(Xerox)、シコルスキーヘリコプター(Sikorsky)の本社などがあります。

州鳥はコマツグミ(Robin)です。コマツグミの卵は美しい青色で、トルコ石にも例えられています。コマツグミは胸部が鮮やかなオレンジ色で、頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあるのも特徴です。オスは頭部がはっきりと黒く、のどまで黒くなっています。なんとなく強そうな印象を受けます。メスは頭部の色がオスに比べやや薄く、のどが白っぽいです。主食はミミズで、よく芝生の上などの地面を歩いてこれを狙っています。つぶらなひとみと丸っこいオレンジ色のボディで見間違えることはありません。

アメリカの州鳥 その20 ケンタッキー州の鳥: ショウジョウコウカンチョウ

ケンタッキー州(Kentucky)はイリノイ(Illinois)、インディアナ(Indiana)、オハイオ(Ohio)、ミズリー州(Missouri)に囲まれ、オハイオ川(Ohio River)とミシシッピー川(Mississippi River)で州境をなしています。東側にはアパラチア山脈(Appaachian Mountains) がそびえ、豊かな自然に恵まれています。この州は「ブルーグラスの州(Bluegrass State)」と呼ばれ、肥沃な土壌からの多くの農産物がとれます。州都はフランクフォート(Frankfort)。最大の都市はルイビル(Louisville)となっています。

ケンタッキー州といえば、スティブン・フォスター(Stephen Foster)が作詞作曲した「ケンタッキーの我が家」(My Old Ketucky Home)を想い出します。50代以上の人なら誰もが聞き口ずさんだことのある哀愁味漂う曲です。ケンタッキーは馬の生産地でも知られています。ケンタッキー・ダービー(Kentucky Derby)が開かれるのがこの地です。バーボン・ウィスキー(bourbon whisky)の一大生産地でもあります。「バーボン」であるという条件はトウモロコシから作られていること、ケンタッキー州で作られていることなんだそうです。日本で同じようなウィスキーを作ってもバーボンと銘打ってはいけないのです。その他タバコの生産も盛んです。ケンタッキーには自動車産業も盛んです。フォード(Ford)、GM、トヨタの工場があります。トヨタはアメリカで最もポピュラーな車「カムリ(Camry)」をここで組み立てています。

ケンタッキーの州鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。オスもメスとも特徴的なとがった冠羽があります。オスの頭と下面は深い朱色です。背はにぷい朱色で羽縁がオリーブ色がかった灰色です。尾が長く、嘴の付け根付近が黒色です。実に美しい姿の鳥です。留鳥なので一年中見られます。インディアナ、イリノイ、オハイオ、ウエストバージニア各州の州鳥であることは既に紹介しています。

ケンタッキー州の車のナンバープレートには「Bluegrass State」とあります。草原を遠くから眺めると青紫色の草のつぼみが一面広がり、「青い草」に見えたので名付けられたとあります。この草は競走馬の餌となるようです。ブルーグラス・ミュージック(Bluegrass Music)の由来ともなっています。ケンタッキー州やテネシー州を通るときは是非Bluegrassのライブを楽しんで欲しいです。

アメリカの州鳥 その19 カンザス州の鳥: ニシマキバドリ

合衆国の車のナンバープレートのデザインはその州を表します。州によってデザインが違い、カラフルなのがいいところです。私も蒐集の趣味で60枚以上のナンバープレートを持っています。カンザス州(Kansas) のは小麦の穂が配置されています。カンザス州は地図を見ますと合衆国の「へそ」にあります。北側はネブラスカ州(Nebraska) 、東側はミズーリ州(Missouri)、南側はオクラホマ州(Oklahoma)、そして西側はコロラド州(Colorado)となっています。州都はトピカ市 (Topeka)、州最大の町はウィチタ市 (Wichita)です。カンザス・シティ (Kansas City)もミズリー川沿いにある活気のある町です。

アメリカの「大平原」(great plains) というのは、この州がもっとも当てはまるのではないかと思えるくらいの景色が広がります。平原をさす単語に「prairies」というのもあります。大平原はまさに一大穀倉地帯です。平坦でときになだらかに起伏しているのですが、農業生産品は牛、豚や羊、小麦、トウモロコシ、ひまわり種、大豆、綿、及び塩となっています。カンザスに行ったらステーキ(Steak)やシシカバー(Shish Kebab)を忘れずに、といわれます。分厚い肉はまさに草履のように大きいです。

カンザス州の鳥の話題です。ニシマキバドリ(Western Meadowlark)が州鳥となっています。Meadowとは平原、Larkとはヒバリの意味です。下腹部は黄色で、胸には黒のV字形の模様が入っています。背中は褐色で同じく黒い縞がついています。嘴は長めで、昆虫や種、ベリー類を食しています。托卵の習性をもつニシマキバドリもいます。

アメリカの州鳥 その18 カリフォルニア州の鳥:カンムリウズラ

日本人に最も馴染みのあるカリフォルニア州(California)は南北に長い形をしていて、北はオレゴン州(Oregon)に東はネバダ州(Nevada)とアリゾナ州(Arizona)に、最南端のサンディエゴ(SanDiego)からはメキシコ(Mexico)と国境を接しています。長い海岸線や高低差によって、海岸と内陸ではかなり気温や気候が異なります。この気候は地中海性気候といわれています。降雨量が少ないのと急激に人口が増えたために水資源の不足がしばしば取り上げられています。

州都はサクラメント(Sacramento)です。ブドウ畑が広がるナパ・バレー(Napa Valley)から東へ向かうとサクラメントに着きます。西部開拓時代の街角のOld Townは保存されていて当時の開拓時代の気分を味わえます。カリフォルニアの車のプレートには「The Golden State」とあります。西部開拓時代のゴールド・ラッシュに由来しているようです。スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア工科大学( California Institute of Technology)など世界のトップをいく研究中心の大学は知られるところです。産業や経済、科学技術などなんでも全米一、世界一を誇りたくなるような雰囲気がこの州にはあります。

州鳥のカンムリウズラ(California Quail)は、キジの仲間で、頭に美しい冠羽(plume)が特徴です。羽毛の色は黒から灰色です。頭部に飾り羽があります。メスは飾り羽が小さく、顔が淡褐色をしてます。森林や草地、乾燥した荒地などに生息し、小規模の群れ (covey)で生活します。人をあまり恐れないのでしばしば見かけるといわれます。普段は歩いたり走ったりしています。毎日の活動は砂浴び(dust bath)で柔らかい土を下腹をゆすって砂かけをします。低い枝上にねぐらをとり、種子・緑色植物・昆虫などを地上でとります。

アメリカの州鳥 その17 オレゴン州の鳥:ニシマキバドリ

オレゴン州(Oregon)は大西洋岸北西部に位置し、森林、山々、農場が広がる州です。州都はセーラム(Salem)で最大の都市はポートランド(Portland)となっています。ポートランドは札幌市とほぼ同じ緯度にあり、姉妹都市関係を結んでいます。肥沃な農地を抱え、周辺の農産物が集まるところでもあります。明治から大正時代に多くの日本人が移民として移住した州でもあります。移民した日本人は過酷な林業や漁業に従事します。

ポートランドのダウンタウンですが、コロンビア川(Columbia River)の支流ウィラメット川 (Willamette River) の川岸は公園となっています。その一角に日本人移民の歴史公園があります。そこに移民の足跡を記すレリーフが立っています。レリーフには、農業と漁業で生計をたてながら子どもを教育する姿、アメリカに同化しようとした努力、大戦中の収容所での苦しい生活、そしてアメリカ人の差別に対する謝罪の言葉などが彫られています。ある学会でポートランドへ出かけたとき、家庭内暴力(DV)で苦しむ子どもが学ぶ学校へ案内されました。

オレゴント街道(Oregon Trail)は、開拓者が通った主要道の一つで、幌馬車に乗っって街道を経て東部から多くの入植者がやってきました。1980年のセント・ヘレナ山(Mt. St. Helena)の噴火も知られています。

州の鳥はニシマキバドリ(Western Meadowlark)といいます。Meadowとは牧草地のことで、Larkとはヒバリのことです。Meadowlarkは牧草地などでみられるヒバリの様な鳥を指しています。背面の模様はヒバリに似ています。胸部は鮮やかな黄色をしているので他の鳥と見間違うことは少ないようです。体長は20cm位で、草原に巣を作ります。昆虫の他に植物の種やベリー類も食べます。

アメリカの州鳥 その16 オハイオ州の鳥:ショウジョウコウカンチョウ

合衆国中西部の州の一つオハイオ州(Ohio)は、北はミシガン州(Michigan)とエリー湖(Lake Erie)、東はペンシルベニア州(Pensilvania)、南はケンタッキー州(Kentucky)とウェストバージニア州(West Virginia)、西はインディアナ州(Indiana)に接しています。州都で最大都市はコロンバス(Columbus)です。3 大都市のクリーブランド(Cleveland)、シンシナティ(Cincinnati)、コロンバスは芸術、文化、教育、音楽、スポーツなどの中心都市です。

オハイオ州は「大統領の母」(Mother State of Presidents)というニックネームがあり、州内で生まれた7人の大統領を送り出してきました。7人共に共和党員(Republican)です。合衆国内で最大のアーミッシュ(Amish)の共同体があることでも知られています。オハイオ州は別名「バッカイヤ州」(Buckeye)と呼ばれています。Buckeyeとは州の木のことです。針葉樹の一種で、なんとなく木の形といい大きさといい、北海道に多いカシワに似たところがあります。ドングリも秋になると沢山落ちます。

オハイオ州の鳥、ショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)は通称「カーディナル」(Cardinal)と呼ばれています。この鳥になんども紹介してきました。一生を同じペアで過ごすようなので、渡り鳥ではありませんが、寒くなるともっと雪が少なくて餌がある地域に移動するようです。鮮やかな赤のショウジョウコウカンチョウはバードウォッチング初心者でも簡単に見分けられ、人家の裏庭やエサ箱にもよくやってくる鳥です。さえずりが得意な鳥には珍しく、オスとメスのどちらもよく鳴きます。深紅の羽毛を持つオスはメスにとって魅力的です。ショウジョウコウカンチョウはかなり社交的な鳥で、ほかの種類の鳥がいる群れにも参加することがあるといわれます。

アメリカの州鳥 その15 オクラホマ州の鳥:エンビタイランチョウ

オクラホマ州(Oklahoma)アメリカのほぼ中央に位置しているというだけでなく、西部開拓時代の歴史、アメリカ先住民文化、真の南部の魅力が見事に融合しているところです。州の北はコロラド州(Colorado)とカンザス州(Kansas)に接し、東はミズーリ州(Missouri)とアーカンソー州(Arkansas)、西はニューメキシコ州(New Mexico)、南はテキサス州(Texas)に接しています。州都および最大都市はオクラホマ市です。

オクラホマ州はアメリカでアメリカ先住民の人口が最も多い州で、39の部族がこの州に本部を置いています。オクラホマ州は天然ガス、石油および農業の生産高が高く、また航空機、エネルギー、通信およびバイオテクノロジーに経済の基盤があります。天然ガスの生産では国内第2位、50州の中で農業生産では第27位、コムギに限っては第5位となっています。

観光ですが、西部開拓時代の博物館とカントリー音楽で知られています。南部のビーガン(Vegan)であるコンフォートフード(Comfort food)とルート66 (Route 66)の名残が共存するオクラホマ州には複数の文化が混ざり合っており、その姿は実にアメリカ的です。

オクラホマ州の鳥です。エンビタイランチョウ(Tyrant Flycatchers)は、北中南米に生息するタイランチョウの仲間です。タイランチョウの仲間は、旧大陸のヒタキ科に近い習性や食性のグループです。エンビタイランチョウですが、和名の通り、「燕尾」のように長い尾が特徴です。尾を二つに広げて飛びます。嘴は短くて幅が広く,先端が鋭く曲がっています。多くの種は昆虫食で,留まった枝などから空中に豪快に飛び出して昆虫類を捕え,元の枝に戻って食べます。それ故、「Tyrant Flycatchers」と呼ばれています。育雛はオスとメスがともに行います。

アメリカの州鳥 その14 ウェストバージニア州の鳥:ショウジョウコウカンチョウ

ウェストバージニア州(West Virginia)は合衆国東部、首都ワシントンDC(Washington DC)から内陸に入ったところに位置します。州都および最大都市はチャールストン(Charleston)です。北はペンシルバニア州(Pensilvania)、北東はメリーランド州(Maryland)、東南がバージニア州(Virginia)、北西にオハイオ州(Ohio)、西部にケンタッキー州(Kentucky)の5つの異なる州と接しています。産業としては石炭、硝酸、石灰、岩塩などが採掘されています。

ウェストバージニア州は、残念ながら日本ではあまり知られていない州ですが、雄大な自然と治安のよさは知られています。アパラチア山脈(Appalachian Mountains)に位置し、国内で最も荒涼としているといわれる地形が広がっています。州内全域に広がる起伏の多い山々と、丘や渓谷に囲まれていることから、「山岳の州」(Mountain State)という愛称がついています。

絵画のような美しさで人気のあるシェナンドー国立公園(Shenandoah National Park)は、アメリカ南東部で初めて設立された国立公園です。ブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)やシェナンドーバレー(Shenandoah Valley)を見渡せる絶景ポイントが 沢山あります。ハイキングコースも豊富で、難易度や地勢がさまざまに異なるコースですが、600 キロメートル以上の鉄道の線路が、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、乗馬のためのトレイルに生まれ変わりました。

州の鳥は、ショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)です。公園や郊外の庭園でも見られ、餌台にもよく集まります。種子、果実、花、植物の芽、昆虫等を食べますが、ヒマワリやベニバナの種子をよく食べます。オストメスとも特徴的なとがった冠羽があります。オスの頭と下面は深い朱色です。背はにぷい朱色で羽縁がオリーブ色がかった灰色です。尾と翼はにぷい赤色であごと嘴の付け根付近が黒色です。ローマカトリック教会の枢機卿はCardinalと呼ばれます。枢機卿の法衣と帽子が深紅であることからこの鳥に名付けられています。

アメリカの州鳥 その13 ウィスコンシン州の鳥:コマツグミ 

私と家族にとっての故郷、ウィスコンシン州(Wisconsin)は、東側はミシガン湖(Lake Michigan)に、北東はミシガン州に、西側はミネソタ州(Minnesota)とアイオワ州(Iowa)に、南側はイリノイ州(illinois)に、北側はスペリオル湖(Lake Superior)に接しています。州都はマディソン(Madison)で人口最大の都市はミルウォーキー(Milwaukee)です。愛称は「America’s Dairy Country(酪農の国)」または「The Badger State(バジャー:あなぐま州)」と呼ばれています。バジャーは州のシンボルとなっています

ウィスコンシン州の主要産業は製造業、農業であり、製造業は農業よりはるかに生産高が大きいのですが、ここは農業の州とか酪農の州と見なされています。ウィスコンシンと言えば乳牛の牧畜で有名で酪農祭り等の催しものが多いのが特徴です。チーズやミルク等の酪農製品が名産で、チーズの生産高では国内の約4分の1を生産しており、全米第1位となっています。

ウィスコンシン州にもいろいろな観光地があります。ヨーロッパからの移民が多く、そうした人々が移住して開拓した町がいくつかあります。マディソンの近くのニューグレラス(New Glarus)にはスイス村(Little Switzerland)、ブルーマウンズ(Blue Mounds)という村はにはリトルノルウェー(Little Norway)という記念館があります。ストートン(Stoughton)はノルウェー系の人々の街となっています。五月の第二日曜日はノルウェーの独立記念日となっていて街中が祝います。

Robin

コマツグミの英名は「Robin」といういい響きです。 市街地周辺から山岳地まで広く生息し、ミミズや昆虫、カタツムリなどを捕食します。 樹上、地上、建物などに小枝や草を用いて椀型の巣を作ります。 澄んだ高い声で鳴きます。 胸から体下面全体が赤橙色で、下から見上げると真っ赤な色に見えることがあります。頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあります。オスは頭部がはっきりと黒く、のどまで黒くなっています。メスは頭部の色がオスに比べやや薄く、のど元が白っぽい特徴を持っています。

アメリカの州鳥 その12 インディアナ州の鳥 ショウジョウコウカンチョウ

インディアナ州の州都はインディアナポリス(Indianapolis)です。インディアナ州はミシガン湖(Lake Michigan)とオハイオ川(Ohio River)の間に南北に延びる州です。この州の人々の呼び名はフージャー(Hoosier)といいます。イングランドのカンバーランド(Cumberland)地方の方言で高地人を指すHoozerが語源といわれます。「開拓民」とか「奥地の人」という意味だそうです。恐らくカンバーランドから入植した人々が自分たちをHoosierと呼んでいたから、この名がついたのでしょう。

インディアナはCorn Beltと呼ばれるウモロコシの農場が広がります。トウモロコシは養鶏や養豚の飼料となります。飼料は世界中に輸出されています。アメリカは穀物市場を押さえています。その中心がインディアナということです。大豆、鶏卵、メロン、トマト、ブドウ、タバコ、ハッカの生産も盛んです。インディ500(Indy500)はご存知でしょうか。5月末の戦没将兵追悼記念日であるメモリアルデー(Memorial Day)の前日の日曜日に開かれれるモーターショーです。スピードウエイを805kmを時速360Kで走るのです。

州鳥ですが、前回のイリノイ州と同じショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。別名はカーディナルといいます。Cardinalは、カトリックの最高聖職者である枢機卿Cardinalis)に由来し、枢機卿は真紅の衣をまといます。「カーディナル(枢機卿)」は「赤」の代名詞となっているのです。合衆国では冬期には、都市公園などでも見られます。アメリカ国民に最も愛されている野鳥の一つで、全長約20㎝。体重は約50g位です。 オスは光沢のある赤色、メスは体が褐色で、冠羽と翼、尾羽は赤みがかっています。 オスは成熟すると共に赤みが増していく実に綺麗な鳥です。

アメリカの州鳥 その11 イリノイ州の鳥 ショウジョウコウカンチョウ

イリノイ州(Illinois)の州都はスプリングフィールド(Springfield)。金融の世界的な中心シカゴ(Chicago)もイリノイ州に位置しています。東はインディアナ州(Indiana)、南東はケンタッキー州(Kentucky)、西はミズリー州(Missouri)とアイオワ州(Iowa)、北はウィスコンシン州(Wisconsin)、北東にミシガン湖(Lake Michigan)があります。

ミシガン湖とミシシッピー川(Mississippi Rive)を結ぶ運河により水運が効率になります。陸上では合衆国の交通の要所で鉄道網が発達しています。空運の大中心地がシカゴのオヘア空港(O’ Hare)、工業、農業、金融業、運輸、サービス業などの多様性は合衆国経済の縮図となっています。イリノイには「リンカーンの地 (Land of Lincoln)」という州の公式スローガンがあります。イリノイからは、共和党員のアブラハム・リンカーンの他に民主党員のバラク・オバマ(Barack Obama)が合衆国大統領となっています。シカゴのダウンタウンにシカゴ美術館 (Art Institute of Chicago)があります。是非立ち寄りたいところです。

イリノイ州の土壌は分厚い黒土層でおおわれ、農業に適した肥沃な州で知られています。世界有数の穀倉地帯でもあります。農地は州面積の80%を占め、大豆は全米第一位、トウモロコシはアイオワと同じ一、二位を争っています。

イリノイ州の鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。アメリカの東部から中部、南部それにメキシコが原産です。カリフォルニア州にも広がり、その分布域を広げています。林縁や低木帯、人家の周りの茂みなどに生息します。体長は20センチ前後でオスは黒い顔をのぞいて全体が赤色で、メスは淡褐色から淡い緑褐色をしています。頭部に尖った冠毛があり、くちばしは円錐形で橙赤色です。いろいろな種類があり18亜種が確認されています。主にメスのフェースマスクの色で区別するそうです。植物の種子や穀物、果実、昆虫などを餌にしています。一年中さえずりますので人々に親しまれている鳥です。

アメリカの州鳥 その10 アリゾナ州の鳥:サボテンミソサザイ

アリゾナ州(Arizona)は北をユタ州(Utah)、東をニューメキシコ州(New Mexico)、南をメキシコ、西をカリフォルニア州(California)とネバダ州(Nevada)に接しています。もともとはメキシコの一部でしたが、アメリカ・メキシコ戦争の結果、1863年にアリゾナ準州として分離され、後の1912年に48番目の州となります。首都はフェニックス(Phoenix)で、その他にツーソン(Tucson)といった都市もあります。

フェニックスは、20世紀前半からニューディール(New Deal)政策によるコロラド川(Colorado River)の電源開発、多目的ダムであるフーバーダム(Hoover Dam)の開発によって、無尽蔵の電力を供給、軍事産業に関わる航空機産業や電器機械工業が発展し、また観光都市としても発達しています。フェニックスは砂漠のど真ん中に都市が形成されているため、夏の暑さは厳しいこの地ですが、冬は避寒地として人気で多くの人々がやってきます。郊外にあるサンシティ(Sun City)は、退職後の人々が暮らす地域で有名なリタイアメント・コミュニティー(Retirement Community)があります。

アリゾナといえばグランド・キャニオン(Grand Canyon)の右に出るものはありません。コロラド川による浸食作用で削り出された大渓谷です。州のニックネームは”Grand Canyon State”となっています。フェニックスより車で2時間のところにセドナ(Sedona)という観光地があります。グランド・キャニオンに次ぐ観光地で、個性的な形をした赤い砂岩の岩山で知られ、霊性溢れるパワースポットといわれます。兵庫教育大学の院生8名とで学校訪問のついでにセドナを楽しみました。

州鳥のサボテンミソサザイ(Cactus Wren)のことです。羽の色は褐色で黒と白の斑点があります。目の周りが白く、胸も白いのが特徴です。オスとメスは同じ形をしています。。サボテンの生息している乾燥地帯で生活する鳥で、サボテンに留まっても平気です。長くて鋭いクチバシはサボテンに住む昆虫を突いて食べることができます。 また捕食者に襲われたらサボテンに避難したり、巣をサボテンの隙間に作って卵を守ったりします。つがいは生涯寄り添います。早春に繁殖期を迎え、サボテンの隙間に営巣します。 これにより捕食動物は卵を狙って巣に近づくことはできません。

アメリカの州鳥 その9 アラバマ州の鳥:ハシボソキツツキ

アラバマ州(Alabama)は、合衆国の黒人と白人の間の平等を実現する闘いにおいて、大きな役割を果たしたことでも知られています。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(Rev Martin Luther King, Jr)が説教をし、行進をし、歴史を変えたのは他でもないこのアラバマ州です。州都はモンゴメリー市(Montgomery)は、ローザ・パークス(Rosa Parks)という女性が白人男性にバスの座席を譲ることを拒み、人種隔離政策に異議を申し立てことで有名です。

1955年に起こったパークス逮捕事件がバス乗車拒否などの運動に広がり、公民権運動が高まります。この動きでアメリカ合衆国議会により、1964年の公民権法と1965年の選挙権法成立に繋がります。その後も長い間、公民権運動は続きます。人種差別というのは法律とか規制によっては、なかなか払拭できないのです。歴史とか時間というものは、そう容易く作りかえることは難しいのです。2020年も黒人射殺とか逮捕事件が続いています。

アラバマ州のハンツビル(Huntsville)には、宇宙ロケットセンター(U.S. Space & Rocket Center)のあります。アラバマ州の南端は、モービル湾(Mobile Bay)とガルフコースト(Gulf Coast)のビーチがあることでよく知られています。モービルは、アメリカのマーディグラ(Mardi Gras)発祥の地です。マーディグラとはカーニバルのことです。アラバマ州はディープサウス(Deep South)とも呼ばれ、合衆国南部の地理的、文化的な中心州となっています。

州鳥のことです。ハシボソキツツキ(Northern Flicker) は、キツツキ科の鳥で、耕地や市街地の公園などにも生息します。主食はアリで粘りけのある舌を使ってアリを引き出します。嘴は長くとんがり、草木の実や甲虫・コオロギなども食べ、ときには空中捕食も行います。巣は枯れ木に穴をあけて作り、白色卵を1-2個産みます。上面は褐色で黒っぼい横縞模様があります。オスの口許には赤い縞が走っています。襟元には黒い三日月の縞がついています。下腹には黒い斑点がある優雅な姿をしています。