心に残る名曲  その百十五 ヘンデル 「Lascia Chio Pianga」

このアリアのオリジナルの旋律は、ヘンデル(Georg Friedrich Handel)の1705年のオペラ「アルミーラ」(Almira)の第3幕にサラバンド(Sarabanda)として使用されたのが最初です。ヘンデル19歳のときに書かれた最初のオペラといわれます。サラバンドとは三拍子の荘重な舞曲です。

 1711年にヘンデルはこの旋律の再使用します。それがオペラ「リナルド」(Rinaldo)第2幕に登場する有名なアリア(Aria)「私を泣かせてください」 (Lascia ch’io pianga)です。劇中で、エルサレムのイスラム側の魔法使いの囚われの身になったアルミレーナ(Almirena)が、敵軍の王に求愛されるのですが、愛する十字軍の将軍リナルドへの貞節を守るため「苛酷な運命に涙を流しましょう」と歌うアリアです。恋人を想って自分の悲運を嘆くシーンで歌われます。「抱かせてください、自由の憧れを」と歌っています。アリアとは、オーケストラの伴奏で独唱する叙情的な歌、詠唱のことです。

「リナルド」は11世紀のエルサレム(Jerusalem)を舞台にした叙事詩「解放されたエルサレム」に基づいています。このオペラは大成功をおさめます。

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