ユダヤ人と私 その2 シナゴーグとタルムード

大分話は遡ります。1977年にウィスコンシン大学に入って早々、Jacobs氏はマディソン(Madison)までワゴン車で留学生を迎えにきてくれました。所属されていた地元のロータリクラブが我々をもてなす活動を主催したのです。私はJacobs氏宅で生まれて初めてのホームスティを楽しむことになりました。

その時、ご自身が長老をされているユダヤ教の礼拝所、シナゴーグ(Synagogue)に連れて行ってくれました。礼拝所に入る前にヤマカ(yamaka)という皿に似た帽子をかぶります。シナゴーグは、礼拝や結婚、教育、文化行事などを行うコミュニティーの中心的場所です。丁度、ユダヤ教典であるタルムード(Talmud)の学習会がひらかれ、信徒の人々がラバイ(rabbi)と呼ばれる教師を中心に学んでいました。タルムードはユダヤ教徒の生活や信仰の基となっている教典です。

「Jacobs」という名前はヘブライ語起源の人名です。旧約聖書の創世記(Book of Genesis)12章以下に記されています。ユダヤ教の始祖といわれるアブラハム(Abraham)と妻サラ(Sarah)から生まれたイサク(Isaac)の息子がJacobです。ユダヤ人の祖とも称されています。Jacobはヤコブという慣用表記で使われています。創世記には、大洪水(great flood)やノアの箱舟(Noah’s Ark)の物語、バベルの塔(Tower of Babel)の話が登場します。