ユダヤ人と私  その30 ユダヤ教の主な儀礼 安息日と割礼

ユダヤ人にとって最も大事な儀式は、シャバト(Shabato)と呼ばれる安息日をまもることです。正確には金曜日の日没から安息日が始まります。土曜日はいかなる労働も行わないことを求められます。「安息日を覚えてこれを聖なる日とせよ」という教えです。このフレーズは旧約聖書の出エジプト記(Book of Exodus)20章8節にあります。3世紀頃から安息日を花嫁と呼ぶ習慣もあります。金曜日は日が落ちる頃、ラビは戸外に出て安息日の正装をし「花嫁よ、来たれ」と言ったそうです。なお、「Shabato」は 英語では「Sabbath」で安息という意味です。

シャバトのいわれは創世記(Genesis)にあり、神が6日かけて世界を作った後、7日目に休んだことに由来します。これが現在世界中で使われるカレンダーが週で区切られ、特定の日を休みとする習慣が広がったいわれです。ユダヤ人のコミュニティでは、学校や職場は金曜日は午前中までで、日没後は商店などを閉め公共の交通機関も止まってしまいます。家事をすることもできません。主婦は安息日のため金曜日に週末の食事を用意するので忙しく振る舞うことになります。

もう一つの儀式は、生後8日目の男子に施される割礼(circumcision)です。男性器の包皮を切りとる儀式です。これはヘブル名の命名式も兼ねていて、家族や親戚、友人などを沢山招いた中で盛大に祝います。割礼の記録は、創世記(Book of Genesis)17章9-14節にあり、アブラハム(Abraham)と神の永遠の契約として割礼を行うことが定められています。Wikipediaによりますとキリスト教圏、例えばアメリカでは5割の子供が割礼をするとあります。衛生上の理由などで割礼が行われているようですが、さほど一般的ではないようです。