心に残る名曲 その八十八 歌曲にはドイツ語がぴったり

フランツ・シューベルト(Franz Schubert)は「歌曲の王」と呼ばれています。「水車小屋の娘」、「魔王」、「白鳥の歌」、「冬の旅」、「糸を紡ぐグレートヒェン」などがしばしば歌われます。「冬の旅」の第5曲目が「菩提樹」、「白鳥の歌」の最後の曲が「影法師」です。「野薔薇」もいい曲です。

 シューベルトの歌曲の特徴といえば、旋律の美しさや詩に含まれる言葉の抑揚やリズムが心地良く響くことです。それにはドイツ語に関連しています。ドイツ語には母音の数が少ない、綴り字と発音が割合に規則的に対応している、アクセントは原則として第1音節にあるなどの特徴があります。単語はおおよそローマ字通りに読むとよいのです。英語に比べると発音がずいぶん簡単なのです。アクセントによって勇ましい感じになるのもドイツ語です。

Sonne、sehen、 singenという単語の母音をみてみましょう。まず母音の前の 「s 」は「ザ、ジ、ズ、ゼ、ゾ」のように濁ります。次ぎに「 ch 」は a, o, u, au の後では、喉の奥をかすらせる音「ハ、ホ、フ」になります。Bach、doch、Buch は、バッハ、ドッホ、ブッフと発音します。

「ウムラウト」(Umlaute)もドイツ語の特徴です。ウムラウトとは変母音と呼ばれ、アクセントのある母音が、後続の i、e 等の前舌母音の発音に引きずられて e に近い発音になることです。例えば、Köln はドイツの都市名ですが、「コロン」に近い発音です。日本語風に「ケルン」と呼ぶのは間違いです。たいした間違いではないのですが、別の意味となります。

私が言いたいことは、歌曲にはドイツ語があっていることです。英語の歌詞で歌うとその違いがわかりますが、、、この辺りは文章で読者に説明するのが難しいです。お許しください。

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