旅は道連れ世は情け その15 台北のホテルでの忘れ物

中華民国の首都はもちろん台北です。市内をあちこちを歩きながら、中国と台湾の独立のことを学びました。

国立國父紀念館の他に、国立中正紀念堂も立ち寄るべきところです。「中正」とは蒋介石の本名です。紀念堂には蒋介石元総統のブロンズ像が鎮座し、その後の壁には三民主義を引き継いだ「倫理」、「民主」、「科学」という蒋介石の基本政治理念が掲げられています。公園や道路名などからも、孫文と蒋介石はこの国では最も大事にされている人物であることがわかります。

国立故宮博物院のコレクションはいうまでもないでしょう。まさに「神品至宝」で詰まっています。もともと紫禁城宮殿で所蔵された重要な文物は、旧日本軍の進出や国共の内戦の激化によって、台湾に運ばれてきたとされます。その運搬経緯はまことに奇跡のような謎に満ちたところがあるようです。

ところがこの台北市内のホテルで忘れ物をしてしまいました。朝ビュッフェで食事をしてから手洗い行きました。いつも身につけているパウチをはずして用を足したのです。部屋に戻ったとき、パウチを忘れたのに気がつきました。慌てて戻ったのですがパウチはありません。食堂にはまだ大勢の団体客が食事中でした。

急ぎカウンターに忘れ物を告げると、すでにそこに保管されていました。中年のメイドさんが届けてくれたことを知りました。その方にお礼をいいながら、なにがしかのチップを差し出しました。ところが笑いながら受け取ってくれません。ホテルの研修が徹底しているせいでしょうか。台湾も日本の「おもてなし」の感化を受けているのでしょう。

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