心に残る名曲 その六十一 チャイコフスキーと日本人 その七 交響曲第4番ヘ短調作品36

チャイコフスキーの作品に戻ります。交響曲第4番ヘ短調です。最初の金管楽器によるファンファーレのような響きが、この交響曲の素晴らしさを暗示しています。曲頭のホルンとファゴットのファンファーレのモチーフは全曲の主想旋律となります。このファンファーレは運命のファンファーレとも呼ばれ、本楽章の展開部以降にしばしば登場します。楽章終盤では立て続けに登場し、楽章終結に向けて大いに曲の緊迫感を高めます。また第4楽章の終盤にもそっくり再来して曲の雰囲気を一転させることになります。

序奏部のあとは、暗く悲劇的な第1主題が弦で提示され提示部が始まります。ムラビンスキ指揮の(Evgeny Mravinsky)レニングラード・フィルハーモー交響楽団、現在のサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団(Saint Petersburg Philharmonic Orchestra)の演奏は聞き応えがあります。

ムラビンスキは1903年、帝政期サンクトペテルブルクにて、非常に高い地位を有する貴族であり法律家の父と、歌手であり音楽に対し造詣の深い母との間にうまれます。また、父方の伯母も有名な歌手であった。6歳の時からピアノを学びはじめます。しかし1917年の ロシア革命により一家は財産を没収され、アパート一室での雑居生活を強いられたようです。1924年にレニングラード音楽院、今のサンクトペテルブルク音楽院(St Petersburg Conservatory)に入り直し、作曲と指揮を学び才能を開花していきます。

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