木枯らしの季節 その一 山口誓子

300px-battle_of_sakhalin tomariorutantetu 一段と寒くなってきました。

海に出て木枯らし帰るところなし

この句は詩集「遠星」に所収されている山口誓子の作品です。昭和19年11月に作られたとあります。太平洋戦争は敗戦が濃厚になり、日本軍は特攻とか回天といった命を犠牲にする無残な攻撃を始めます。今のIS (Islamic State)と同じ戦法です。二度と帰ることのない若者の命を歌ったのがこの句といわれます。誓子のぎりぎりの反戦的な態度だったのでしょう。

誓子の作品に「凍港」という樺太の情景を叙情的に詠んだ詩集もあります。
   探梅や遠き昔の汽車にのり
   氷海や月のあかりの荷役そり

200px-yamaguchi_seishi私は樺太の真岡生まれですが、樺太生活や風景になんの記憶もありません。誓子の句から成田家が過ごした樺太という風土の想像を巡らすだけです。